物まねでない気配り=See Again Teaが自信を生む

 鈴木くんと木村くんは出張で北海道に来ました。宿泊予定のホテルに到着するとウェルカムティーが出てきました。

鈴木:「最近ホテル、旅館ではこのウェルカムティーが出てくるのが当り前になってきたよね」

木村:「そうだね。でも、ここのホテルのウェルカムティーは型通りにやっているだけで、心がこもっていない気がする」

鈴木:「どこか、まねしているだけのサービスは味気ないね。あっ、そうそうウェルカムティーを改善して、繁盛しているホテルが静岡にあるよ」

木村:「静岡にいる先輩へ教えてあげたいから内容を教えて!」

鈴木:「そのホテルも前からウェルカムティーをやっていたんだが、マンネリ化していたそうだ」

木村:「正に、ここのホテルと同じだね」

鈴木:「そんなとき、1人のホテルマンがお客さまはお土産のお茶を帰り際に買っていることに気が付いた」

木村:「僕も、大体、帰り際にお土産を買う」

鈴木:「そこでね。お客さまの帰り際にSee Again Teaを振る舞うことにした」

木村:「ふむ、面白いね」

鈴木:「お客さまたちは思わぬホテルからの申し出に最初は戸惑っていたようだが、お茶がおいしいことや期待以上の気配りを感じ、お茶を必ず買って帰るようになったそうだ」

木村:「当然、ホテルそのもののイメージアップにもつながるね」

鈴木:「そう、お茶を振る舞っているときに『当ホテルはいかがでしたか?』とお伺いすることもできるようになり、一層サービスのレベルアップの努力ができる」

木村:「ホテル状業員がお客さまに『当ホテルはいかがでしたか?』と聞けるようになるには、自分たちのサービスの自信がないとなかなかできないよ」

鈴木:「そう、だからSee Again Teaの取り組みをすることで、全員のサービス向上意識が醸成され、一層サービス向上活動が活発になった」

木村:「See Again Teaの取り組みが一石二鳥、三鳥にもなったわけだね」

新店オープン時の爆発的売上げを維持する気配り

鈴木:「『また来てください』の気持ちを新店オープンの仕組みで対応しているスーパーマーケットがある」

木村:「新店オープンの仕組みとはすごいね」

鈴木:「ああ、新店オープンは企業として一大イベントだよね」

木村:「新店オープンのときは売上高が大変なことになるからね」

鈴木:「グランドオープンから始まって、順調にイベントを推進していければ、売上高を高い水準で通常オペレーションに移行できる」

木村:「そうだね。オープン時の高い売上高をどれだけ維持できるかが、大変重要だね」

鈴木:「そのオープン時の高い売上高をどれだけ維持するかが目的の仕組みなんだ」

木村:「すっごい興味が湧いてきた」

鈴木:「売上高が大きくなればなるほど忙しくなるのはどの部門?」

木村:「どこの部門も作業が多くなるけど、やっぱりレジだね」

鈴木:「売場が良くて、商品も良くて、いっぱいお客さまが買物をしてくれて、最後のレジで失敗したら、元も子もないね」

木村:「うん」

鈴木:「そこで、この企業では新店オープンのレジ応援は企業内で優秀といわれているレジメンバーが行うことになっている」

木村:「普通、新店のレジ応援は本部のメンバーで部門の技術的作業応援ができない人が行うよね、あまり意図がない応援になっている」

鈴木:「この企業では違う。各店選りすぐりのレジサービスを提供できる人が選ばれて、レジ応援が行われる」

木村:「そうか。新店でのレジサービスはその企業の最高水準が提供されるから、お客さまは待たされる可能性も低く、手際良いサービスを受けられるから、お客さまの『また来よう』という気持ちが醸成されるわけだ」

鈴木:「その通り。新店レジ応援メンバーは選りすぐりという評価を得ていることが明快で、そのメンバーはプライドを持ち、その仕事のレベルはまた向上する」

木村:「このレベルなると、最初のお茶の事例と同じ『シーユーアゲイン戦略』だね」

連泊なのに覚えていないフロントは最悪

 北海道のホテルでは連泊予定で、2人は1日目の仕事を終え、戻ってきました。

木村:「鈴木くん、ごめん、携帯に着信だ。悪いけどフロントでキーをもらってきてくれる?」

鈴木:「あっ、いいよ」 

 鈴木くんはロビー中央に木村くんを残し、フロントへ向って行きました。

 ところが、2つのキーを受け取った鈴木くんは浮かない顔つきで木村くんのところへ戻ってきました。

木村:「どうしたの?」

鈴木:「フロントやつら、僕らのこと覚えてないよ」

木村:「えっ、どうして?」

鈴木:「だって、キーをもらいにいったら、また宿泊表を書かせようとするんだぜ」

木村:「目立つ鈴木くんを覚えてなかったの?」

鈴木:「あぁ、今朝フロントでは『いってらっしゃいませ、何時頃のお帰りですか?』なんて言っていたのに」

木村:「ああ、型通りのシーユーアゲインやっているから、化けの皮が剥がれちゃったね」

鈴木:「ほんと、中途半端にやるなら、やらない方がいいね」

木村:「これで、2人リピーターをなくしたね」