リーバイスが復活してNY証券市場に再上場する一方、わが国のジーンズ市場は縮小の一途で復活が見えず、ジーンズカジュアル専門店でもジーンズの扱いが減り、ライザップグループの「ジーンズメイト」がアスレジャーに軸を置いてジーンズを扱わない店舗を打ち出すなどジーンズ離れが進んでいる。果たしてジーンズはこのままカジュアルの本流から外れてしまうのだろうか。

NBブルージーンズのピークは05年だった

 ジーンズ市場はさまざまな基準で捉えられているが、まずは2012年まで業界団体の日本ジーンズ協議会が発表していた数字を検証したい。

 

 同協議会の数字は参加しているNBジーンズメーカーの生産量を集計したもので、「ユニクロ」などSPAのPBジーンズは含まれていないからジーンズ市場全体を捉えたものではないが、マーケットの趨勢はつかめる。集計にはトップスやジーンズ以外のボトムスも含んでおり、同協議会の集計を転用した記事の多くは混同して誤解を招いてきた。「ジーンズ市場」を捉えるにはブルージーンズとカラージーンズに絞って推移を見るべきだ。

 同協議会の集計によるジーンズ生産量のピークは00年の7108.6万本で、07年に5887.6万本と6000万本を割って以降は急減し、10年に3989.1万本と大底を打って12年には4019.6万本とわずかに回復を見せた。カラージーンズは99年には3736万本とブルージーンズより多かったが、以降は急減してブルージーンズを下回るようになり、09年には1548.6万本まで落ちている。

 ブルージーンズのピークは05年の4945.1万本で、以降は急減して11年には2258.7万本と大底を打ち、12年は2328.6万本とやや回復している。00年代前半のセレブジーンズブームを経た今日では『ジーンズ=ブルージーンズ』という認識が定着しており、05〜06年ごろがピークだったという業界の実感とも一致している。

ジーンズカジュアル専門店のピークは07年だった

 

 一方、ジーンズカジュアル専門店(年商10億円以上を集計)の売上推移を追うと、05〜06年頃に急成長して07年に3233億円とピーク打った後、つるべ落としに急落して11年には2450億円(07年比76%)まで落ち込み、14年には2363億円(07年比73%)と底割れしている。16年には2618億円まで回復したものの17年以降は再び落ち込み、19年上半期の趨勢では2340億円まで落ちると見られる。

 最大手ライトオンの売上高も同様な軌跡を辿っているから、ジーンズ販売のピークは07年頃で急騰から鎮静化まで5年間と、かなりピーキーなブームだった。また前述したように、00年を境としてジーンズ生産の主流がカラージーンズからブルージーンズへ移り、05年にかけて急激にブルージーンズに集中していったことから、セレブジーンズブームが『ジーンズ=ブルージーンズ』という認識をもたらしたと推察される。

 ジーンズ協議会の生産量は年間ベース、ジーンズカジュアル専門店の売上高は各社の決算期集計というズレに加えて生産から販売までの時差もあり、生産のピークと販売のピークには1年以上のズレがある。近年はジーンズカジュアルとは一線を画している旧「ポイント」(現アダストリア)もジーンズ最盛期までは一翼を担っており、遡って同社の売上げを除いている。