内閣府男女共同参画局の「共働き等世帯数の推移」によれば、2017(平成29)年時点で専業主婦世帯は641万世帯、共働き世帯はその約2倍の1188万世帯と発表されています。数値は1980(昭和55)年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は年々増加しています。

 

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第42話 地方移住した妻・綾子の目線

>第41話 地方移住した夫・宏樹の目線

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 もともと私は東京でアロマテラピストをやっていた。夫との結婚と地方移住に伴い、気付いたら田舎暮らしをすることになっていた。

 今、私たち家族が暮らす小さな集落は、自然豊かな里山の中にある。車の免許も持っていないので、移動手段はもっぱら夫の車の同乗だ。

 最初こそ「ここでどうやって生活していくんだろう……?」と驚きの連続だったものの、今では自然環境と人に恵まれたこの場所に満足している。

 むしろ交通手段が極端に少ないことで、地域の人たちや夫婦の関係性はより密になったように思う。

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 普段は朝6時に起きて、家事に取り掛かる。食事はほぼ自炊で、食材は地元の朝市に買物に出掛けたり、ご近所の農家さんからお裾分けされたお米や野菜を使うことが多い。

 家事が終わったら、午前中は家の裏にある畑の作業に取り掛かる。畑では、夫の農作物と私のハーブを育てている。

 午後は自宅で、取れたてのハーブを使ったスキンケア商品を開発したり、商品販売を行う。お客さまの予約が入っているときは、自宅でアロマテラピーのマッサージも行っている。オールハンドのマッサージは体力も使うけれど、気持ちがよいと好評だ。

 月に何回かあるイベントやハーブ教室の日は、朝から準備してお客さまを迎える。初心者でも生活に取り入れやすい形で商品の使い方や背景を説明すると、喜んでくださる方が多い。やっぱりお客さまと直接お会いして、笑顔や感謝をいただくことがうれしい。

 手作りの虫よけスプレー、バスソルト、ハーブティー……取り扱う商品の種類もずいぶんと増えた。

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 移住してからは、今の生活やビジネスについて常に向き合って考えている。

「自分が、本当にやりたいことは何なのか?」

 ここは、東京とは何もかも違う。東京ではもはや当たり前の満員電車も、目まぐるしく出店される新店も、広告や情報の洪水もない。

 そんな地域で暮らしていると、自然に生きる意味や目的などを深く考えさせられる。

 1日中一緒にいる夫とも、生き方や考え方についてよく話す。今の生活は同じ場所にいてもそれぞれが別々のことをしているような形だけれど、「共助」という考え方が夫婦間に根付いたように感じる。

 遠くから友人がたくさん遊びに来てくれるのはとってもうれしい。ただ、マスコミが報じるような「田舎生活でのんびり」イメージとはちょっと違う。

 どうも地方に移住したと話すと、みんなはテレビでよく流れる「ゆとりのある暮らし」をイメージするようだ。だから、「遊びに来る=泊まりで旅行に来る」ような感覚だ。

 けれど、移住したといっても私たちはまだまだビジネス現役世代なので、実際は毎日それなりに忙しい。もちろん都会よりは気象状況などに左右された生活を送る日もあるけれど、仕事をしているのは田舎も都会も一緒だ。

 ただそれだけ、都会での生活に疲れてしまう人も多いのかなと今は感じている。そういった人も含めて、今は自分のお店で何が提供できるかを日々考えている。

>第41話 地方移住した夫・宏樹の目線

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>第43話 地域で働くために起業した夫・瞬治の目線

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 この連載では、エピソードの元になる共働き生活(料理、買物、外出についてお話を聞かせていただける共働き家族を募集しています。

 また、併せて共働き生活に役立つ商品・サービスを取り扱っている企業も募集しています。

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