平成最後と新元号へのバトンタッチで祝賀ムードに包まれた4月。しかし、気温上昇が鈍く初夏商品が昨年のようには動かなかった。期待の10連休も一番売れたのは「ご朱印状」と「ふるまい酒」とやゆされてしまうほど。売上予算との乖離が大きかった企業が多かったようだ。

東京都の平均最高気温は19.0℃、平均最低気温は9.2℃。昨年は最高気温が25℃以上の夏日と呼ばれる日が8日あったのに今年はわずか1日。昨年の平均最高気温は22.1℃とその差は3℃だったものの体感では温度差以上に感じられた。

しまむら(既存店)売上高 88.9%、客数 92.1%、客単価 98.0%

【主要施策】ブランド&キャラクター特集/しまむら春祭/大創業祭直前セール【話題の取り組み】春得ハッピーバッグ(1000/2000/3000円)/懐かしの昭和VS今ドキの平成企画/Skirt Collection 【注目アイテム】レディス→①T付綿麻キャミワンピ(税込1900円)、 ②前開きシャツワンピ(税込1900円)、③Tワンピ付レギンスセット(税込1900円)

 4月は春休みに合わせてティーンズ向けに、雑誌『Popteen』専属モデルの鶴嶋乃愛を採用したテレビCM放映や、特価を打ち出した春割、春祭、大創業直前セールなどの販促を強化。しかし、昨年に比べ気温が低かったことも影響して夏物の販売が伸び悩んだ。昨年の売上げ前年比が101.4%だったことも影響したのか、今年はこれを大幅に下回り、これで既存店売上高の前年割れは12カ月連続と、既存店売上高の回復に時間を要している。

ライトオン(既存店)売上高 91.6%客数 88.3%客単価 103.8%

【主要施策】春のボトムフエア/リネンフェア/映画『少年たち』コラボキャンペーン【話題の取り組み】ドラえもんコラボ(男児)/ディズニー・プリンセスキャンペーン(女児)/#アメカジレディになろう(Instagram投稿キャンペーン)【注目アイテム】ユニセックス→①Champion USAコットン無地クルーネックポケットTシャツ(税抜2990円)/レディス→②Leeポケット付きビッグTシャツ(税抜3990円)/メンズ→ ③BACK NUMBER クリスタルリネンイージーパンツ(税抜3990円)

 4月はボトムスをメインとした販促「春のボトムフエア」(1万円以上の買い上げで1000円の買物券プレゼント)を実施し、客単価は前年を上回った。しかし、客数は伸び悩んで既存店売上高の未達は3カ月連続。商品動向としては、リネンフェア(~4/21までリネン&麻混アイテム20%OFF)の効果もあってか、リネン素材のボトムスや羽織物、NBの半袖Tシャツの販売が堅調だった。

アダストリア既存店)売上高 110.0%、客数 105.9%、客単価 103.9%

【主要施策】メンズ雑誌『Begin』掲載 汗ジミ防止Tシャツ/ レディス雑誌『CLASSY.』掲載 麻シリーズ(両方ともグローバルワーク)【話題の取り組み】CITYCREEKオリジナルアウトドアグッズ(ニコアンド)、母の日ギフトエプロン(スタディオクリップ)、UVケアUSAコットンTシャツ(グローバルワーク)【注目アイテム】レディス→①she said that(シー・セッド・ザット)ロゴプリントTシャツ(税込3888円)、②チビハイネックビッグプルオーバー(税込3212円)/ メンズ→③吸水速乾パナマ素材バンドカラー七分袖シャツ(税込4212円)

 4月は寒暖の差が大きかったものの、月全体を通じて初夏物衣料が順調に売上げを伸ばした。ブランド別では、グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム、ジーナシス等が好調。アイテム別では、ワンピース、スカート等が売上げをけん引した他、パンツ、Tシャツ類も好調に推移した。

ユナイテッドアローズ(既存店*1)売上高 98.8%、客数 95.2%、客単価102.5%

【主要施策】おしゃれもすがすがしさも両立! 今、手に入れたい”涼感アイテム”【話題の取り組み】Feature 本当に知りたい”今”のリアルスタイル~色、素材、着こなし~【注目アイテム】メンズ→①COLEMAN別注クーラーボックス20L(税込3888円)/レディス→②ポリエステルサテン2タックパンツ(税込1万4040円)、③THE NORTH FACE別注コンパクトジャケット(税込1万4040円)

