質問です。

Q.誰かがあくびをしたとき、あなたは?

(a)あくびがうつったり、うつりそうになる

(b)あくびがうつることはめったにない

 実はこれ、あなたの「共感力」をチェックする簡単なテストなのです。

 共感力とは、相手の立場や視点に立って物事を判断する力。良好な人間関係を築くには欠かせない能力の1つです。

 心理学では共感力が高い人ほど、他の人からあくびをうつされやすいことが分かっています。つまり、(a)を選んだ人の方が共感力は高いということですが、共感力があり過ぎるのも困りもの。相手に感情移入し過ぎたり、何もかも相手の言うことに付和雷同してしまうことにもなりかねないからです。

共感力とあくびの関係性

 あくびがうつるのになぜ、共感力が必要なのか。それを実験で証明した心理学者がいます。

 スコットランドのアンダーソン博士がその人。博士の研究によると、あくびがうつり始めるのは5才からで、それより幼い乳幼児ではあくびはうつらないことが分かりました。

 なぜ、赤ん坊はあくびがうつらないかといえば自分中心に生きているから。全て周りが世話を焼いてくれるので、共感する必要がないのでしょうね。それが5才ぐらいになると、世界は自分中心に回っているわけではないことをだんだん思い知るようになります。幼稚園や保育所に入れば新たな人間関係が生まれるので、なおさら。そうして共感力が培われ、あくびもうつるようになるというわけです。

  以前と比べると、人があくびをしているのを見ても別にうつらなくなったという人は、考えが自己中心的になっていないか、少し自分を省みる必要があるのかもしれませんね。

 あくびは誰もが経験する身近な生理現象の1つです。しかし、人間や動物があくびをする理由は、いまだ正確には解明されていません。

 一般的には、血液中の酸素濃度が下がると肺いっぱいに空気を吸い込むため、反射的にあくびが起きると考えられていますが、それは別にあくびをしなくても深く息を吸い込めば済む話なので、このことだけであくびをする理由と考えるのは早計です。

 ちなみに、あくびをしたときに脳波を測定してみると、β(ベータ)波に代表される覚醒時の脳波が測定されます。

 つまり、あくびをすることで、一時的にせよ眠気が消えるということ。退屈な授業や打ち合わせで思わずあくびが出るのは、眠気を覚まそう、起きようとする気持ちの表れでもあるのです。

 ということは、上司は部下のあくびをとがめるより、「遠慮せずどんどんあくびをしなさい」と奨励するべきなのかもしれませんね。また、ストレスなどで過度に緊張したときにもあくびは出やすいもの。緊張を緩めることで覚醒を促す行動と考えられています。

 別の研究ではあくびには注意力を上げたり、脳を覚ます効果もあることが判明しており、いいことずくめなのです。つまり、あくびはかみ殺すものではなく、大いに奨励すべきものであるということ。

  オフィス内はどうしても空気がよどみがち。そのせいで眠気が抑えられなかったり、仕事のトラブルでカーっと頭に血が上ったりしたら、昼食タイムにでも屋外へ出て、大きなあくびをして新鮮な外気を体に取り込んでみましょう。きっと身も心もリフレッシュして、やる気がまた湧いてきますよ。