内閣府男女共同参画局の「共働き等世帯数の推移」によれば、2017(平成29)年時点で専業主婦世帯は641万世帯、共働き世帯はその約2倍の1188万世帯と発表されています。数値は1980(昭和55)年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は年々増加しています。

 

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第38話 通勤時間が片道1時間半の妻・早苗の目線

>第37話 車通勤に変えた夫・隼雄の目線

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 引っ越しを機に、私の職場までの通勤時間はドアトゥドアで1時間半に増えた。家や会社にいたらできることは、あれもこれも電車の中ではできないことだらけだ。それでも、この時間だけが1人になれる貴重な自由時間だと思っている。

 とはいえ、座れない電車で立ちながらすることはいつも決まっている。朝は毎週頼んでいるネットスーパーの注文、アマゾンや楽天で日用品の欠品補充の注文、受け取れなかった荷物の再配達依頼と到着日時指定、始業前に前日帰宅してからのメールチェックや案件進捗の確認。それでも時間が余れば、ニュースアプリで今日のニュースの流し読みと、息子の洋服探し。

 ネットスーパーでは、ミールキットを必ず注文する。私が万が一作れなくなった日でも、レシピがあれば夫でも作れる。野菜はなるべく長期保存が利くもので、肉や魚は冷凍品一択。トイレットペーパーやラップは少し割高でもネットでまとめて注文して、全部土曜日の午前中に受け取れるようにしておく。

 帰りの電車では、勤務時間内に終わらなかった仕事関係のメールチェックや返信、タスク管理をする。社内イントラネットには社外からはアクセスできないけれど、チャットやメールでできるだけ細かく依頼して、コミュニケーションのずれが起きないようにする。

 乗り換え駅で明日の朝食用のパンを急いで買い込んだら、そこからはSNSチェックや友人へのLINE返信をする自由時間だ。帰りの電車は息抜きの時間を長く取るようにしている。保育園にお迎えに行けば、寝かしつけまでノンストップでやることがたくさんあるからだ。

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 育休明けで職場復帰してからは、時間をお金で買うようになった。

 車もその1つだ。維持コストを考えてレンタカーで十分と思っていたけれど、あるとやはり便利だ。電車遅延や乗り過ごしで夫の帰宅時間が遅くなるたびに以前はイライラしていたが、帰る時間が固定化されれば、けんかの種が1つ減る。

 他にも、借りるための予約手続きや車の返却時間が決まっていたことは、地味に外出時の制約になっていたと気付いた。せっかく遊びに遠出しても、渋滞を気にして早く帰らなければならないので十分に楽しめていなかったように思う。

 多少お金がかかっても、手間をお金で解決することはアリだと思うようになった。

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 私が復帰しても何とかやれていれるのは、夫の協力あってのことだと思う。

 育休中は、育児も家事もほとんど私がやっていた。しかし復帰1カ月前に、このままではいけないと危機を感じた。

 お皿を洗う、洗濯機を回すなど家にいなければできないことは多いのに、長時間通勤をしていては1人でやるにはとても時間が足りない。思い付く限り、家事や子供のお世話の内容を全部書き出し、「今のままではとても仕事と両立できない」と家事分担について話し合った。

 育児休業中に私が疲弊している姿を見て、夫も思うところがあったのだろう。今では休日に私よりも家事をこなし、息子の機嫌を取りながらお風呂に入れるのがうまくなった。

 復帰してからは時短勤務だが、チーム内で時短なのは私だけだ。約1年職場から離れていたのですっかり話に付いていけないこともあるし、時間の都合でできなくて他の人に引き継がざるを得ない案件もあり、申し訳ない思いをすることも多い。周りと同じようにキャリアを積んできたのに、残業できないことで給料は新人並みだったりするのも悔しい。

 仕事も家事も育児も中途半端なのではないかと思う日ばかりだけれど、それを支えて理解してくれる人がいるのはとても心強い。

>第37話 車通勤に変えた夫・隼雄の目線

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>第39話 プログラマーの夫・Edwinの目線

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