日本豆乳協会(会長:重山俊彦キッコーマンソイフーズ取締役会長)では、2019年4~6月期の豆乳類の生産量が過去最高の10万3900kl(前年同期比110.6%)の見込みと速報として分析、その記者発表がありました。

 この4~6月期に引き続き、豆乳市場が伸びた要因は、健康志向の高まりから、飲用はもちろん、料理使用の需要が伸びて日常的な利用者を拡大したことが挙げられました。2019年1~6月期の上半期では全体で19万2000kl(前年同期比111.5%の伸び)が見込まれています。

 豆乳協会では2020年には国民1人当たりの豆乳(類)年間飲用消費量を2016年計測値の2.5l/からその1.6倍の4lに増加させ、年間総生産量を50万klにすることを目標に、年間を通じた啓発活動を展開するとのこと。

「西」の伸長と「豆乳独自料理」の広がり

 この「3次豆乳ブーム」とも呼ぶべきトレンドのポイントを重山会長は2点挙げました。

 1点目は「西の上昇」。これまで豆乳市場は“西低東高”の傾向にありましたが、当該期には「西」エリアが伸長。これまでの「おいしさだけ」から「健康との両立」へ意識の高まりから、購入の伸びが顕著とのこと。

 2点目は、牛乳の代替品ではなく「豆乳独自の料理」の発展により利用の頻度が上がったこと。2015年と2019年の豆乳類の生産量構成比では、果汁入りなどの豆乳飲料と、飲みやすく成分を調整した調製豆乳が減少し、豆乳が増加と、食材としての豆乳利用が数字にも現れています。

 日本豆乳協会は1979年9月の設立以来、毎年10月12日を「豆乳の日」と定め、業界全体での普及活動を実施。一般生活者に対して「豆乳食育移動教室」や「豆乳レシピ甲子園」「豆乳資格検定」など積極的な啓発活動を地道に続けることで豆乳への興味・関心を喚起させ、日常的に豆乳を使った料理の利用拡大につながっている様子。今年は第7回「豆乳資格検定」を12月7日(土)に開催する(受験申し込みは「豆乳の日」の10月12日より)。

<ここで「豆乳の健康効果のまとめ」>

 豆乳は大豆をすりつぶして水を加えて加熱したもので、豆腐になる直前の状態のもの。大豆由来の健康効果は数知れず。豆乳は大豆製品の中で栄養が吸収しされやすいというメリットもあります。

・大豆タンパク質:血中コレステロールの低下

・サポニン:コレステロール吸収抑制

・大豆イソフラボン:骨粗しょう症予防、ホルモンバランス調和

・レシチン:動脈硬化予防

・大豆オリゴ糖:腸内の悪玉菌を抑え、便通改善

“罰ゲーム”になるほどまずい!?「失われた15年」

(日本豆乳協会資料より)

 第3次ブームに至るまでに、豆乳市場は山あり谷ありの歴史をたどっています。

 1983年には、世界的な健康ブームの広がりから、1度目の“豆乳ブーム”が。わずか2年で生産量は28klから117klに跳ね上がりました。「この時は豆腐屋を含めて100社以上が豆乳市場に参入した」(日本豆乳協会の川村良弘事務局長)。

 しかし、わずか2年で生産量は半分以下に激減。その理由は、いくら健康に良くても「おいしくなかった」こと(当時、テレビの“罰ゲーム”で豆乳が使われていたそう)。

 その後2000年までは「豆乳の失われた15年」。多くの企業が撤退する中、残った企業が「おいしい豆乳」作りに地道な商品改良を重ねたそうです。

第2次ブーム後に待っていた“イソフラボン・ショック”

 2000年に入ると“大豆イソフラボン”は女性ホルモンと似た構造を持ち、更年期や骨粗しょう症予防に良いらしいという情報が広がり、豆乳は第2次ブームを迎えます。2003年には20年振りに生産量が100klを超え、2004年には217klを記録も、「海外で大豆イソフラボンの過剰摂取ががんのリスクを上げる」という情報が広がり、生産量が163klまで落ち込みます。豆乳市場の“イソフラボン・ショック”です。

 しかし、その後、2007年に厚生労働省から大豆イソフラボンが乳がんや前立腺がんのリスクの低減が発表され、それに伴い市場も回復しています。

メタボ対策としての豆乳

 さらに2008年度から特定検診・特定保健指導が始まり、メタボが国民病として注目されるようになると、コレステロール低下や肥満予防などさまざまな効果が期待される大豆製品の豆乳は、メタボ対策の食品として注目されるようになりました。

豆乳独自の「おいしさ」

 優れた食材だからこそ、その期待の大きさからさまざまな健康情報によって豆乳市場は振り回されてきたのかもしれません。しかし、“イソフラボン・ショック”では第1次のブーム後ほどの市場縮小なく踏みとどまっています。それは「豆乳のおいしさ」が支持されたから。

「今後の市場拡大の戦略は」との質問に「豆乳のおいしさ。豆乳は随分おいしくなったが、もう一皮二皮むけなくてはいけない」と語った重山会長の言葉が印象的でした。

新商品を試食し、「トレンド」を確認しました!

(トレンド①)九州産フクユタカ大豆100%

 

 豆乳のみで作った成分無調整豆乳は、砂糖や添加物意識の高まりからますます主流となるでしょう。キッコーマン飲料とマルサンアイは臭みのないスッキリ系、安定のおいしさです!

 今回、私の印象に残ったのが、ふくれんの“九州産フクユタカ大豆100%“。豆腐屋さんの豆乳のような大豆しっかり系(豆乳スープにしてショウガを入れて飲みたい味)で、豆乳を使った調理のイメージが広がりました。

トレンド②) 豆乳ヨーグルト

 

 ヴィーガンまでストイックでなくとも、植物性の食事を選ぶ人、またアレルギーの人などへ、豆乳ヨーグルトをご紹介する機会が増えました。4月2日にポッカサッポロフード&ビバレッジの『SOYBIO』ブランドから豆乳ヨーグルトが発売。ぐっと身近になり、ヴィーガンカレーなどにも使えてとても便利です。

 ふくれんの「豆乳でつくったのむ豆乳ヨーグルト」には、九州産フクユタカ大豆100%に乳酸菌を加え、ふんわりと豆の甘さを感じられる新しさがありました。この商品はヨーグルトでありながら常温保存OK。ミルクアレルギーの人でも飲めるので、学校給食や非常食としてのオファーもあるそうです。

 

 いかがでしたか?

 健康に良いだけでなく、おいしくなった豆乳。もうブームでは終わらず私たちの生活に定着をしているのかもしれません。

 進化する豆乳、一度試してみてはいかがでしょうか!