2018年11月、東京・有楽町に誕生した「KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO(キッコーマン ライブキッチン東京)」は、異ジャンルの有名シェフがコラボレーションしてつくったコース料理を、実演やトークを交えた料理ライブを見ながら食べられるというレストラン。食材も全国の自治体とタイアップしています。

 新しいものが好きな方、今までにないものが食べられるかもしれないという好奇心の強い方、いつおいしいものを探している方、食に関心のある方、また、有名シェフのトークライブを楽しみにいらっしゃる方などで、「営業日数のほぼ半分が満席(キッコーマンレストラン(株)根岸康二代表取締役社長)」ということです。

6月は「横浜うかい亭」と「瓢亭」のフレンチと和の融合

 

 メニューは月ごとに変わり、第8弾になる2019年6月は「横浜うかい亭」と「瓢亭」の織りなすフレンチと和のコラボレーションで、長崎県の食材を使った7品です(「うかい」はこのレストランの運営パートナーでもあります)。「横浜うかい亭」料理長で洋食事業部統括料理長の猪狩健一さんと、450年の歴史のある京都「瓢亭」の15代当主高橋義弘さんは、どんなメニューを見せてくれるのでしょうか。

 お料理、まずはアミューズに「鮎の田楽」「サザエの肝焼き サマートリュフ」「フルーツトマトのジュレ」。次に長崎県産魚介類のマリネとして「アジのライム〆 タップナード」「才巻海老 梅ソース」「アオリイカとキャビア」。続いてお椀は「鱧の酒蒸し ジャガイモとウニの真丈 すまし仕立て」。

 魚料理は「イサキの油焼きと賀茂茄子の天ぷら」。肉料理は「長崎和牛サーロインのロースト」。食事は「穴子の炭焼き バルサミコ風味のばらちらし」。デザートに「ビワのパルフェ 玉子アイスクリームとビワのコンポート」。これでお1人様1万5000円(税込、サービス料10%別途、飲料代別途 完全予約制)となります。

 キッコーマンレストラン社長の根岸さんは、「わが社の企業理念は食文化の国際交流です。その企業理念を事業で実現できないか、ずっと検討してきて、ここに体現しました。テーマは融合で、和食、イタリアン、中華、エスニックなどがコラボレーションし、新しいおいしさを提供しています」と語ります。

 この日は、マスコミ向け発表会だったため、長崎の上田裕司副知事もお見えになり、県産の食材を熱くアピールしました。

一緒に仕事をすることで料理人も影響し合う

 レストランですから何といってもお料理の味が決め手。少し試食をさせてもらいました。

 アミューズの「アジのライム〆 タップナード」(ソースはオリーブを使ったもの)、「才巻海老 梅ソース」と「アオリイカとキャビア」は「横浜うかい亭」猪狩シェフの考案です。鉄板料理で知られる「うかい亭」ですが、前菜など、いつ頂いても格別です。アジは肉厚で身が引き締まり柔らかく、程よく脂がのっていて、アオリイカとキャビア、海老も素材の良さが引き出されています。さすが、素材本来のおいしさを引き出すことで定評がある「うかい亭」の仕事です。

 

 次の鱧と真丈のお椀は、「瓢亭」15代目が包丁を持ち、自ら鱧の骨切りを見せてくれます。骨を切るシャリシャリという音が聞こえ、見事に美しくさばかれていきます。この鱧の酒蒸しにはフライパンに昆布を敷いて蒸す「うかい亭」ではよく利用する料理法が用いられています。「瓢亭」の出汁は日頃から利尻昆布とマグロ節を使っていてその一番出汁を使います。そこに北海道に次いで全国2位の出荷量を誇る長崎産ジャガ芋とウニの真丈。甘いジャガ芋の中からたっぷりとウニがこぼれ出してきます。

 15代 高橋当主は「長崎の食材で、京料理らしさを出し、全体のバランスを考えながら、コースの中の強弱、緩急を楽しんでいただけるように工夫しました」。横浜うかい亭の猪狩シェフは「歴史のある瓢亭と組んでコラボレーションするということですから、洋食に偏り過ぎずに、瓢亭さんと、うかいグループの懐石料理店である「うかい竹亭」をイメージしながら開発しました」と解説してくれました。

 それぞれが一皿ずつ進めていく方式ですが、一緒に仕事をすることで、互いに影響し合っている様子がうかがえます。

2020年に向けて海外のお客さまの来店も促進

 キッチンライブステージの話を聞きながら試食させて頂きましたが、キッチンステージから穴子が逃げ出す場面もあり、ライブ感満載(笑)。

 通常ディナーのときは、料理ライブの後、シェフが客席を回り、お越しいただいたお客さまと直接話をしたり、写真を撮ったりするそうで、さながらスターのショーようです。ただし、監修したシェフ御本人がいらっしゃるのはスペシャルデイのみですので、その日は、すぐに予約が埋まってしまうのだとか。

 価格はそれなりにしますが、敷居の高い料亭やレストランの味を、エンタテインメント的にフランクに楽しめるところが受けているのでしょうか。

 根岸社長は、「最初はビジネス利用の方ばかりかと思っていましたが、女性にも大変好評で、毎月お一人でいらっしゃるお客さまもいらっしゃいます。これから外国の方にも発信して、2020年までには、ぜひ海外からのお客さまにもいらしていただきたいと考えています」と語っていました。

 東京2020オリンピック・パラリンピックを視野に、オープン当初は2年という期限付きでスタートしたこのレストラン。異なるジャンルの料理に刺激を受けたシェフたちが、研さんするのに役立ちそうです。

 
  • 『キッコーマン ライブキッチン 東京』
  • 東京都千代田区有楽町2-2-3 ヒューリックスクエア東京B1
  • 050-3134-5158
  • https://www.kikkoman-livekitchen-tokyo.com
  • 「横浜うかい亭」猪狩健一氏と「瓢亭」高橋義弘氏が共演する料理ライブは、 6月3日(月)、11日(火)、18日(火)、27日(木)。
  • 「横浜うかい亭」猪狩健一氏による料理ライブは、6月10日(月)、12日(水)、13日(木)、14日(金)、17日(月)を予定。