  4月は月を通して気温が前年よりも低めに推移したことや、メンズのビジネス衣料の需要が鈍かったことなどの影響で、小売+ネット通販既存店売上げは前年を下回った。メンズではアウター、ニット、シャツ、シューズなど、ウィメンズではアウター、ジャケット、ニット、アクセサリーなどの動きが目立っている。

良品計画(既存店)売上高 99.5%*2、客数 105.2%、客単価 94.6%

【主要施策】「無印良品週間」4/19~5/7まで無印良品メンバー10%OFF【話題の取り組み】オーガニックリネン麻という選択【注目アイテム】レディス→①UVカット強撚ショートカーディガン(税込2990円)、②フレンチリネン洗いざらしスタンドカラーワンピース(税込3990円)、③強撚ストレッチイージーワイドパンツ(税込3990円)

  月の前半は一時的な気温低下の影響もあり、婦人・紳士ウェアともに売上げが伸び悩んだが、後半にかけてはリネン素材のシャツ・ワンピース、カットソー全般、新規のデニムパンツの売上げが上昇した。生活雑貨は文具や化粧水の売上げが引き続き堅調だが、ベッドなどの大型家具、寝装ファブリックスの売上げが前年実績を上回れず苦戦した。

ユニクロ既存店)売上高 98.3%、客数 100.7%、客単価 97.6%

 

【主要施策】毎日が買いどきっ!ユニクロのGW11日間~5/6日まで【話題の取り組み】ゲームコンテンツ プリントTシャツ/マスターオブグラフィックスUTコレクション【注目アイテム】レディス→①UVカットストールロングカーディガン(税抜2990円)/メンズ→②シャンブレー長袖ワークシャツ(税抜2990円)/キッズ→③スプラトゥーンプリントTシャツ(税抜790円)

 前半に気温が上がらず、真冬並みの寒さに見舞われた日もあったため、夏物の需要が活性化しなかったようだ。後半に気温が持ち直すと客足が戻り、客数増となった。前半はカーディガンやパーカー、ブロックテックなど長袖が売れたが、ポロシャツ、ドライEX、エアリズムなど夏物のコア商品の売れ行きが鈍かった。連休時期には夏物も売れ始めたが、ボトムの売れ筋がデニムからレギンスなど単価の低い商品に移っていることもあって、客単価は前年割れになった。

[4月の総括]アダストリア好調の要因は?

 今月は、アダストリアを除く企業の既存店売上高がマイナスと、前年度の売上げをキープできなかった。月前半の低温を不調理由に挙げる中で、唯一、好成績だったアダストリアの要因ついて触れてみたい。

 特筆すべきはニコアンドで打ち出しているマンスリーでの店頭プロモーションのうまさ。雑貨+アパレルの組み合わなのだが、特に取り扱う雑貨の品揃えが良く、思わず手にしたくなるような値頃感が見逃せない。

 商品によってはスリーコインズやオーサムストアに置いているようなモノを、そのときのテーマ性に合ったMD編集力で魅せる。そうした強みが天候に左右されないリピーターを作り出しているのではないか。

 昨年好調だったアウトドアグッズを今期はオリジナル化するしたたかさや、旬の韓国ブランドとのコラボレーション、積極的なNBの採用、他カテゴリーへのチャレンジと、従来の枠に捉われない姿勢が功を奏して3カ月連続で既存店売上高が前年を超えた。昨年の5月は85.9%と、大きく数字を落とした月だけに挽回といきたいところだ。

【5月商戦のポイント】夏物商戦がカギ

 20日締め企業は10連休の結果が大きく影響されるが、月末締め企業については夏物セールが始まる。その代表格がユニクロの誕生感謝祭だ。既存の商業施設では6月から始まるものの、例年のパターンからすると今年は5/24~5/27の4日間。

 最近の感謝祭の傾向の1つが後半戦の集客。売上げダウンがあるようで、その対策として今年はエンジニアドガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)とのコラボレーション商品、日本の漫画やアニメ作品をテーマにしたTシャツコレクションの発売を感謝祭最終日にあてるようだ。

 昨年、無印良品は5/18~値下げ、よりどりセールをスタート。しまむらも5/23~『大誕生祭』を催すのだろうか。いずれにしても長い夏物衣料商品の前半戦に一石を投じる月度になりそうだ。

*印の企業=20日締め、*1=小売既存+ネット通販既存の合算数字、*2=衣料品部門の数字/文中の売れ筋動向情報はIR情報および筆者視察によるものです。