埼玉に拠点を置くスーパーマーケットのベルクが既存店伸び率を71カ月連続(2013年5月~19年3月)で伸ばし続けている。価格競争の激しい食品という分野、埼玉を中心として、首都圏にありながら個店を伸ばし続けるスーパーマーケットの強さはどこにあるのか。

 ベルクの19年2月期決算は営業収益2255億円(前年比106.7%)、経常利益103億円(同104.1%)。28期連続の増収、13期連続の最高益となっている。同じく、埼玉に拠点を置くヤオコーも28期連続の増収増益(単体ベース)となっており、2019年3月期も本決算は未発表であるが、増益が見込まれている。

 ただ、ベルクで特筆すべきは既存店の伸びを6年続けている点にある。

 既存店とは開業後13カ月経過した店舗を指す。立地、売場面積などにおいて安定した集客数と販売双方から成り立つもので店舗の強さの表れでもある。

 ちなみに、同社の既存店伸び率が前年超えを始めた2014年2月期の1店舗当たり平均年商は18億1200万円(同期の売上高1450億円を期中平均店舗数*期初77店舗+期末82店舗を半分に割ったもの)。同じ算出法で2019年2月期をみると20億4400万円。

 5年間で1店舗当たり2億円以上の年商アップを果たしているのである。もちろん既存店改装を施し、売場面積やレイアウトの改良も行われていることもあるが、先ほどのヤオコーのようなスーパーマーケットチェーン、またはドラッグストア、セブン-イレブンなどの同業態、異業態との競合が激しい首都圏に拠点を置きながら、普通のスーパーマーケットの店舗が伸び続けている例は稀有。

1人当たり売上高は同業他社の1.3倍

 ベルクの特徴を店舗で見ると郊外住宅立地で、主に近隣型ショッピングセンター(ドラッグストア、ホームセンターなどとの共同出店)での出店が中心。2000㎡前後の売場面積とレイアウト、可動式陳列棚を備えたケース、ゴンドラなどの設備・什器とも画一化とまで言っていいほどに標準化されている。このことにより、店舗でのオペレーションの単純化が進み、品切れリスクの減少、催事対応の売場づくりにマンパワーを集中投下できる。

 特に注目なのが、1人当たり売上高の3364万円。同社が調べた上場スーパーマーケットの平均は2451万円で、1.3倍の格差となっている。以上の内容は毎年開示される同社の決算参考資料に記載されており、同社の注力点と自信が見られる。

 とはいえ、今年度(2020年2月期)は増収増益を計画しているものの、既存店はマイナス見込み。初月の3月(102.9%)は上回ったものの、これからの消費増税に伴う駆け込み需要と反動減、これに対する小売り各社の販促対応など不透明な部分が多く、同社ですら厳しく見込んでいる。