ここ数年、イータリー、成城石井、阪急オアシス、そしてイオンが始めた、食品小売りとレストランの融合「グローサラント」の展開が進んでいる。リアルとネットの構図の中で、リアル店舗の新たな魅力づくりとして注目され、スーパーマーケットの可能性を探る取り組みとしても注目されている。

 6月27日にオープンした「MEGAドン・キホーテ福岡福重店(福岡市西区)」は、約170席のフードコートを設け、直営8店舗、テナント2店舗、合計10店舗を展開。スーパーマーケットゾーンと連携して飲食メニューを提供している。

若年層を取り込む新たな仕掛け

 店舗はパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の長崎屋が運営しており、ドン・キホーテの店舗として初めてグローサラントを展開する店舗だ。これに先立ち、今年2月に出店したタイ・バンコクの「ドンキモール トンロー( ドンドンドンキ)」で取り組み、反応の良かったコンテンツも導入しているので、逆輸入版でもある。

 直営店舗では焼き芋&タピオカの「tapi-mo(タピモ)」を除く7店舗がフードコーナーに発導入された。生鮮の売場と連携した取り組みも見られ、相互の集客など相乗効果も見込んでいる。

 鉄板焼き「ステーキいただき!」では、売場で購入した和牛のステーキ用肉を無料で焼いてくれ、その場で食べることができる。持ち帰り需要も取り込むため、「くいなくいな」では惣菜、弁当などを販売。「マグロ王」も、パックの海鮮丼とにぎりずしを取り扱っている。

「チョウマソ」は昨年、東京・新大久保でブームとなった、韓国発のチーズ入りのホットドッグ「チーズハッドグ」の専門店。そして、6店舗目の出店となる「tapi-mo(タピモ)」は焼き芋とタピオカドリンクを展開する。

 ピザショップ「PIZAA FULL!(ピザフル)」では、今話題となっているスイーツ系のアイテムを販売。ドリンクスタンド「VERY VERY JUiCE(ベリーベリージュース)」では、ヘルシードリンクでファッショナブルアイテムとして人気のスムージーを取り扱う。カフェ「かぐわし屋」でも、復活の兆しを見せるサイフォンコーヒーを提供している。

 こうしたショップを投入することで、トレンドを発信して”情報力”を高め、フードコートの魅力アップを図っている。

「くいなくいな(食いな食いな)」「チョウマソ(超うまそう)」といった遊び心も加味し、一味違うメニューを提供。ショップもインパクトを与える派手なつくりで、既存のフードコートにない新たな魅力を加え、ファミリーだけではなく、若年層の取り込みも狙っている。

 また、フードコートの店舗のキッチンで、惣菜を製造するなど相互利用も図り、効率化も志向する。

 一方で、長崎屋はPPIHグループで生鮮が強いことから、スーパーマーケットゾーンの青果、精肉、鮮魚の品揃えも拡充し、店舗全体の集客力も高めていこうとしている。

 ドン・キホーテは、ネットでは味わえない「ワクワク・ドキドキ」しながら買物を楽しんでもらえる空間の創造を目指している。今回のグローサラントの取り組みで新たな魅力を付加して、リアル店舗の魅力をより高めていこうとしている。

 グローサラントの取り組みは各社、それぞれの特色を生かして異なる展開がなされている。今回を手始めとして、PPIHは実験検証を重ねてドン・キホーテ流のグローサラントの確立を図っていこうとしている。これからも新たな潮流を生み出す可能性を十分秘めている。

店舗の見どころを写真多めに紹介

 1階にあるフードコートの席数は時期により多少変動する可能性があるが約170席。「MEGAドン・キホーテ 福岡福重店」は「イオン福重店」だった物件の居抜き出店。3階までの吹き抜け空間を利用し、テイストはモダンで、カジュアルな雰囲気のイートインスペースを設けている。店舗は10店舗で構成、そのうち直営が8店舗で7店舗が初出店。テナントはラーメン「博多だるま(7月4日オープン)」とお好み焼き「銀志朗」。

 
 

「ステーキいただき!」は、専属シェフ倉田栄示氏が機材を選定。焼き方、オリジナルソースを監修し、溶岩焼きでステーキを提供している。「ドンキジュニアプレート150g」680円、「ドンキステーキプレート200g」780円、「いただきサーロイン200g」1280円。ご飯 小中大200円、ミックスサラダ150円、セットは300円。ラストオーダーは20時まで。

 

 精肉売場で販売している和牛を購入し、持ち込むと無料で焼いてくれるサービスも実施している。オリジナルソース、コーンなどのトッピングも無料。

 

 すし・海鮮丼の「マグロ王」は、バイオーダーでマグロを使った「ハワイアンポキ丼」680円を、さっぱり醤油、スパイシー醤油、スパイシーマヨ、にんじゃといった異なる風味で提供している。「極み本マクロ」の赤身 780円、中トロ丼 880円、「マグロポキ丼」580円などの海鮮丼や、「本マグロ3種にぎり」980円、「極み本まぐろ握り 食べ比べセット」698円などのにぎりずしのパック商品も販売している。

