タピオカの流行によって専門店だけでなく、喫茶店やレストラン、ファストフード、お祭りの屋台でもタピオカが販売されています。女子高生を中心とした空前のブームにより、スーパーマーケットで取り扱っている業務用タピオカですら品切れで手に入りにくい状況が続いているようです。

 そんな状況下で、タピオカを取り扱っていても売り切れ(欠品)している店舗も増えています。

 私が見た中では、3種類の品切れ告知看板を見ました。一つは単に「売切れ」「完売」としているもの。もう一つは「未入荷・品薄のため提供できません」と説明をしているもの。最後の一つは「好評につき完売」と理由を述べているものです。

流行はどこから生まれる?

 

「自分たちが『売ろう』と思うものをはやらせるんです」

 数年前、地方都市のセレクトショップを取材した当時のスタッフから聞いた言葉です。

 そのスタッフの方は、「誰もが欲しがっている」はやりの商品を売るのではなく、自分たちで「これをはやらせよう」と決めた商品を売るように仕掛けるのだと言っていました。まずは該当商品をスタッフ全員が使用し、来店したお客さまに必ずその商品を紹介することで認知度を高め、じわじわと販売数を伸ばすことで自店発の流行を生み出していました。

 既に人気の出ている商品を探すのではなく自分たちで流行を作るのだと聞いて、その発想にとても驚いたのを覚えています。今でも強く印象に残っている取材の一つです。

 一般的に、はやりものは誰もが欲しがるもので、なかなか手に入りません。特に爆発的に人気が出たものは商品の確保自体がそもそも難しいため、各店舗で入荷数が制限されることも珍しくありません。

「はやりやブームは、いつか終わってしまいます。だから終わる前に、また別の新しいものを見つけて提案していくんです」。いきいきと楽しそうに語る彼女を見て、確かにその通りだと思いました。

事実は変わらないけれど、成果は変えられる

 

 流行の兆しをいち早く見つけて、該当・関連商品を品揃えすることは店にとって大切です。「あの店に行けば欲しいものが手に入る」とお客さまに思ってもらうことは、リピート率を高める上でもとても大切です。

 しかし、残念ながら全ての店がそういったことができるわけではないでしょう。

 冒頭に述べた3種類の品切れ告知看板は、些細な表現の違いです。いずれの文言を選んでも販売できないという事実は変わらないので、ただ事実を伝えるだけでも店としての役割は既に果たしているのかもしれません。それでも、お客さまの受ける印象は変わります。

 人気商品が品切れになって販売することができないとき、私たちができることは何もないのでしょうか。単に売切れの事実を伝えてお客さまをガッカリさせるのか、欠品の理由を説明して納得していただくのか、もしくはそこから新たな提案につなげるのか。

 セールが終わりかけの時期、店頭に人気商材がなく売場づくりや販売に苦戦している店も多いと思います。でもそうした苦しい時の対応こそ、店の真価が問われるのではないでしょうか。