2日夜の記者会見で語る吉岡社長(中央)。左は再任された吉田仁取締役、右は木村美代子取締役。ヤフー側の輿水宏哲取締役は「スケジュールが合わない」と言って欠席したという。

 オフィス用品通販大手のアスクルは2日、株主総会を開いたが、対立している筆頭株主のヤフーと文具メーカーのプラスの議決権行使によって、岩田彰一郎社長と独立社外取締役3人の再任が否決された。ヤフーの強引なやり口をはっきりと見せつけられた格好だ。その後に開いた取締役会で後任の新社長に吉岡晃氏が選ばれた。同社は2日夜に記者会見を開き、吉岡社長は「現時点でヤフーと資本関係を解消したいという基本スタンスは変わらないが、ただちにゼロか百ではなく、両社にとってよりよい関係模索のための協議を速やかに開始したい」と述べた。

「株式の売り渡し請求権は放棄しない」

 再任を拒否されたのは創業者の岩田社長と独立社外取締役の戸田一雄氏、宮田秀明氏、斉藤惇氏。アスクル経営陣の吉田仁氏、吉岡晃氏、木村美代子氏の3人とヤフーから派遣されている輿水宏哲氏と小澤隆生氏、今泉公二氏(プラス社長)の3人は再任された。

 吉岡新社長は取締役BtoCカンパニー最高執行責任者(COO)から取締役会の過半数の賛成で昇格した。

 2日夜の記者会見で吉岡社長は基本方針として①会社の独立性維持と少数株主の利益のためガバナンス体制を再構築したい、②ヤフーと最適な関係の在り方についての話し合いを速やかに開始したい、③ロハコ事業はヤフーとも協議し策定された再構築プランにのっとって大幅増益を目指す――と述べた。

 独立社外取締役3人の再任が否決されたことについては「独立社外取締役が1人もいないという前代未聞の事態になったことは大変遺憾。速やかに新たな選任のために臨時取締役会の開催準備を進める」とした。

 ヤフーとの今後の関係については「現時点でヤフーと資本関係を解消したいという基本スタンスは変わらないが、提携解消についてただちにゼロか百ではなく、両社にとってよりよい関係模索のための協議を速やかに開始したい」と述べた。

 また株式の売り渡し請求権をヤフーに対して行使することについては「請求権行使の可能性は決して放棄しない」として売り渡し先候補となる第3者と協議を続ける可能性を否定せず、「今後のヤフーとの協議を注視し引き続き慎重に検討していく」と語った。

 なお、今回の騒動の発端となったプラスの今泉社長(社外取締役)が株主総会を欠席し、その後に開かれた取締役会には出席するという取締役として無責任と言える行動を取ったことに対し、吉岡社長は「取締役には取締役の責務がある。大変残念だ」と批判した。

 吉岡社長は1968年1月12日生まれ、千葉県出身。青山学院大学理工学部卒業後、92年4月西洋環境開発に入社。2001年1月アスクル入社。06年8月メディカル&ケア統括部長、11年8月執行役員、12年7月執行役員BtoCカンパニーCOO、12年8月取締役、17年7月チャーム代表取締役会長(現任)。