「甘えんぼさん」が機嫌よく通う

「サロンはある意味、社交サロンで、来るだけで楽しい、ホッとする、なんだか居心地がいいということが大事で、そういう方たちが楽しく機嫌よく通っていらっしゃいます」

 現在、顧客の数、売上げの割合は男女半々。男性客は口コミで来店し、同じところに通い続けるケースが多いようだ。また、健康診断で医師から数値を改善するように言われ、通い始める人も多い。健康のために運動しなくてはと思っても運動が続かない。筋肉をつけたいと思うが自分で走ったり、スポーツクラブに通ったりしない。そんな人がミス・パリやダンディハウスの顧客になる。「そばにセラピストがついていて、『頑張りましょうね』って褒めたり、なだめたり、怒ったりしながら目標まで一緒に行くっていうような感じが良いという方たちがいらっしゃっています。甘えん坊さんといえば、甘えん坊さんですよね(笑)。サロンはある意味、社交サロンで、来るだけで楽しい、ホッとする、なんだか居心地がいいということが大事で、そういう方たちが楽しく機嫌よく通っていらっしゃいます」(同)

 雨後の筍のように増えていったエステティックサロンは、かつて玉石混交だった。私は、20代のころから美肌を目指して通っているのだが、最初の頃は、行くたびに吹き出物ができたり、前払いで高額なチケットを購入した後、そのサロンが閉店してしまって、一切戻ってこなかったり、泣くに泣けない経験をたくさんしてきている。それでも、やはりエステが好きで、今もあちこちのサロンを試し歩く毎日だ。心の底からくつろげて、普段より深い眠りが得られ、血流が良くなり、肌が輝くといった感覚を享受できる、私にとって心身ともにメンテナンスができる貴重な癒しの場である。

 実は、エステティシャンに国家資格はないため、未経験者や素人でもすぐに施術ができる。ただ、2010年に業界統一資格制度ができ、統一試験が行われている。

「300時間以上勉強した人たちが試験に合格すると認定エステティシャンの資格を、1000時間以上勉強した人たちは試験に合格すると上級認定エステティシャンという業界統一資格制度ができました。無資格者も多く働くこの業界で当社では技術者の90%以上が上級認定資格者です。ミス・パリ、ダンディハウスはプロフェッショナルの集団です」(同)

 そうした意味でも、近年、エステティック業界もある一定の社会的認知が得られるようになってきたのではないか。

「まだまだ努力が足りないですね。ですから、うちのグループで今、進めていますのが、専門職大学の設立です。まだ構想段階ですが、2021年の開校を目指しています。日本の美容業界は、サービスはとても丁寧で、よく勉強していて、清潔で、マナーが行き届いていて、世界中から賞賛されています。それをもっと世界に広めていきたいと思います。

「今、進めていますのが、専門職大学の設立です。まだ構想段階ですが、2021年の開校を目指しています。日本の美容業界は、サービスはとても丁寧で、よく勉強していて、清潔で、マナーが行き届いていて、世界中から賞賛されています。それをもっと世界に広めていきたいと思います」

 海外でサロンをオープンするとき、これまでは専門学校卒でも7、8年の実務経験があればビザが降りていたんですが、3、4年ぐらい前から大学を卒業して、学士を持っていないとビザが降りなくなりました。日本の技術者のプロ中のプロを世界に送れないわけです。それが悔しくて、だったら学士がとれる専門職大学を作ってしまおうと思いました。その学士という称号で、日本人の素晴らしい技術者たちが望めば世界でも活躍できるように可能性を広げてあげたいんです。また、新技術や新商品の開発に携わったり、サロンマネージメントを基礎から学んだりと技術者たちのレベルを上げ、それが技術者たちの豊かさや業界の発展につながってくれたらと考えています」(同)

「自分は不器用だから施術が苦手」という下村社長。それでも、いつでも施術に入れるように白衣を常備している。飾らない生き方がまぶしく、ますます仕事にまい進し、エステ業界発展のためにご尽力いただきたい。