今年3月末で台湾での営業を終了し、4月には北京や上海、深圳の店もオンライン店舗も閉鎖して中国・台湾市場から撤退。次は日本市場撤退かと出店している商業施設を身構えさせた「フォーエバー21」が、とうとう破綻しそうだと米ブルームバーグが報じている。「フォーエバー21」はそんなにヤバイのだろうか、日本の店舗はどうなるのだろうか。

閉店と売上減少が続く「フォーエバー21」

 2009年4月末に上陸して16年末には21店を展開していた「フォーエバー21」だが、17年に入って1月にららぽーとTOKYO-BAY店とダイバーシティ東京プラザ店、5月にイオンモール和歌山店/各務原店、10月に上陸1号店の原宿旗艦店を閉め、18年3月には土岐(プレミアム・アウトレット)POのアウトレット店(仙台泉POとあみPOのアウトレット店は16年8月に閉店)、19年に入っては4月にイオンモール名古屋茶屋店、7月6日には名古屋栄ゼロゲート店も閉めている。現在は路面5店(札幌大通り、新宿、渋谷、福岡天神、大阪道頓堀)、イオンモール3店(京都、広島府中、沖縄ライカム)、仙台フォーラス、三ノ宮オーパ、ららぽーと2店(横浜、新三郷)、コクーンシティ、ルクアイーレの14店まで減っている。

「フォーエバー21」は非上場で本社決算も日本国内売上高公表していないが、米国では調査会社が推計した数字(全社売上高)が拾える。それによれば、07年の13億ドルから14年の40億ドルまで急成長し、米国アパレルチェーン売上高15位から4位まで上り詰めている。その後は17年まで足踏み、18年にはアジアだけでなく英国など世界各地で閉店が相次いで20〜25%も売上げを落としたとされる。

 仮に20%減だとすれば18年は32億ドル(全社売上高)で米国アパレルチェーンの9位に相当し、米国内売上高はH&M(米国内28.5億ドルで10位)には届かないにしてもインディテックス(米国内9.8億ドルで15位)は凌駕するから、勢いが衰えたとはいえ米国内ではH&Mとファストファッションの双璧をなしている。そんな「フォーエバー21」が売上げの減少に苦しんで経営破綻が迫るとされるのだから、わが国や中国のみならず米国でもファストファッションは下火なのだろう。米国ではH&Mも16年の32億ドルをピークに売上げを落としている。

 

外資SPAは総崩れ

 日本での「フォーエバー21」の売上高はつかみようがないが、H&Mジャパンの販売効率からやや落ちると見て売場面積から無理やり推計すれば、ピークは14年1月期の220億円強で、19年1月期は140億円弱まで減少したと見られる。

 H&Mと「フォーエバー21」が同じ商業施設に出ているケースはららぽーとの横浜、新三郷とイオンモール沖縄ライカムしかないが、「ユニクロ」とは大半の商業施設で重複しており、それぞれの対「ユニクロ」販売効率格差から両者の効率を推計できる。ちなみに18年のH&Mジャパンの販売効率は国内「ユニクロ」の4掛け強だった。 

 世界の情勢とファッション市場は08年から8年続いたグローバル化から17年以降、分散と対立のローカル化に転じており、グローバルSPA各社の業績も伸び悩んでいる。日本市場でも16年をピークに外資SPA各社の売上げは減少に転じており、ギャップ日本法人は「オールドネイビー」の撤退もあって15年の1060億円から18年は600億円ほどに激減し、H&Mジャパンも17年の628億円をピークに18年は615億円に落ち、19年は600億円を割り込みかねない。インディテックス日本法人も17年の766億円をピークに18年は700億円を割り込んだと見られる(全て当社推計)。

 主要外資SPAの合計売上高も15年をピークとして減少に転じており、18年はピークの8掛け強まで萎縮したと推計される。「アメリカンイーグル」や「フォーエバー21」の閉店が加わる今後は一段と減少が加速するのではないか。

 欧米モードとは異質な独自のトレンドとフィットが広がってローカル化が急進する日本市場では外資SPAは総崩れで、もとより販売効率が低く利幅も薄かった「フォーエバー21」は採算が苦しく、本国の経営破綻がなくても一段の店舗整理が必定だった。