Grabというアプリをご存じですか? 東南アジアで使われている、スマホの位置情報を元にタクシーを配車するスマホアプリです。他にもフードデリバリーや街中でのショッピング利用などが可能で、日本ではUberが近いです。

 ゴールデンウイークを利用してフィリピン・セブ島に行きました。セブ島内では鉄道が走っておらず、主な交通手段は車。一般的にあまり歩く習慣がないようで、移動時は近距離でも何らかの乗り物に乗る国民性があります。

現地人にはJeepney(ジプニー)と呼ばれる安価な乗り合いバス利用が一般的。支払いは運転手までバケツリレー方式で手渡し。見ての通りぎゅうぎゅう乗りなのでスリ被害も多く、観光客にはちょっとハードル高め

 日本では普段あまりタクシーには乗らないのですが、あまりに快適な移動体験だったのでレビューと気付きをまとめました。

レスポンスが早い!呼べばすぐ来る

 使用前には、まずGrabアプリをダウンロードし、自分の名前や電話番号など個人情報を登録します。案内は全て英語ですが、簡単な単語が使われているので登録はそこまで苦労しませんでした。

 使い方は事前知識がなくても簡単でした。行き先をグーグルマップや場所名などで指定して「BOOK(予約)」ボタンを押すだけで、周辺のGrabドライバーに情報が伝わります。混雑時間帯やあまり交通量のない遠い場所では捕まりにくい印象ですが、私の滞在中では1度だけでした。

あと何分で到着するかが正確

 利用できるタクシーが見つかると、ドライバーの評価情報や車種、目的地までいくらで送迎できるかが表示されます。内容に問題がなければ配車を依頼、「〇min」と時間表示が出ます。私の利用時では、おおむね配車が決定してから10分以内には到着しました。タクシーが今どこを走っているかはアプリの地図上で分かる仕組みで、到着予想時間もかなり正確です。

青丸が現在地、車がタクシーの今いる場所。6分で着くことがすぐに分かる。車が近付いているのはリアルタイムで分かるので、安心感がある。到着予想時間もかなり正確

ドライバーとのやり取りが便利

 日本では乗客を乗せていない流しのタクシーを道で拾えることも多いですが、海外では流しのタクシーが走っていない国も多いです。とはいえ、ホテルでタクシーを呼ぶと送迎料金が高く付くため、滞在中にはこの配車アプリが大活躍しました。

 到着時にはメッセージと車種、ナンバーが表示されるので、人の多い観光地でも車を間違えるリスクがありません。また、ドライバーから送られてくる自動応答メッセージにも幾つかパターンがあり、「先に今乗っている乗客を降ろしてから向かうよ」「道が混んでいて向かえないから今回の配車予約はキャンセルするよ」など、状況がすぐに分かるので非常に使いやすかったです。

 
LINEのような画面のGrabChatで、ドライバーと直接メッセージのやり取りも可能。白い吹き出しがドライバー、緑の吹き出しが私の会話。このときは飲食店での会計に時間がかかっていたため、とっさに単語ですぐ行く旨をメッセージ

移動中でも現在地や状況が可視化

 乗車中も迎車の待ち時間と同じように、今自分の乗っているタクシーがどの道を走っているのかが分かるため、初めていく土地でも地理状況がつかみやすいです。走行中には凸凹でかなり荒れた道も走行していましたが、降車後にドライバーの評価制度があるため、安全運転のドライバーばかりでした。

乗車中のGrab画面。自動車が現在走っている場所、赤丸が目的地。9:05PMに目的地に到着することが分かる。途中で渋滞に巻き込まれたものの、実際の到着は9:10PM程度だったので到着予定時刻もほぼ正確

 なお、基本的には予約時に掲示された料金を降車時にそのまま請求されます。渋滞に巻き込まれて時間がかかったときでも、チップは不要です。複数地点を経由したいなどイレギュラーなリクエストがある際は、配車予約時に希望を出してドライバーと直接交渉することになります。

通常のタクシーと違い、メーターはない車ばかり。また防犯用窓ガラスなどもなく、普通の自家用車に乗せてもらっているイメージ。中にはGrabと同じ画面表示ができるカーナビを見ながら運転するドライバーも

ドライバー評価制度が安心と質を担保

アプリでは、過去に利用した分の使用履歴も一覧で見られて便利

 降車後には今回のドライバーについて五つ星で評価する画面が表れます。乗車履歴は全てHistoryに登録され、いつどこで利用したかを確認することも可能です。評価は今後の配車予約にも影響するためか、どのタクシーもとても気持ち良く利用することができました。

 ちなみに料金は物価が日本の3分の1程度ということもあって、格安。車種や時間帯にもよって料金は変動しますが、公式サイトでは予約料は2.30ドルから。距離運賃は400mごとに22セント(1~10km以内)、待ち時間は45秒ごとに22セントとなっています。

 海外のタクシー利用時にはドライバーがわざとノーメーターで走り、降車時に割高な観光客値段やチップを請求するといったトラブルがよくあります。また、現地ドライバーに言葉が伝わらず、目的地を間違えられるというケースもあります。

 地図をベースにやり取りしていることで会話が必要最低限で済むこと、金銭トラブルが生じず支払いもスムーズに済むことは大きなメリットでした。私はなぜか現地でクレジットカード登録ができなかったため現金を使用しましたが、クレジットカードを登録すればカード決済やGrabPayと呼ばれる登録カードでのチャージ支払いも可能です。

「知る」より「体験」が強い

 日本ではまだ法規制や利用者側の心理的抵抗などもありライドシェアサービスは広がっているとは言い難く、配車アプリの普及は今後の課題となっています。その一方で、国外ではこれほどライドシェアが普及し、スムーズな状況であることはぜひ知っていた方がいいと感じました。

 私は今回これだけ長々と詳細に書きましたが、実際の利用体験に勝る経験はありません。利用してみて、タクシーの利用有無に限らず、「状況を可視化する」「利用方法をできるだけスムーズにする」「使用履歴を可視化する」など、他の仕事でも生かせそうな部分がたくさんありました。

 Grabは公式サイト上で、事故率などがシンガポールのタクシーと同じくらい安全と明記されています。国が違うので働く環境・状況は異なりますが、皆さんの仕事でもこれだけのストレスフリーな体験をお客さまに与えられているか、ぜひ考えてみてください。