エナジードリンク市場の拡大は著しい

 エナジードリンク※1は3年前に比べて市場規模が約1.4倍に拡大、2018年7月~2019年6月(以下直近と称す)においては459億円の市場となっている(インテージ全国小売店パネル調査<SRI>調べ)。代表的な競合カテゴリーと思われるドリンク剤※2市場は微減傾向が続いており、エナジードリンクとは対照的な動きとなっている。

図表① エナジードリンク、ドリンク剤の市場規模の推移

  1. (データソース:SRI/期間:2015年7月~2019年6月/ベース:金額)
  2. 対象業態:スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター、ディスカウントストア
 

※1 エナジードリンク:今回の分析に際しては、カフェイン、アミノ酸、ビタミンなどの成分が入った「エナジードリンク」と標榜している、もしくはそれに近しい炭酸飲料の商品群を独自に定義した。代表的なブランドとして「レッドブル」や「モンスターエナジー」等がある。
※2 ドリンク剤:滋養・強壮を目的とした医薬品または医薬部外品で1本100ml以下の容量のもの

ドラッグストアで販売店率を伸ばしている

 業態別にエナジードリンクの販売店率を見ると図表②にあるようにコンビニでは、ほぼ100%の販売店率で定番カテゴリーの一つになっている。スーパーマーケット、ドラッグストアでも年々販売店率は上がり続けている。

 競合カテゴリーであるドリンク剤の主要販売ルートになっているドラッグストアでエナジードリンクの販売店率が8割を超えたことは、昨今の好調なエナジードリンクのトレンドを見事に取り込んだ動きであり興味深い。この数年の間にエナジードリンクを店頭で目にすることが多くなったわけである。

図表② エナジードリンクの業態別販売店率の推移

  1. (データソース:SRI/期間:2015年7月~2019年6月/ベース:販売店率)
 

1本300ml以上容量へのシフトが顕著に

 エナジードリンクは大容量化も進んでいる。図表③のように、1本当たりの容量が300ml以上の販売が年々増加している。容量が299ml以下のものは3年前に比べて減少しているのに対し、300ml以上は約2倍になっている。2019年7月には日本限定で500mlの容量の「モンスターエナジーボトル缶」(販売:アサヒ飲料)が発売されるなどの動きもあり、大容量化の波はしばらく続きそうだ。

図表③ エナジードリンク 容量帯別*販売本数の推移 *1本当たりの容量

  1. (データソース:SRI/期間:2015年7月~2019年6月/ベース:本数)
 

 

エナジードリンクは若い男性に支持されている

 成長著しいエナジードリンク市場ではあるが、どのような層に受け入れられているのであろうか。インテージ全国消費者パネル調査<SCI>によると、エナジードリンクの購入者は女性よりも男性の方が圧倒的に多く、さらに10代~30代の男性で支持されている。この4年間の動きで見ると、ほぼどの性年代でも購入率は伸びているが、特に直近期間において、若い男性層を中心に購入率の伸びが目立っている。

図表④ エナジードリンク性年代別購入率

  1. (データソース:SCI/期間:2015年7月~2019年6月/ベース:購入率)
 

 

 この伸びの背景には、前段で触れた伸長著しい容量300ml以上の商品の購入がある(図表⑤参照)。すなわち、若い男性による大容量商品の購入がエナジードリンク市場の拡大をけん引している、といえるだろう。

図表⑤ エナジードリンク 容量帯別*購入率(男性年代別) *1本当たりの容量

  1. (データソース:SCI/期間:2017年7月~2019年6月/ベース:購入率)
 

 

今後の課題は女性や高齢層の男性に向けてどう訴求するか

 このようにエナジードリンク市場は若い男性に支えられているカテゴリーであるといえる。しかし、ピンクのパッケージにトロピカルフルーツフレーバーと、女性を意識した「モンスターエナジーパイプラインパンチ」(2019年4月発売、販売:アサヒ飲料)は一定の販売実績を残した。このことから若い男性以外の需要も潜在的には存在すると考えられ、女性や購入率の低い男性高齢層の購入意欲を喚起させられるかが、今後のさらなる市場拡大のポイントとなるだろう。

 2019年7月、清涼飲料業界最大手の日本コカ・コーラ社が新商品「コカ・コーラエナジー」を満を持して投入した。話題性があり、成長著しいエナジードリンク市場からは当分の間、目が離せない。

(株式会社インテージ パネルリサーチ事業推進部 杉田 俊哉)