ラーメンの一風堂は、2019年7月21日より3回目の「選挙割」を行うことを7月10日リリースにて発表した。画像は一風堂公式HPより

 2019年7月21日に行われた参議院議員通常選挙に合わせて、投票済証明書を利用した割引キャンペーンが各地で開催されました。ラーメンの一風堂は「選挙割」と称して、国内93店舗でキャンペーンを展開しています。今年で3度目の実施となっており、選挙当日の7月21日~31日まで「替え玉一玉」か「半熟塩玉子一個」をプレゼントしています。

 他にも、タピオカドリンクを提供する「Tapista」では選挙当日に限り商品の全品半額、他の個店でもワンドリンクサービスや会計〇〇%オフなどの対応が見られました。

一見何の関係もないところから集客する

「アプリを入れれば〇〇サービス!」は多くの店がやっているけれど……

 私が面白いなと思ったのは、選挙に絡めて各店が販促をしている点です。販促している各店は、当然ですが選挙とは特に何の関係もありません。そして、1人当たりお得になる金額やサービス自体は、いずれも数百円程度です。販促内容をよくよく見ると、CMを打つような大々的なキャンペーンでも、現金が当選するわけでもありません。

 しかし、もし「選挙割」などのキャンペーンを打たず、各店独自に期間を設けて「今ならトッピング無料サービス」「アプリクーポン掲示で会計〇〇%オフ」と掲示してあったらどうでしょうか?

 こうしたサービスを行っている競合はとても多いのであまり話題にも上らず、いまひとつの反響で終わってしまう気がするのです。

 この「自店とは一見何の関係もない」から良かったのだと私は思っています。選挙に販促を絡めた各店は「選挙に行った人」を対象とすることで、普段の来店客とは違う層にも自店の存在を強くアピールできているのです。インターネット上では「選挙割をやっているお店<関東版>」などまとめサイトが複数上がっており、これらを見て販促があることを知り、販促を受けるために足を運んだ人も一定数いたのではないかと感じました。

地域イベントでも考え方は応用できる!

 

 私はこうした考え方は、地域イベントでも応用できると思います。例えば「〇月〇日~〇日(に自店に訪れた)の来店客」にサービスするのではなく、「〇月〇日~〇日に浴衣で来店した人」に向けてサービスするのです。

 リアル店舗の売上げは、基本的に2種類のお客さまによって成り立ちます。既知のお客さまと、新規客です。

 新規客には、まず自店を知ってもらうことから始める必要があります。これだけリアル店舗の数が増えた今、自店に出掛けてもらう機会を作ることが重要です。集客は立地に左右される傾向が高いですが、立地が悪く分かりにくい場所に店舗があるなら、なおさら集客を工夫することが必要です。「アパレルだから女性メディアで広告する」「スーパーマーケットだから主婦を狙う」は王道ですが、集客としては少し弱く感じます。

 実際にはお父さんが娘の誕生日プレゼント用に子供向けのおもちゃを買うように、本来のユーザーとは違うターゲットが購入するといったことが店舗では多々あります。その本人だけでなく、本人の周囲には家族や恋人、友人がいるのです。その先にいるお客さまとも出会うためには、できるだけ多くのお客さまとたくさんの接点を持たなくてはいけません。自店の集客や告知力だけで勝負するのではなく、他のイベントと絡めて発信することを意識してみてください。

 これからの季節であれば、お祭りや花火大会が各地でたくさんあります。せっかく販促を考えているのなら、そうした時期を組み込んで考えてもいいと思います。既に告知してしまって準備が間に合わないなら、とにかく今年の分だけでもイベントの日付と曜日をメモっておき、来年の販促を地域イベントと合わせて開催してもいいと思います。

近隣店と協力してショッピング通りを作ろう

 

 他にも、同じカテゴリーの店を集めてスタンプラリー形式にするのも面白いでしょう。例えばラーメン店なら「近隣のラーメンマップ一覧」と称して各店に相談をもちかけ、場所と一押しメニューを載せたマップを手作りするのです。「そんなことをしたら競合店にお客さまが流れるのでは?」と思われるかもしれませんが、逆にラーメン好きのお客さまの集客につながるメリットの方が高いと思います。

「お買物マップ」と称して近隣地域の店を掲載すれば、他店から自店に集客できる可能性もあります。特に地方では、信頼する人からの「あそこにいいお店があって」という口コミ効果は絶大です。アクセスの悪い自店での買物のためだけに来店していただくのは本来なら理想的ですが、そこまでの信頼関係を得ることは難しく、時間もかかります。でも近隣店と協力して一種の「ショッピング通り」なのだとアピールできれば、より気軽に来店しやすくなるはずです。

 街で起こっていることや通行している人を、よく観察してください。彼らはなぜ出掛けているのか、誰と出掛けているのか? 何が目的で、何が好きなのか? 自店のためだけに出掛けてもらうのはハードルが高いですが、何らかの用事で外出している人に「ついでに」立ち寄ってもらうことなら、少しできそうな気がしませんか?