ココカラファインは、8月16日、マツモトキヨシホールディングスとの経営統合に向けた協議開始に関する覚書を締結したと発表した。ドラッグストア5位のマツキヨと7位のココカラの統合が実現すると、売上高が約1兆円となり、現在、首位のツルハホールディングスの7824億円、2位のウエルシアホールディングスの7791億円を抜いて、頭一つ抜け出た業界トップ企業となる。

 両社は、以前から資本・業務提携に向けて水面下で話し合いを続けてきたが、今年4月、協議を公表し、9月まで合意を目指すとしていたが、6月には、ココカラが6位のスギホールディングスが提案した経営統合も検討すると発表し、その去就が注目されていたが、ココカラはマツキヨを選んだ。

 ココカラは、スギではなくなぜマツキヨを結婚相手に選んだのか、ココカラが魅力を感じたマツキヨの身上書を見てみることにしよう。

理由は「店舗作業の効率性とPB商品の開発」

 ココカラがその理由として挙げたのが、店舗作業の効率性と、PB(プライベートブランド)商品の開発についてのシナジー効果。

 マツキヨは長年PB開発に取り組んでおり、他社にも供給する実績もあり、その開発力は業界でも一目置かれている。2015年には、新ブランド「matsukiyo」にスィッチしブラッシュアップ、19年3月期のPBの売上構成比は、前期より0.5ポイントアップし10.6%となった。

 PBは、医薬品から日用消耗品、食品など多岐にわたるが、その中でもとりわけ競争力のあるのがコスメ。

 ドラッグストアのコスメといえばマツキヨといわれるくらい、若い女性の間で絶大な人気を誇っている。同社の化粧品部門の売上高は2277億円。2位のウエルシアの1185億円を大きく引き離し断トツのトップで、売上構成比も31.5%(19年3月期)を占め、収益性も高く医薬品と並んで大きな利益源となっている。

 その原動力となっているのが、高品質・高付加価値を追求してメーカーと共同で開発しているPBや専売品。

 独立型ブランドと呼んでいるPBは、対象となるカテゴリーの特性や、トレンド、ニーズに魅力的な要素を付加して、メーカーと共同で開発した高品質・高付加価値アイテム。

 オーガニックの「ARGELAN(アルジェラン)」、美白の「BLANC WHITE(ブランホワイト)」、エイジングケアの「Retinotime(レチノタイム)」、スキンケアの「INSTREAM(インストリーム)」などを展開。2012年5月に発売されたアルジェランは累計販売数1000万個を突破するなど、多くの消費者から支持されている。

 資生堂の「INTEGRATE(インテグレート)」、カネボウ化粧品の「DEW(デュウ)」など大手企業のブランドで、同社限定の専売品も発売、差異化を打ち出している。

「顧客のビックデータ」はココカラの課題の1つだった

 こうした既存の商品にないものを作り、売り込むために威力を発揮しているのが同社の顧客のビッグデータ。

 約1000万ダウンロードのスマホ公式アプリや、友だち数約1970万のLINE公式アカウント、約2700万のポイントカード、顧客接点は約6000万にも達している(いずれも19年3月末時点)。

 店舗においても、銀座、原宿といった都心部から郊外、果ては離島まで、20坪から450坪までの多彩な店舗フォーマットを抱えており、さまざまなシチュエーションからいろいろな情報を入手できるのも強みだ。

 これらの情報を一元管理し得られるビッグデータから、ニーズを読み取り商品を開発、販売動向も把握し、的確に施策を打ち確実に売上げに結び付けている。

 そしてSNSも重要視し、常時いち早くチェックしトレンドを把握、反応を確かめ売れた理由を分析、商品開発に役立てている。

 店舗とデータを共有し、売場における商品確保や陳列にも活用、それぞれの立地や商圏に応じて売場づくりに役立てている。売場の展開企画書はマンスリーを基本にしながら、週ごとにいろいろな情報を提供し、売場づくりに反映させて、タイムリーにニーズに対応する。

 メーカーとも情報共有し、消費者視点に立ち、品質、機能を追求。価格、生産ロットの決定などにも活用し、売場の陳列まで落とし込み、売場を知り尽くした立場からプロモーションを立案するなど、緊密に連携して取り組み、さらに磨きをかけている。

 データを分析し、同社の顧客に合ったカラーリップの色を開発、パッケージも工夫するなどきめ細かい施策も行っている。

 こうした取り組みで、マツキヨの売場やオンラインストアに行けば、流行をいち早くキャッチ、自分の欲しいものが見つかる、その評判が口コミやSNSで拡散していく。結果的に他社を圧倒的に引き離す状況を創り出している。