商圏のデータを瞬時に集計することができる地図情報システム(以下、GIS)は、地域特性に着目してマーケティング活動を行う「エリアマーケティング」との親和性が高いツールです。
 多店舗展開を行う企業では、GISを使って既存店データを抽出し、「重回帰分析」(売上予測に用いられる統計解析手法の一つで、既存店における売上高と人口、駐車場台数、競合店数等の複数の変数との関係から新規店舗の売上高を予測するもの)によって新規店舗の売上高を予測するケースが多く見られますが、重回帰分析は売上予測に有用な手法である反面、統計知識や経験が必要とされます。
 今回は、「日本スーパー名鑑(ポイントデータ版)」と当社のGIS「TerraMapシリーズ」を用い、「類似店分析」による売上予測の考え方を解説します。

「類似店分析」による売上予測とは?

 類似店分析とは、売上相関が高いデータ項目によって既存店を分類し、それらとの類似性から新店の売上高を予測する方法です。この分析方法は、「新店の売上高は商圏特性の類似度が高い既存店の売上高に近似する」という仮説に基づいています。
 図表1を見て下さい。これは、既存店のデータから売上高との関連が強い(相関係数が高い)項目を抽出し、新店と既存店(A、B)について各項目をレーダーチャートで表したものです。

図表1 新店と既存店(A、B)の類似度比較

 

 

 レーダーチャートの形状から、既存店Aよりも既存店Bの方が新店との類似度が高いと直感的に分かると思います。この場合、新店の売上高は、既存店Aより既存店Bの売上高に近くなることが予想されます。