写真は大量の情報を瞬時に伝える

 若い人たちを中心に写真共有アプリの「インスタグラム」がはやっています。写真を魅力的に見せる、いわゆる「インスタ映え」を意識した写真も多くなりました。

 写真などのビジュアルは文字に比べて大量の情報を瞬時に伝えることができます。キリンを見たことがない人に「背が高い動物で、顔が小さく首は長く……」と文章で説明するより、キリンの写真を見せれば瞬時にキリンを理解できます。「とにかくクリスマスの装飾が本当にすてきだったの!」と感情を込めて伝えるより、そのディスプレーの写真を見せた方がその素晴らしさを一瞬にして共有できるのです。

 膨大な情報の海にいる現代、お客さまも時間をかけずに情報を処理することを好みますから、直観的に価値を理解してもらう写真を使わない手はないのです。そして、そんな重要な写真を何も考えずに撮ってしまってはもったいないこと、この上なしなのです。

POPに商品写真が必要なのは?

 陳列された商品に近い位置にあるPOPに、商品の外観写真は不要です(中身が分からない商品に中身写真は必要な場合がありますが)。しかし、陳列された商品の近くにPOPを掲出できないときなど、離れた位置のPOPに商品の外観写真は必要です。

 商品の写真がないと、お客さまはどの商品のことか探すのが面倒になります。「へえ!おいしそうだなあ~。で、それはどの商品のことだ?」となるのです。飲食店のテーブルの上や壁面POPに持ち帰りできる商品の紹介をする場合も商品写真が入っている方が分かりやすいですね。

何気なく撮影しないこと

何気なくテーブルの上で撮影したもの
背景に気をつけて撮影したもの


 写真を簡単に何気なく簡単に撮ってはいけません。その写真1枚で商品価値の全てを表現してしまうからです。

 ある食堂でおばあちゃんの麹漬けが販売されていました。少ししか入っていないのですが、そのサイズにしては結構いい値段です。この商品の写真を何気なくテーブルの上で撮影したのが、上の左側の写真です。

 こんな背景でPOPにしても全くそそられないと思いませんか。上から目線で暗くて、テーブルのあちこちに蛍光灯の光が反射し、金属もピカピカしてダメダメです。その商品がどれだけいいものであっても、良さそうに感じられません。「POPの温もりで冷えを解消」の記事の中でもご紹介しましたが、人は人工モノより自然を感じる方が好き、工場より人の温もりを感じることが好きです。それは写真にも同じことが言えるのです。

背景には特に気をつけよう

 私は背景の入った商品写真を撮影する際、外に出て山や樹木、海や空を背景に撮影することがよくあります。芝生や石の上、砂浜に置いたりして、商品のイメージに合う背景を探します。

 おばあちゃんの糀漬けもナチュラルで優しい感じに撮ってあげたかったので、外に持って出て駐車場の石のポールの上に置いて撮影してみました(上の右側の写真)。

 駐車場だから車もあるし、人工的なものも多くありますが、写り込まないように気をつけます。撮影する角度もいろいろ試してみるとよいでしょう。この商品は母への尊敬のまなざしでしゃがんで仰ぐように撮影しました。プロに撮影してもらうほどでない商品写真でも、写真で商品の価値が変わることを意識し、時間をかけ過ぎない範囲で力を入れましょう。