「SORAMIDO BBQ」はBBQサイトが18カ所あり、それぞれ簡易テントで覆われている。

 (株)ゼットン(本社/東京都港区、代表取締役社長/鈴木伸典)では、かねて公共施設再開発事業を展開しているが、公益財団法人東京都公園協会が公募した都立葛西臨海公園(東京都江戸川区)のレストランリニューアルに際しての飲食事業者として認定され、同公園の魅力向上、価値の創出を行っている。

いち早く公共施設再開発事業を展開

 同社の設立は1995年10月で「店づくりは、人づくり 店づくりは、街づくり」いう基本理念を基に個性的なカフェやレストランを展開しているが、公共施設再開発事業にもいち早く取り組んできた。名古屋市内の尾張徳川家の屋敷を再開発する事業をコンペティションで獲得し、2004年11月に「ガーデンレストラン徳川園」の運営を開始したことに始まり、以来、横浜市から横浜マリンタワーを全面的に借り入れて、再生を行うなど(改修に伴って4月1日より休館)、この分野では多くの実績を持っている。

先駆けて3月16日に「PARKLIFE CAFE & RESTAURANT」をオープン。キッズルームを設けて子供連れの若い家族の便宜を図っている。

 都立葛西臨海公園では、今年の3月1日よりBBQ広場の運営管理を受託。3月16日に「PARKLIFE CAFE & RESTAURANT」(160席、うちテラス60席)をオープン。4月16日には葛西臨海公園の象徴的な建物であるクリスタルビューの中に「CRYSTAL CAFE」(72席)をオープンした。この2つのレストランにはどちらもキッズスペース(プレイランド)を併設しており、子供連れのファミリー層に向けて便宜を図っている。

「PARKLIFE CAFE & RESTAURANT」は、「ハワイ」をテーマにして店内のレイアウトは自然、木のぬくもり、光、風を表現している。定番メニューであるカレー、ハンバーグ、オムライスなどに加えて、同社が展開するハワイアンダイニング「ALOHA TABLE」のノウハウを生かしたロコモコ、ハワイアンコンボプレート、ハワイアンパンケーキもラインアップしている。

「CRYSTAL CAFE」では「海辺で楽しむことができるカフェ&BBQ」をコンセプトとして、店内でのカフェメニューの他に、店舗の前に広がる芝生で楽しめるテイクアウトメニューも提供する。

パークウエディング等、新しい公園の楽しみ方を提案

 さらに、プレミアムBBQを楽しめる「SORAMIDO BBQ」も展開し、ガーデンパーティやパークウエディングも行い、新しい公園の楽しみ方を提案。

スタンダードのセットメニューは1人6000円(ソフトドリンク飲み放題付き)。プラス1500円でアルコールドリンク飲み放題となる。
東京湾を目前としたパークウエディングも行う。

「SORAMIDO BBQ」はBBQサイトが18カ所あり、それぞれ簡易テントで覆われている。営業期間は4月16日~10月31日(11時~21時)、11月1日~30日(11時~16時)で、スタンダードのセットメニューは1人6000円(ソフトドリンク飲み放題付き)。この他、カジュアルなセット、お子さまと一緒に楽しめるプランなどが用意されている。

「SORAMIDO BBQ」の中央部分に設けられたドリンクコーナー。

 フードはアンガス牛のリブロース、岩中地豚のペッパーポークチョップなど塊肉にこだわっている。また、スティックサラダに使用する野菜は江戸川区近郊で取れたものを厳選して使用。アルコールの飲み放題は別途1500円となっている。

グリラーはアメリカで人気のWeber社の最上級モデルを使用。使用法のマニュアルを用意している

 グリラーはアメリカで人気のWeber社の最上級モデルを使用。蓋付きグリラーであることから、水分を維持したまま均等に加熱が可能で、サイドバーナーではシーフードパエリアなどを米から炊き上げることもできる。調理は食材ごとの火加減、調理時間と手順のマニュアルが用意されていて、お客さまが行う。

 BBQの運営は天候に左右されるが、これについては同社が手掛けているビアガーデン事業のノウハウが生かされている。同社社長の鈴木伸典氏によると、「ここ3年間の悪天候の経験から、売上計画がブレたとしてもハイシーズンとなる130日~150日の間で利益をどのように確保するかということのノウハウが蓄積されている」と語る。また、この3月からBBQやピクニックなどの「アウトドア事業」をスタートさせ、今後はスポーツブランドやアパレルとタッグを組み、さまざまなイベントを仕掛けていく計画を持つ。

「サスティナビリティ」への取り組み4大テーマ

 さて、同社では2019年~2023年の中期事業計画の中で、2019年~2020年にかけて「サスティナビリティ」に取り組むことを表明している。この考え方は「2030アジェンダ/SDGs」(17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」、「パリ協定」(温暖化対策の新しい枠組み)、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、持続可能性レガシー」(カヌー・スラロームセンターに隣接する葛西臨海公園飲食店運営事業を踏まえて)という3つの国際的枠組みを踏まえてのものである。

「サスティナブル取り組みテーマ」は大きく4つ設けられた。これら公式発表されている一文をここで紹介しよう。

・持続可能な低炭素・脱炭素社会実現への貢献

(1)店舗電力を可能な限り再生可能エネルギー化――みんな電力ENECT RE100プラン(ブロックチェーントラキング契約)により、再生可能エネルギー電力に切り替える。導入店舗は「アロハアミーゴ池袋・原宿」「アロハテーブル湘南」「アロハテーブル京橋」「LUAU Aloha Table with Gala Banquet」「R riverside Grill & Beergarden」。(テナント入居店舗、テナントオーナーへ再生可能エネルギー導入を提案中)

