気配り、『相手の気持ちを思いはかる行為』。サッカー日本代表の海外試合で、日本のサポーターが試合会場のゴミ拾いをして国際的に話題になりましたね。日本人にとっては当り前のことをしているのですが、国際的にはそうではないようです。

 気配りって、もしかしたら、日本人の強みの1つかもしれません。外国の方は日本人ほど、周りの人の感情を重要視しないようです。しかし、最近、この気配りができる人が減ってきている気がして、心配です。サービスの現場、店舗の現場でこの気配りが無いための問題がたくさん起きています。

 今回は日常的なことから、この気配りについて考えてみたいと思っています。お寿司屋さんでの1こまです。

「ひき肉が売れない」の誤解

木村「スーパーマーケットで、『売れない』の声、本当に多いよね」

鈴木「うん、本当に多い。そして安売りに走る。自分で自分の首を絞めていることに早く気が付いてほしいよ」

木村「自分が仕入れた商品を平気で価格を下げるって、プライドがないよね。自分の商品がかわいくないのかな」

寿司屋大将「ほんとにそう!最近の若い奴らはすぐに安売りする! 寿司屋もそうなんだ。気配りをしてお客さんの研究をせず、ライバル、お客さんのセイにする」

 寿司屋の大将が口を挟んできました。この寿司屋の大将は創業100年を超える老舗の2代目で、伝統的江戸前寿司を提供してくれます。魚料理の知識は大変なものです。

鈴木「大将の嘆きが始まったぞ。それで?」

寿司屋大将「この景気で、寿司屋も大変なんだけど、若い連中はお客さんが来ない理由をすぐに回転寿司に持っていくんだ。そして、価格を安くするために質を落としたり、仲買いを泣かしたり。これでは何もいいこと、起きないよ!」

木村「どの業界も困ったものですね。売れない理由を自分の気配りの無さに持っていかない。大将のところは素材もいいけど、いろいろ魚に手を掛けているものね。それに大将の魚、江戸前料理の話が面白い」

寿司屋大将「お客さんの寿司食べた後のいい顔を見たいだけだよ」

鈴木「昨日、行ってきたスーパーマーケットはその点、ここの大将と同じような社長がいたんだ」

木村「へえ、どんなお客さまのその後への気配りだったの?」

鈴木「現場で、ひき肉が売れないという話になったそうだ。社長が理由を聞くと『出来合いのギョウザやハンバーグなどが売れて、ひき肉を使った料理をしなくなった』と現場が言ったそうです。そこで、その社長は疑問に思い、現場で働いているパートさんたちに聞いたそうだ」

木村「流石、気配りのある社長は行動が違うね!」

鈴木「ここの大将と一緒で気配りもすごいが、食に対する興味が人一倍すごい」

寿司屋大将「おだてたって、出てくるものは変わんないよ」

 

鈴木「社長からひき肉を買わなくなる理由を聞かれたパートさんの答えは『料理に時間を掛けられない。例えば、ギョウザを作るにはキャベツ、ニラなどのみじん切りが必要。でも面倒でなかなか手作りができない』というものだった」

木村「パートさんはギョウザを手作りしたいけど、野菜のみじん切りが面倒だと言っていた。聞いてみないと分からないものだよね」

鈴木「そう! ココの社長のすごいところは分からないことは素直にパートさんに聞く気配り! そこで、農産部門のキャベツ、ニラ、ニンニクをみじん切りにしてギョウザの具として、ひき肉の隣で販売したんだ。どうなったと思う?」

木村「ひき肉がいつもの50%増しくらいかな?」

鈴木「いやいや、いつもの2倍売れたそうだ」

寿司屋大将「まだまだ、気配り次第で売れるものはたくさんあるっていう証拠だね」

 小売店で今まで売れていたけど、売れなくなったものはたくさんあるはずです。その売れなくなった理由はいろいろあると考えられます。商品そのものに魅力がなくなったから、商品の品質が落ちたからなどの理由もありますが、商品周辺にお客さまの困りごとがあるからという理由が意外と多いものです。商品が売れなくなったときはお客さま周辺で困りごとが発生していないか確認することが大事。お客さまのその後への気配りです。