日本都合の雇用ではなく、双方にメリットのある有効的雇用とは何か? 今回はわれわれが目指すべき共生社会の理想像を最新事例をもとにお伝えさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

「われわれは労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」

(株)asegonia 代表取締役 井上義設 24年の間、一貫して『人』に従事。新卒でアデコに入社、31歳の時にキッザニア東京創業メンバーとして、子どもたちの未来を育む事業に従事。その集大成として、外国人のキャリア形成に従事すべく2013年にasegoniaを創業。少子化が現実的になっており、確実に外国人の力が必要になります。日本とアジアに架け橋を創り続け、真の共生社会を目指して参ります。

 冒頭からインパクトあるメッセージを紹介させていただきましたが、この言葉は、マックス・フリッシュ(スイス)が50年以上前に述べた言葉です。

 スイスは、現在外国人率が25%超になるほどの移民国家として有名ですが、50年ほど前、国内労働力不足から近隣の外国人(主にイタリア人労働者)を受け入れました。短期にたくさんの外国人労働者が増えたため、国内では外国人労働者の排斥運動が起こるなど移民問題に直面しましたが、真摯にこれらに対応し、多くの移民政策を取ったため、現在では移民がうまく溶け込んだ国の1つになっています。

 このような背景をもとに、これからの日本はどのような方針、航路を取るのでしょうか。注視していきたいと思いますが、50年以上も前にヨーロッパで事例、解決方法が示されている以上、過去の教訓から学び、真の共生社会を構築することに尽力するとともに、たくさんの笑顔を生み出す「達観した外国人雇用」の実現を果たしたいものです。

「達観した外国人雇用」とは何か?

 一言で表すとしたら、「全方位のメリットを生むこと」だと思います。

 働く人間も、雇用する企業も、そのサービスを享受する消費者も、全てにおいての幸せ、満足、利益などを生む雇用が、「達観した外国人雇用」ではないかと。雇用者側のみの幸せでは単なる労働力であり、3分の1の満足でしかありません。労働者とその先にある消費者への満足をも含有できるのが、「達観した外国人雇用」ではないかと考えます。

「達観した外国人雇用」を成し遂げる外国人との共生ステップ

 私はセミナーなどでお話をさせていただく際に、次のステージを紹介し、道しるべとしております。

【ステージ1】外国人を雇用すべきか、どうするか、どうしたらいいか(模索し始めている段階

【ステップ2】雇える人がいないから外国人を雇おう残念ながら妥協という意思決定の段階

【ステップ3】本当に優秀だと理解、親日や帰属意識が高いことを理解し雇うおおむねの理解と実績を持ち、外国人への敬意を持つ段階

【ステップ4】自社サービスをベトナムに進出したい、だから来てもらいたい外国人労働者の未来への出口創出と共生を抱いた段階=達観

 このような段階を経て、達観した外国人雇用を形にしていくとよいのではないかと感じます。外国人雇用は日本人採用の代替ではなく、『彼らだからこそ採用したい』を意識し始めた瞬間から、真の共生、達観した外国人雇用が生まれるのだと考えます。