図表1:解熱鎮痛剤市場(直近5年間の市場規模推移)

 OTC医薬品(一般用医薬品)において、従来の製品よりも良い効果が見込めることを訴求し、価格を高めに設定した”高機能商品群”がシェアを伸ばしている。

注目は「目薬」「総合感冒薬」「解熱鎮痛剤」

 目薬市場では、「<つらい>疲れに効く」ことをパッケージ上に記した商品の売れ筋が好調だ。「疲れに効く」とパッケージに記載している従来商品と比べてより効果があるとされていることが特徴で、その例としては、ロート製薬の「Vロートプレミアム」や参天製薬の「サンテメディカル12」などがある。どちらも、2016年度に発売された商品で、12mLで1500円前後の「高級目薬」ではあるが、順調に目薬市場におけるシェアを高めている。

 総合感冒薬(風邪薬)市場もまた、「<つらい>○○に効く」と商品パッケージにうたっている商品が堅調である。例えば、2015年度に発売されたエスエス製薬の「エスタックイブファインEX」などの商品が売上げを伸ばしている他、今年度の9月には大正製薬が「パブロンエースPRO」というブランドをリリースしている。このような取り組みがOTC医薬品の複数のカテゴリーにわたって同時に起こっていることは興味深い。

 特に顕著なのが、解熱鎮痛剤市場だ(図表1)。「プレミアム」「DX」などを商品名に冠し、20錠入りで1000円前後とやや高めの価格を設定している商品群の伸びが大きく、解熱鎮痛剤市場の拡大に寄与している。パッケージ上には「<つらい>頭痛に効く」ということを記載していることも、先に紹介した2つのカテゴリーと共通だ。

 解熱鎮痛剤の2016年度の市場規模は、約538億円。前年度と比較して約30億円の増加となっており、その好調を支えているのが、先に述べた「プレミアム」「DX」の高機能商品群である。代表例として、エスエス製薬の「イブクイック頭痛薬DX‎」や、ライオンの「バファリンプレミアム」、第一三共ヘルスケアの「ロキソニンSプレミアム」などが挙げられ、解熱鎮痛剤市場における上位メーカーの商品は軒並み好調だ。

 これらの商品群が発売される前であった2012年度の市場規模は約465億円であったが、ほぼ毎年の市場拡大を続け、2016年度には4年前と比較して115%以上となっていることから、高機能商品群の好調ぶりをうかがえる。

 目薬・総合感冒薬・解熱鎮痛剤などでみられる、こうした高機能商品群は、少々値段が高くても、効果を重視する消費者を獲得することを狙ったもの。商品特性上、差別化がしづらいOTC医薬品で、従来の商品群との区別を明確にして、見事に成功した例であるといえる。

17年上半期も好調、年間で市場規模550億円超も

図表2:解熱鎮痛剤市場(2017年度の月次推移)

 高機能商品群のヒットを追い風に拡大を続ける解熱鎮痛剤市場は、2017年度の前半(4~9月)は6カ月連続で前年同月の市場規模を上回る好調ぶりで、年間市場規模は550億円を超えるのではないかという予測もある(図表2)。

 効き目の良さをうたった、高機能OTC医薬品市場の拡大はもうしばらく継続しそうだ。

(株式会社インテージ パネルリサーチ推進1部 アナリスト 瀧山祥希)