(2)店舗照明のLED化――店舗照明を可能な限りLEDに切り替え、省エネルギー化・廃棄物削減へ

・持続可能な資源利用社会実現への貢献

 サーキュラーエコノミー原理による資源利用、サプライチェーン全体で資源効率を高め資源を循環させ、環境への負荷を可能な限り低減。

(1)使い捨てプラスチックの廃止――必要のないストローを廃止。必要なストローは国産紙ストローを使用(森林伐採を含めトレーサビリティが明らかなもの)。使い捨て食器、カトラリーを再生資源製またはリユースできるものに変更。

(2)食品廃棄削減及び再生利用――飲食店の食品廃棄削減サービス「TABETE」を「食堂BARカスミガセキ」試験導入。

(3)店舗内装に再生材活用――古木・廃材や再生材またはリサイクル可能な素材を積極的使用。

(4)再生材・生分解性素材を使用したユニフォームの導入――再生ポリエステルを使用したエプロン(サロン)の導入。オーガニックコットンTシャツの導入。衣類リサイクルボックス設置。

(5)持続可能な食材・資材調達―― 一部店舗で持続可能な水産物の調達を開始。

・人権・労働に配慮した社会実現への貢献

(1)社内におけるダイバーシティ&インクルージョンの推進――性別・年齢・国籍・キャリアバックグラウンド、障がいの有無、性的指向、価値観、働き方等にかかわらず、多様性を互いに尊重し共に活躍・成功することができる職場環境・風土づくりを行い、多様な働き方の実現やキャリア開発の機会を提供。

(2)障がい児支援NPO法人「Ocean’s Love」活動へ協力――障がいを持つ子どもたちの健やかな成長をサポートし、障がいを持つ人たちや家族への差別のない住みやすい社会実現に取り組む「Ocean’s Love」の法人サポーター活動。

・持続可能な社会を実現する地域づくりへの貢献

(1)経営理念「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」の実践――街の人々のニーズを感じ、新たな価値を提案することで、地域に愛される店づくりを念頭においた店づくり。〈一例〉「ニホンバシイチノイチノイチ」(東京)、「小料理バルドメ」(名古屋)、「Goofy」「Heavenly」「ZIGU」「PARIS.HAWAII」(ハワイ)。

(2)公共施設の再生・活性化――公共施設における文化・歴史の継承、社会的な役割を活かし、新たな価値を創生する取り組み。〈一例〉「ガーデンレストラン徳川園」(名古屋)、「葛西臨海公園」(東京)、「中之島公園」(大阪)、「横浜マリンタワー」(神奈川)。

(3)地域におけるスポーツの振興――地域で開催されるスポーツイベントに積極的にサポート・参加、2018年スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー」・「東京都スポーツ推進企業」に認証受ける。

チャレンジングな試みの集大成と新しいステージ

 このたびの都立葛西臨海公園の再開発事業は、これら「サスティナブル取り組みテーマ」のモデル事業として位置付けられている。

 ゼットン代表取締役社長の鈴木伸典氏は、このたびの事業に着手したことに際して、以下のように語った。

(株)ゼットン代表取締役社長の鈴木伸典氏。

 鈴木:公園という多目的な場所が、人々のライフスタイルの多様化によってその使われ方が変化してきています。公園は人々のコミュニティとなっていることから、人々は公園というものに対する興味を深くしているのでしょう。例えば、新しくできる商業施設の中に新たに公園を設けるとか、古い建物の屋上に屋上庭園を再生させるという動きも出てきています。

 そこでわれわれは、「公園が持つ可能性」というものをしっかりと発掘していきたいと考えました。

 過去、名古屋市内の尾張徳川家の屋敷を再開発する事業を名古屋市と一緒に手掛けたり、横浜マリンタワーを横浜市から全面的に借り入れ、再生を行いました。

 葛西臨海公園の事業は、これらから培ったわれわれのクリエイティビティ、オペレーション力を駆使して、公園施設をしっかりと再開発しながら街にとって欠かせない公園としてどのように人々に喜んでいただくか、そのような場所にしていくことにチャレンジしていきます。

 葛西臨海公園は2020年の東京オリンピックのカヌー・スラロームの会場に隣接しています。この公園はこれから世の中、非常に注目される場所になっていきます。

 これを1つの大きなチャンスとして、葛西臨海公園のイメージをどう作っていくか。ここは人々が集う場所であり、健康やスポーツを通じ、教育として子供たちにしっかりと伝えていくこと。クリーンなイメージをどのようにブランディングしていくかという役割を当社が担います。

 われわれはこちらでレストラン、カフェの運営をしていくことはもちろんですが、さまざまなスポーツブランドやアパレル企業とコラボレーションした大がかりなイベントや、ヨガをはじめとした、この近郊に住んでいる人たちが日常的に使えるスクールなどをこの敷地内で実施していきたい。そうすることによって、人々に時間の使い方の提案をさせていただくことになります。

 公園を再生することにより、その公園のブランド力が高まりブランディングされていきます。さらにはその街のブランド力を高めてブランディングされていきます。ここで当社の経営理念である「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」を十分に実践してまいります。

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 ゼットンはアグレッシブに事業を展開してきている。カフェやレストランからはじまり、公共施設の再開発、ハワイアンダイニングの多店化、そしてビアガーデンのノウハウをBBQをはじめとしたアウトドア事業に進化させてきた。葛西臨海公園の事業は、同社にとってこれらのチャレンジングな試みの集大成であり、企業としてまた地域社会にとっての「サスティナブル」に向けた大いなるステージといえるだろう。