イラスト/永谷せん

人が占いを見てしまう理由

 朝の忙しい時間でも、つい手を止めまうのがテレビの占いコーナーではないでしょうか。女性に限らず、男性でもその日の運勢を気にする人は案外多いものです。なぜ占いって、そんなにも気になるのでしょうか?

 ある心理学者によれば、それは人が常に自分のアイデンティティを探し求めている生き物だからだそうです。「私って何?」「何のために生きているの?」と、いつも自問自答しているのに、なかなか答えは見つかりません。

 その答え(らしきもの)をいとも簡単に出してくれるのが占い。だから、気になるのでしょうね。しかし、なぜ占いは当たっているように思えるのでしょう?

 それは『バーナム効果』が働いているからでもある、といわれています。例えば、占いページのあなたの誕生星座に次のような文章があったらどう思いますか?

「あなたは負けず嫌いですが、その半面ささいなことで弱気になって思い悩んでしまう人でもあります。また、自分を不器用な人間だと思っているので人から好かれたい気持ちがあっても、それをうまく表現できないことがあります。それだけに人間関係が原因で、恋愛にしても仕事にしてもトラブルを抱えてしまいがちです」

 いかがですか? どの指摘も思い当たる節があるのではないでしょうか。中には「全部当たっている。これは私そのものだ!」と思った人もいるかもしれませんね。しかし、実はこれ「バーナム効果」が働くように作られた文章なのです。

 つまり、誰にでも当てはまるように書かれた文章ということです。もう一度先ほどの文章を読んでみるとそれがよく分かります。誰にでも負けず嫌いな部分があるし、ー方で弱気になってクヨクヨしてしまうものです。

 不器用な部分は誰にでもあります。また、人間関係で悩まない人はごく少数でしょう。そしてこの文章、「二面性提示」という心理テクニックも使われています。

 これは、相手の相反する2つの面を指摘するという方法です。先ほどの文章でも「負けず嫌い」と「弱気」の2つの面を指摘していますよね。人って一面だけを指摘されるより、二面的に言われた方が当たっていると思ってしまいがちなのです。

 恋人から「君って、寂しがり屋なんだね」と言われるより「君って、わが道を行くタイプに見えて、本当は寂しがり屋なんだね」と言われた方が「自分のことを分かってくれているんだ」と、胸がキュンときてしまうというわけです。

 この「二面性提示」のテクニックは、お客さまのハートをつかむのにも大いに役立ちます。例えば、接客で次のようなセールストークを使ってみてください。

「お客さまって、こだわり派のようで、意外と冒険心もおありなんですね」「ここは慎重にならなきゃと思いつつ、今買っておかないと後悔しそうって思っていらっしゃるのでは?」「適当にこ覧になっているようで、掘り出し物を見つける目もお持ちみたい」

 いかがでしょう。あなたも「二面性提示」のテクニックをうまく活用して、相手のハートをガッチリつかんでみませんか。きっと販売カアップにもつながるはずですよ。