厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第34話 外回り営業職の妻・葉月の目線

 

 6時半に起きて、前日の洗濯物を回し、身支度・化粧をしたら出勤。仕事は外回りの営業で10件以上訪問。合間にファミレスでランチして仕事を終えたら、スーパーに立ち寄って帰宅後、洗濯物を取り込み、夕食を準備。

 食材は全て冷凍している。買った野菜はすぐに切ってジップロック、肉は使いやすい分だけ小分けにしてサランラップ。野菜は冷凍すると水分が抜けて食感や鮮度が落ちるけれど、時短重視だ。

 私のいつものライフスタイル。21時に大根おろしを作りながら、何をしているんだろう、と思った。

 共働きでも、帰宅時間の早い私が家事のほとんどを担当している。

 教師の夫は、気遣いのある人だ。優しい人だし、頼めば家事もやってくれるけれど、部活で運動して帰宅した後の彼は口数が少なく、明らかに疲れていることが分かるので頼みにくい。

 栄養バランスを考えて必ず自宅で夕飯を取るのはうれしいけれど、明日の分にと多めに用意したご飯やおかずまでペロリと食べ尽くされると、「何で全部食べちゃうかな……」とちょっとムカつく。

 結婚する前は、家事も仕事も自分が完璧と思えるまでやりたいと思っていた。いざそうなると何とか体は付いていけるものの、精神面での疲れが溜まっていた。

 夫婦として子供は欲しい。でもこの生活に育児も、となれば、私、うまく回せるのかな。 

 病気になったことが分かったのは、その直後だった。医師からストレスが原因ではないかと告げられたとき、神様に「ちょっと休みなさい」と言われた気がした。とても楽しみにしていたいくつかの予定は、やむなくキャンセルした。

 手術は、入院が必要になるそうだ。でも、できるだけ土日など仕事に支障がない日程を、と先延ばしにしてしまっている。仕事が溜まって、後で困るのは自分だから。

 そう思っていたら、追い打ちをかけるようにまた別の病気が発覚した。

 加齢や生活の変化に、まだ気持ちが追い付いていないのかもしれない。

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 私の病気の発覚以来、夫は家事を自主的にやってくれるようになった。休日の仕事や部活の遠征を調整するから、私の病気の治療が終わったら、行けなかった遠出や外出もしようねと話している。

 それまでの2人での外出は、彼の職業柄、1カ月に1回あればいい方だった。

 新生活用の家具や家電を探しにニトリや電気店に行くだけで、あっという間に1日が終わってしまう。

 そして私も仕事や家事にいっぱいいっぱいで、たまに夜ご飯にローストビーフなんかをちょっと奮発して買うことが最近の楽しみだった。

 自分の心身を休めるための、リフレッシュする時間を作れていなかったのだと思う。

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 男女平等な社会といえども、まだまだ家事は女性がするもの、そのため結婚して負担がかかるのは妻、という概念が周りにも自分にもある。

 社会一般概念として、共働き=家事「も」完全分担という考えが広まってほしい。

 そして私も、焦らず、少しずつ新しい生活のペースをつかんでいきたい。 

 

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第35話 美容師の夫・仁己の目線

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 この連載では、エピソードの元になる共働き生活(料理、買物、外出についてお話を聞かせていただける共働き家族を募集しています。

 また、併せて共働き生活に役立つ商品・サービスを取り扱っている企業も募集しています。

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