 昨年11月にオープンした「MEGAドン・キホーテ 横浜山下総本店」(横浜市中区)では、惣菜売場でバイオーダーにも対応するピザコーナーを展開したが、ここでは新業態「PIZZA FULL!(ピザフル)」をフードコートに出店している。

 生地はイタリア産天然酵母と天然塩を使用し、店舗で24時間以上低温で長時間発酵。小麦のうまみをじっくり引き出し、より本格的な味わいの生地に仕上げている。400℃の高温で短時間焼き上げて表面はカリっと香ばしく、焼き上がりはもちもちを実現。

「ジューシートマトのマルゲリータ」「照り焼きチキン」各580円。「ツナコーン」「皮つきじゃがいもマヨ」「ドンペンデラックス」各690円。「具だくさんフードマヨ」790円など。サイズは30cm。「トリプルチーズ」は1カット300円、1ホール1480円。

「ポップスィーツピザマシュマロ」580円。「チョコバナナ」500円(いずれも20cm)といったスイーツ系も用意している。

 

 新業態のチーズハッドグの「チョウマソ」は、注文を受けてから手作りする、韓国発の新トレンドフードのチーズ入りのホットドッグの専門店。「モッツア」380円。「スイートハニーモッツア」「あんころチーズ」「チーカマゴーダ」「あらびきフランク」350円。「ポテトモッツア」は430円。マヨネーズ、ケチャップ、ココナツ、シュガー、マスタードのトッピングも用意している。

 
 

「tapimo(タピオ)」は昨年9月、「ドン・キホーテ 新大久保駅前店」に1号店を出店した、タピオカドリンクと焼き芋のショップ。ドン・キホーテは、移動しながら食べられる「モバイルフード」に力を入れており、タピオもその一環で6店舗目となる。食券発行機を備えて、客さばきを効率化している。

 タピオカドリンクは、焼き芋ラテ、ミルクティー、ミルクの3つの味をベースに甘さと氷の量が選べ、価格は300~450円(ショート)。紫芋ミルクティーなど焼き芋とのコラボアイテムも。

 ドン・キホーテの人気アイテムである焼き芋は、シンガポール「DON DON DONKI」でも大人気。紅はるか300円。「まるごと焼き芋アイス(ハーフ)」350円も人気アイテム。

 デリカキッチン「くいなくいな」は、惣菜、温惣菜、弁当の専門ショップ。弁当では127万食売れた「だし感たっぷりのやわらかロースかつ丼」398円をはじめ、「オムハヤシライス」450円、「鶏モモ肉南蛮タルタルプレート」500円などを展開している。「ステーキいただき!」のハンバーグ弁当630円も展開。

 浜松餃子学会認定商品で、ドン・キホーテの売れ筋商品「浜松五味八珍餃子」12個 398円は、スーパーマーケットゾーンの惣菜売場でも販売している。どら焼き80円、チョコリンクル120円、大学いも300g 300円などスイーツも取り扱っている。

「くいなくいな」には、鶏の唐揚げをメインにした「虜(とりこ)」や本舗のコーナーを設けている。天草塩、ガーリックチキン、本格カレー味、北海道ジンギスカン、八種のスパイシーと4種類のテーストで、1個50円。

 ガーリックチキン、バーベキューサルサ、ねぎ塩のチキンステーキが258円、フライドチキンレッグ1本298円なども提供している。ご飯とサラダは180円、スープは130円、セットでも用意、トッピングカレーは250円。

 焙煎工場直送のこだわりの豆を使い、ハロゲンランプで演出し、サイフォンで入れるコーヒーを提供するカフェ「かぐわしや」の1号店。かぐわしブレンド、ガテマラSHB、エチオピアモカの3アイテムで価格は1杯230円。

 その他、マフィン220円、プリン150円、パンケーキ390円とスイーツも用意している。モーニングのトーストと、卵サラダ、ヨーグルト、あんこの中から1つ選んだセットで100円。スマホの画像データを使ったラテアートサービスも提供。パンケーキやプリンでも。

 新業態のドリンクスタンド「VERY VERY JUiCE(ベリーベリージュース)」。イチゴのあまおうを使用したスムージー350円、サイダー280円、黄、緑、紫のスムージー各350円と、コーラ、ジュースも提供する。

ドン・キホーテらしさを追求していく

 ドン・キホーテが初めて展開したフードコートでのグローサラント。メニュー、ショップづくりでドン・キホーテらしさが出ており、価格もリーズナブル。若者からシニアまで幅広い層を取り込めそうだ。

 今後も新業態をブラッシュアップ、立地に合わせたスタイルで展開し、新たな取り組みも行う予定。これからもドン・キホーテ流のグローサラントの進化に注目していきたい。