内閣府男女共同参画局の「共働き等世帯数の推移」によれば、2017(平成29)年時点で専業主婦世帯は641万世帯、共働き世帯はその約2倍の1188万世帯と発表されています。数値は1980(昭和55)年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は年々増加しています。

 

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第41話 地方移住した夫・宏樹の目線

>第40話 地元在住の妻・利枝の目線

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 都心から山や田畑に囲まれた地方へ移住して、5年がたった。

 少子高齢化による人口減少に直面している地域で、空き家バンクで紹介を受けた古い一軒屋に夫婦2人で住んでいる。

 きっかけは、私の食事業に本格的に取り組むため。農村地域に移住して、地域と都会を掛け合わせるビジネスを模索している。

 生活は変わったが、通信と移動手段さえあれば仕事はできる。農場の見回りも、Webミーティングやビジネスコーチングも行う。移住してからは地域にあるものや人を魅力として、仕事という形にすることを繰り返してきた。

 天然酵母古民家ベーカリーの立ち上げも、地域企業のコンサルティングも、当初意図していたキャリアではないものの、人のご縁でつながって現在に至っている。

 出来上がった事業を回すのではなく、目の前にある社会での課題を解決していたら、いつの間にかそれが本業の仕事となっていた。

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「地方は生産、都市部は消費」の基本的な流れが、日本にはある。

 しかし、私は生産だけでなく消費もできる力を持たなければ、地域は生き残っていけないと感じている。

 地域が盛り上がればそこに人が集まり、人が集まればその地域は住みやすくなっていく。その結果、また新しい生産が可能となっていき、消費が回る。

 地方では全てが仕事から始まらず、最初はボランティアや地域活動から人との関係がスタートすることも多い。しかし、結果的にそこから新しい仕事が舞い込んでくる。

 地域色が濃いところで生活すると「暮らし方」を変えることになるので、おのずと生活スタイルが変わる。

 完璧を目指さず、できる分だけやること。生産活動を、日常の暮らしの中に溶け込ませていくこと。ベースに「自分たちでつくる」考え方があるので、時間の短縮を求めるモノや店、サービスはあまり必要とは感じない。

 強いて言えば多様な人やサービスなど最新情報に触れるまでのタイムラグはあるが、全国から遊びに来てくれる友人がそこを補ってくれている。

 自然と共生する生活では自分と向き合う時間がおのずと増えるので、夫婦間でもこれからの生き方や考え方を話し合う時間が増えた。

 最近では、都会での慌ただしい生活に疲れてUターン・Iターンを考える人も多いと聞く。そうした人向けに、各地域の暮らし方を教えてくれるサービスが増えると、より移住にも踏み出しやすくなると思っている。

>第40話 地元在住の妻・利枝の目線

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>第42話 地方移住した妻・綾子の目線

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 この連載では、エピソードの元になる共働き生活(料理、買物、外出についてお話を聞かせていただける共働き家族を募集しています。

 また、併せて共働き生活に役立つ商品・サービスを取り扱っている企業も募集しています。

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