今年で5回目のプライムデーが7月15日、16日に世界18カ国で開催された。アマゾンは売上高を公表しないが、調査会社インターネットリテーラーの推計では2日間の全世界売上高は71億6000万ドル。これは、前年(41億9000万ドル)から71%伸長した[1]。営業時間が前年の36時間から48時間に延びた分を差し引いても、大きな伸びだ(図表①)。

 

 アマゾンによると初日のプライム会員新規登録数は過去最高となり、1億7500アイテムを出荷した[2]。同社は今年4月、年内にもプライム配送の多くを翌日配送にするため第2四半期中に8億ドルの投資をすると発表したが、今回のプライムデーでも多くが翌日に出荷されたという。しかしプライムデーの成果はそれに留まらない。

売上上位を占めるアマゾン・デバイス、目指すはスマートホーム化

 図表②は1010データ社が数百万件のオンライン購入データから解析したプライムデーのベストセラー商品上位品目である。1位、2位はアレクサ対応アマゾン・ファイヤーTVスティック、3位、5位はエコードット、4位はアレクサ対応スマートプラグ、6位はエコーショー5(小型)と上位は全てアマゾン・デバイスだ。全20点のうち、11点がエコーおよびエコーで遠隔操作可能な防犯カメラで、2点がファイヤータブレットとキンドル、残り7点が電気鍋などの一般商品だ。これらの商品構成はアマゾン側の報告とも一致し、他に自動掃除機ルンバ690、スマートガレージドア自動開閉機もベストセラーに入っている。

 

 また、前述のインターネットリテーラーの推計でも、過去5年間のプライムデー売上高におけるアマゾン・デバイスの売上構成比は、2015年の52%から19年には68%まで上昇しており、アマゾン製品がプライムデー商戦をリードしている。

 つまり、アマゾンはプライムデーを利用して、プライム会員の家庭にエコーやエコーと会話できる環境、スマートホーム化を進めている、ということが分かる。アマゾンは電球、防犯器具、電子レンジなどのスマート製品を次々と開発、販売する一方で今年3月にはメッシュWi-Fiルータ企業「イーロ」を買収している。全世界のプライム会員1億人以上という数字と併せて考えると、潜在的にはかなりの規模のスマートホームがアマゾンによって作られつつあるということになる。