水産部門のドリルダウンを行っていると、『しょうがないね』と売場チーフ、店長が言ってしまう問題が多いことに気が付きます。(写真と本文は関係ありません)

 ドリルダウン(重点管理を行う手法)を上手にできるようになってくると、『しょうがないね』と諦めてしまう問題に多く直面していることに気が付きます。それが先行管理上の問題なのですが、結構、売上高に大きく影響を与えているのです。

『しょうがないね』の問題が多いことに気付く

 水産部門のドリルダウンを行っていると、『しょうがないね』と売場チーフ、店長が言ってしまう問題が多いことに気が付きます。

 例えば、近海魚分類のイワシが前週に比べ、大幅に売上高を落としていることに気付き、原因を調べると、台風の影響で漁船が漁に出られないため、イワシの入荷が全くなかったことが分かります。するとチーフと店長は『しょうがないね』。

 魚卵類分類の売上高が大きく落ちているため原因を調査すると、明太子メーカーの工場で不具合が起きて、操業できないでいる。すると『しょうがないね』。

 問題には自責の問題と他責の問題があります。自責の問題とは自分に責任がある問題、他責の問題とは他人に責任のある問題です。自責の問題は原因追求をして解決策を見いだすことができますが、他責の問題は自分では解決策を見いだすことができません。

 そこで、他責の問題に遭遇すると『しょうがないね』と諦めます。自分で解決できないと思い込んでいるのです。

 しかし、この種の問題は農産部門、畜産部門、惣菜部門など全ての部門で起きており、実は売上高へ大きく影響を与えています。

先行管理で他責の問題が起きる前に手を打つ

 他責の問題を放置していいのか? この他責の問題をよくよく考えると全て、事前に情報が手に入っています。

 例えば、近海魚のイワシの問題、これは台風が発生した段階で近海の漁をする漁船が海に出られず、2、3日はイワシの入荷がないことは10日前くらいには分かります。明太子が工場の不具合で入荷されないことも4、5日前には分かっていたはずです。

 このように他責の問題は発生する前に情報が手に入るのです。それであれば、問題が起きる前に手を打つことは可能なはずです。イワシの問題であれば、どの曜日に入荷がない、すると売上高がいくら落ちると予想できます。

 落ちる売上高が予想できれば、その落ちる売上高を補完する商品を事前に準備できるはずです。まさに、イワシが未入荷となる問題が発生する前に次善の策(イワシの代替品を売る)を打つ、これが先行管理です。

〈まとめ〉3種類の他責の問題に対処する

 この他責の問題(先行管理すべき問題)を調べると大きく3つに分かれます。台風の影響や気温の影響等の「気候の問題」と仕入れ先の工場の問題や物流センター等「取引先の問題」、そして、税金や世相等の「社会問題」です。

 これら気候の問題や取引先の問題、社会問題は過去にも同種類の問題が起き、売上高へ悪い影響を与え続けているのです。しかも、その情報は必ず事前に入手できます。『台風が上陸して生産地が出荷出来ません』『工場の不具合で欠品になります』『消費税アップは延期、特需は起きません』等の情報です。

 このようなことから、他責の問題情報が入手できた段階で、その影響を予測し、その問題が起きる前に計画を修正、代替の先手を打っていくことが可能になるはずです。これを先行管理と言います。

 マネジメントの始祖P.F.ドラッガーはこれを『既に起きた未来』と呼んでマネジメントレベルを上げることを提唱しています。