「お祭り騒ぎ」で終わらせないために必要なこと

 ファッショントレンドの流れもあって、Tシャツは「80~90年代リバイバル」をベースに、当時流行ったロックバンドやヒットした映画の名作シーンのものまで新たに登場している。デザイン、品質もピンキリとあって飽和寸前とまではいかないものの、プリントさえしていれば何でも売れてしまうようなコンテンツはごく一握りしかない。

 特にターゲットを絞り込んだコンテンツでは商品完成度についてtwitterを通じて瞬く間に口コミが拡散されてしまう時代。何でもあるではもはや特徴とはいえず、その領域はネットの世界で完結してしまう。このあたりも踏まえた上で、デザイン性は当然としても、コンテンツ・ビジネスそのものの新規性と希少性を推し量る必要があると思う。

 そして、それは単発の「お祭り騒ぎ」で終わらせないための取り組みも同時に準備しておくことを意味する。そのために売場を通じていかに驚き、共鳴、学びを体験させ、来店したお客にいかに深く感動を残せるかが重要となってくる。

『ワンピース』1/1スケール ストア・アイコンの意味

 キャラクターストアでよく見掛けるのは1/1スケールのストア・アイコンは観光客や来店客に記念にもなるフォトスペースの提供はスマホ時代の現在には欠かせない。東映アニメーション(株)と(株)ムービックが共同で運営しているテレビアニメ『ワンピース』のオフィシャルショップでは、作品中の有名なシーンを模したポーズのストア・アイコンを使い、お客もその感動シーンに参加したかのような疑似体験を与える。これは1/1スケールのストア・アイコンによる驚きと、好きな作品の中に入り込むという共鳴が得られたケースだ。

 学びの事例では、『新横浜ラーメン博物館』1階の展示ギャラリーで行う日本におけるラーメンの歴史の紹介、中国麺料理との違いやラーメンの要素についてテイスティングしながら学べる無料体験コーナーがある。「食」以外にも体験しながら学べる取り組みを行うことで、ラーメンについて造詣を深め、ラーメンファンづくりを進める例だ。

 単発で終わらせないためには、コンテンツという感動型ソフトを使ったシナジー効果を最大限に引き出す工夫と環境作りが重要。そうして、コンテンツ・ファンづくりを進めることがアパレル小売りにとっても、現状の苦境から抜け出す方法の一手段になると思っている。