《今回の相談内容》(東京都 M・T 23歳)

「私の悩みは、いつも同僚や上司から『個性がない』『影が薄い』と言われてしまうこと。自分の影を濃くする(存在感を増す)簡単な方法ってないものでしょうか。」

 

 まず、存在感を一気に高めた実例があるのでご紹介しましょう。『カメラを止めるな!』という映画が話題になったのを覚えていらっしゃるでしょうか。当初の上映館はたったの2館。それこそ影の薄い映画だったのです。それが最終的には350館以上で公開され、210万人以上を動員したというのですから驚きです。

 その起爆剤となったのは、ネットを中心とした口コミによる情報の拡散でした。「低予算なのに超面白いんだって!」「この映画は絶対予備知識なしで観るべき!」「まずは困惑して、次に度肝を抜かれて、大笑いして、最後は感動する映画だ!」

 このような口コミがどんどん目に耳に飛び込んでくることで、普段映画館などには縁遠い人まで動員してしまったようです。

 また、この映画が『カメ止め』という略称で呼ばれるようになったのも、拡散に寄与した要因の1つでした。「カメ止めって知ってる?」「カメ止めもう見た?」と、言葉が略されて人の話題に上りやすくなったことで、どんどん作品の存在感が増し、影が濃くなっていったのです。

 それこそが『サウンドバイト』の効果。直訳すれば「音でかみつく」ですが、まるでかみつかれたように印象に残る言葉、耳に残る言葉、それが『サウンドバイト』なのです。

 芸能界に詳しい読者なら、タレントの小嶋陽菜さんが「こじはる」、小島瑠璃子さんが「こじるり」と呼ばれるようになってから、ますます輝きを増し、存在感のあるタレントになったことをご存じでしょう。名前を省略することで『サウンドバイト』の効果が働き、印象がより強くなったのです。

 名前を略すことなら誰でもできます。例えば、「鈴木一郎」のような平凡な名前でも「スズイチ」と略せば印象に残る名前に変身します。あなたもぜひトライしてみましょう。周りの人もあなたを呼びやすくなり、呼ばれるごとにあなたの存在感は増してくるはずです。

 ただし、『サウンドバイト』の効果を高めるためには1つ条件があります。それは、語呂がいいこと。せっかく略しても、語呂が悪いと呼びにくいですし、定着もしにくいものです。

 では、どうしても語呂の悪い名前になってしまう場合はどうすればいいか。その場合は、あなたならではのキャッチフレーズ(決め言葉)を作ってみましょう。オバマ前大統領の「イエス・ウィー・キャン!」などがまさにそれ。演説の最後にオバマさんがその短いフレーズを口にしただけで民衆は熱狂したものです。

 そして、この言葉とともに彼の存在感はどんどん増していき、ついには大統領の座を獲得してしまいました。これも『サウンドバイト』の力。言葉にするのに1秒ぐらいしかかからないのに、効果は絶大なのです。

 このような決め言葉は、相手の注意を引きつけ、強い印象を残すことができますから、プレゼンやお客さまとの会話などでも大いに活用できます。

「なんてミラクル!」「これが私の女子力です」「まさにザ・〇〇ですね!」などなど、あなたも相手の耳に“かみつく(印象を残す)”決め言葉を開発しましょう。それがきっとあなたの個性となり、存在感をも高めてくれるはずですから。