ライフコーポレーション(以下、ライフ)がセイノーホールディングス(以下、セイノー)とそのグループ会社であるベクトルワンとの業務提携を行った(2019年4月11日)。ネットスーパーを第六次中期経営計画(2018年度~2021年度)の柱の1つに据えるライフにとって、オンライン(ネット)とオフライン(店舗)を融合させるための新しい協業の形といえる。

 今回のようなスーパーマーケットと物流会社の提携がニュース発表される例は少ない。

 スーパーマーケットにとって今後、ネットスーパーの導入は不可欠となってくる。一方で配送要員不足が深刻化している中で物流会社と本格的に提携するライフのような取り組みは今後も増えると思われる。

 セイノーは物流業界では郵便、海運などを除くとヤマトホールディングス、SGホールディングスに次ぐ企業規模。2018年3月期の売上高5961億円(前年比105.0%)、営業利益278億円(同102.8%)。今期もそれぞれ6160億円(103.3%)、315億円(113.0%)と増収増益を見込み、良好だ。同社の決算説明会資料(2019年3月期第2四半期)によれば、新規顧客、また契約更新時の「適正運賃収受」と称した値上げが奏功している。とはいえ、営業利益の創出には人件費が▲23.9%、用車・外注費が▲27.4%と大きなコスト要因となっている。

プラットフォーム、配送の各段階は専門のグループ会社が担う

 こうした背景の中で、ネットスーパーへの対応は、むしろ真逆の取り組みが必要となり、セイノーにとっては一見非効率な事業といえる。

 そこで、ネットスーパーの運営はセイノーのグループ会社 ベクトルワンがプラットフォームを担う。同社は店舗、商品、顧客、配送車位置情報などのマスター管理をもとに配送担当者のスマホにルート指示を発信する「デリバリーソリューション」という仕組みを運用する。

 実際の配送はベクトルワンの子会社であるインテンツで行う。同社ホームページの採用情報の欄を見ると、例えば渋谷区のライフ店舗を対象に時給1250円~1650円、勤務時間11時~20時の条件で募集が行われている。

 このように配送事業はコストアップの要因を数多く含んでおり、今回の取り組みがライフの収支にどのようなインパクトが出るかはまだ見ることはできない。ただし、リアル店舗とネット販売の融合にはプラットフォーム設計と運用、配送など各段階における必要機能を備えた企業による分業が必要であること、そして物流会社にとってもネットスーパーに対するソリューションを備えることが必要であることを示す。