袋を開けたら洗わずにそのまま食べられるサラダ用カット野菜。今やスーパーマーケットにも数多く並んでいますよね。女性の社会進出や単身者の増加などライフスタイルの変化で、このサラダ用カット野菜が売れています。

20〜30代の価値観にマッチ

 国内の市場規模の推移を調べてみると、2012年の735億円からわずか6年で2倍以上、2018年には1609億円に達しています。

 サラダ用カット野菜の国内トップシェアを持つサラダクラブが2060人を対象に行ったアンケート「サラダ白書2019」によると、全体では51.6%が利用経験あり。若年世代では6割と利用経験が多いようです。最も多いのは30代女性で61.7%。仕事、家事、育児で多忙な世代です(同社では、サラダ用カット野菜を「パッケージサラダ」と総称しています)。

図表① 年代別パッケージサラダ利用経験ありの割合(出典:サラダクラブ「サラダ白書2019」)

 同調査では、「パッケージサラダを使うメリット」も調査しています。「すぐに使えて便利」という声が圧倒的ですが、20代女性は「使い切りサイズ感がちょうど良い」、20代男性は「片付けの手間いらず」という利便性を支持しています。また20~40代は「野菜不足解消」意識が高いことが推察されます。

日本人の野菜摂取量は米国人以下

 カット野菜の源流は1970年代後半のアメリカ。80年代に同国で広く浸透していきました。

 この背景には77年にアメリカで報告された、病気にならないための食生活の目標を示した通称『マクガバンレポート』があります。以降、徐々に肉食中心の食生活が見直され、91年にスタートした「1日に5サービング以上の野菜と果物を食べよう」というスローガンで有名な「5A DAY運動」など、積極的な野菜の摂取が推奨されました。

 このおかげでアメリカではがん死亡者数が抑えられ、高騰していた医療費は大幅削減。不健康なイメージのあるアメリカですが、実に1998年の段階で日本人の野菜摂取量グラム数をアメリカ人のグラム数が上回っています。

 日本では、アメリカに遅れること約10年、2000年に厚生労働省が掲げた「健康日本21」で「野菜の目標摂取量は1日350グラム」と定められ、少しずつ「野菜摂取」が意識されるようになりました。

 しかし日本では、野菜摂取量はアメリカ以下で減少の一途。全世代で摂取量に達していません。進まない日本の野菜不足の現状について、厚生労働省のレポートでもアメリカとの比較の中で、その背景をアメリカの「カット野菜など簡単な商品の充実」と説明しています。

 特に、日本では若年層の野菜不足が深刻。所得の二極化も進み、「夕食平均800円」というデータもあります。コンビニで3食も当たり前で、料理離れも進んでいます。

 健康面では若年性糖尿病やうつ病、若年性更年期、慢性疲労など、年齢よりも老化が進んでいる世代だけに、野菜摂取は必須。この世代のライフスタイルに合わせて無理なく食べられるサラダ用カット野菜は、実はキーになる食材かもしれません。

 とはいえ、実は私自身は「栄養価が低くなっているんじゃ?」と、あまり良い印象はありませんでした。

カット野菜の工場に潜入!

 そんな折、サラダクラブの工場見学のお話を頂き、晴れてサラダ用カット野菜デビューを果たしてきました!

 まず、驚いたのは素材へのこだわり。野菜で最も重要なのは「旬」ですよね。サラダクラブでは約400の契約生産地の中で、春夏秋冬の「産地リレー」によって常に旬のおいしい野菜を調達しているんだそう。見学に伺った際には、工場には愛知県からのキャベツが届いていました!

 

千切りキャベツに適した「冬玉」の理由

 キャベツを見てびっくり。通常、スーパーマーケットで見る丸いキャベツとは違い、ラグビーボールのようは平べったい形。大きい! そして、ずっしり重い! 「千切りキャベツには春キャベツのような水分が多い柔らかいものではなくて、冬玉というぎっしり詰まった肉厚のものが適しているんです」(商品部次長 吉田健次さん)。キャベツの中でも「カット野菜の千切りキャベツとしておいしい品種」を選んでいるんですね。

野菜の命「温度管理」

「温度こそ野菜の命なんです」(五霞工場品質保証課係長 中野豪さん)。低温に保つことで野菜の呼吸を抑え、鮮度が保たれます。サラダクラブでは、例えばレタスは収穫後、真空予冷機に入れて冷却、すぐに保冷庫に運ばれ出荷を待ちます。

 10℃以下に保たれた工場内はとにかく寒い! 工場勤務の女性は厚手の靴下必須とのこと。原材料受け入れから箱詰めまで作業の間低温作業をして野菜の鮮度を徹底的に守ります。

保存料や添加物はなし! 気になる洗浄方法

(写真提供 サラダクラブ)

 消費者として気になるのは洗浄法。野菜を洗う際は、水道水の殺菌に用いられているものと同じ「次亜塩素酸ナトリウム」を使っているそう。製造工程では最後に冷水で丁寧にすすぎを行っており「塩素濃度は水道水レベル」とのこと。実際に見学の際も、最後の「すすぎ」の念入りな様子に驚きました。

 また、パッケージ袋内の空気を窒素に置き換え、酸素に触れなさせないことで変色を防止しています。もちろん保存料や添加物はなし!

栄養価はしっかりキープ

 もう1つ、気になるのは野菜の栄養価。工場で行われている20分程度の洗浄と家庭での1分洗浄を比較すると、ビタミン、カリウム、カルシウムなどほとんどの栄養素が同程度残っています。これは朗報ですよね。「カット野菜は栄養がない」は私の思い込みだったよう。安心して、上手に使ったもん勝ちですね!

図表② カットレタスの栄養成分の残存率グラフ(出典:サラダクラブホームページ)

開封したてのサラダを試食!

 さて、お楽しみの試食会。開封仕立てのサラダは、千切りキャベツがしっとりとふわふわです。均一に切られているので、ドレッシングとの絡みもよく、もりもりと食べられます。千切りって、そろっていないと箸が進まないことってありますよね。

 間違いなく自分でやった千切りよりもおいしい! 野菜って切り方が大事だなあとつくづく感じました。新商品の「1/2日部分の野菜がとれるオニオンミックス」サラダは、アレンジしてサラダうどん風に。これも麺類との絡みが良くて箸が進みます。

 手軽なのに、栄養価もおいしさもしっかり。忙しい私たちの野菜不足を解消してくれる「サラダ用カット野菜」。

「これなら続けられそう」と思いませんか? 次回は、超簡単、ちょい足しアレンジをご紹介します!