直営売場面積はダブルネーム店舗最大級。この他、ハニーズ、ダイソー、東京靴流通センターなどといったテナントも約30店配置されている。

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は三重県名張市のアピタ名張店を業態転換し、MEGAドン・キホーテUNY名張店として9月3日に再オープンした。直営面積は東海通店(名古屋市)、鈴鹿店(三重県鈴鹿市)とほぼ同規模で、ダブルネーム店舗としては過去最大級だ。

 運営はPPIH100%子会社のUDリテール(横浜市、片桐三希成社長)。PPIHは当初計画よりも前倒しし、2022年中をめどに「アピタ」「ピアゴ」の約100店を、ドン・キホーテが持つ若者に人気の時間消費型の店づくりとミドル・シニア層に強いユニーのノウハウが有機的に結合するダブルネーム店舗に業態転換する計画だが、名張店は今期に入り15店目、前期も含め21店目の転換となった。

2階に「ドン・キホーテ」業態を丸ごと導入

 立地は名阪国道上野ICより国道368号線を名張市方面へ15㎞進んだロードサイド。近鉄・名張駅からは車で約10分かかる。名張駅西側にはイオン名張店がある。

 名張店は「MEGAドン・キホーテ」と「アピタ」の両方の強みを生かし「客層を拡大することで二毛作を目指す」(中村英人総店長マネージャー)。ティーンからシニアの幅広い年代に対応する。

 具体的には、1階の食品フロアは半径3.5㎞圏に住む名張市のお客の普段使いに照準を合わせる。特に生鮮4品(青果、鮮魚、精肉、惣菜)を強化した。旧店アピタが強かった地元のミドル・シニア層を引き継ぎながら、ディスカウント性の強い食品を導入することで、新たにニューファミリー層を取り込む。

1階食品売場の入り口には売場を5割広げた精肉売場を配置。客数が増えることを想定し、カート3台が擦れ違えるように通路を幅広く取った。

 これと対照的に、2階は広域20㎞圏をターゲットとし、主に週末の集客を見込む。近隣に自社店舗や若者向けの店がないことから「ドン・キホーテ」業態を丸々導入した。これはダブルネーム店舗では初の試みだ。トレンド性の高いスマホパーツ、化粧品、カラーコンタクトを大きく品揃えする他、人気の菓子・飲料・日用消耗品を展開。ティーンやヤングを呼び込みながら、地域におけるドンキの認知度を高めていく。

2階のスマホパーツ売場。トレンドに敏感なヤング層を店舗に呼び込むのが狙いだ。
右手に若者に人気の化粧品ブランド、通路を挟んで左は婦人インナーを展開。
レディスカジュアルの売場。ドンキの衣料と差別化する目的で鈴鹿店でデビューした実用衣料「アピタクロージング」は、近隣に「ドン・キホーテ」がないため、この店では展開していない。
2階に「ドン・キホーテ」業態を丸ごと導入しているため、2階でも食品を展開。1階と違ってこちらはドンキらしい菓子が並ぶ。
フライパンや包丁、ケトルといったキッチンの調理用品もしっかり展開している。

 展開品目数は約10万アイテム。①ライフスタイル(日用消耗品、日用雑貨品、玩具、文具)、②トレンドセレクト(家電、インポートブランド商品、衣料品)、③フード・リカー(生鮮食品を含めた食料品、酒類)――の3分類でカテゴリー展開している。

 1階食品フロアでは精肉売場を約1.5倍に拡大するとともに、肉惣菜を強化。また「簡単クッキング お肉の山さん」という初めてのショップ名で、肉のばら売りの他、調理前のカツ類や手作りハンバーグなどを販売。売場に自社で養成する試食販売員(計3人)を常駐させ、お客の献立を毎日提案する。

「簡単クッキング お肉の山さん」は初登場。囲いを設けてライブキッチン風を演出。右手に自社の試食販売員が見える。
地元産の伊賀牛は旧店時代から出店しているコンセッショナリーの丸福精肉店に任せる。
青果コーナー。売場上部には野菜を紹介・説明するPOPが所狭しと並び、にぎやかな演出だ。
弁当類とパスタや焼きそばなどの軽食コーナー。こちらもコンセのカネ美食品が作っている。
グロサリーの大量陳列。POPに売場担当者を登場させてお客との距離を一気に縮めるのがドンキ流。

 また地域密着の取り組みとして、観光協会と連携して地元ゆかりの忍者をイメージした装飾を館内に施した他、自治体とともに定期的にイベントを開催する。9月末には名張市と警察などと連携し「交通安全フェスタ」を開く予定だ。

中村英人総店長マネージャー。売場のあちこちに地元・伊賀の忍者をモチーフにした演出が見られる。

 営業時間は午前8時~翌午前0時。ダブルネーム店舗21店のうち、「ドン・キホーテUNY」の3店(藤岡、富士中央、可児)と「MEGAドン・キホーテUNY」の勝幡店を除く16店がこの時間帯で営業している。

 PPIHの今年2~6月のダブルネーム店舗への業態転換10店の実績は転換前に比べ、売上高で123%増、客数は68%増、荒利益高で107%増という成果を上げており、名張店も当面は同水準を目指すという。

  • MEGAドン・キホーテUNY名張店
  • 所在地/三重県名張市下比奈知字黒田3100-1
  • 売場面積/1万5700㎡(うち直営部分9074㎡。テナント約30店)
  • 階層/売場は1~2階
  • 営業時間/午前8時~翌午前0時
  • 総従業員数/240人(頭数)
  • 初年度売上げ目標/旧店の約2倍 
  • 駐車台数/1371台
  • 開店日/2019年9月3日
  • 展開企業/UDリテール
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