今年10月1日より、消費税増税に伴う「軽減税率制度」が実施されます。日本初の複数税率導入に伴い、小売業・飲食業・各種サービス業を中心に会計シーンが大きく変化します。これにより店舗では、通常業務に加え、“軽減税率制度に対応したレジの購入や改修”、“価格見直しや税率設定”、“従業員への教育”などを行う必要があります。また、正しい対応ができていないと顧客満足度の低下や売上毀損につながる可能性も懸念されます。

 この連載では、「消費税増税・軽減税率制度」実施に向けて、店舗の皆さまが混乱することなくスムーズに10月を迎えられるよう、レジの選び方やレシート対応、キャッシュレス活用などについて、分かりやすくお届けしてまいります。

 第3回は、“レジの事前準備”がテーマです。「消費税増税・軽減税率制度」の実施までいよいよ半年を切り、これから準備に取りかかる方も多いのではないかと思います。

『Airレジ』でも4月18日(木)に、消費税増税・軽減税率制度への対応がスムーズに行える「軽減税率対応のための設定画面」の提供を開始しました。そこで、今回はレジに関する事前準備について、紹介していきます。

半年前から準備に着手する店舗は全体の4割

 消費税増税・軽減税率制度に対して「いつから、何に着手するか」、店舗を運営する皆さまはどのようにお考えでしょうか――。

『Airレジ』が昨年11月に小規模(5店舗未満)のオーナー・店長に実施した「消費税増税・軽減税率制度に関する店舗の意識調査」によると、43.8%の店舗が制度実施の半年前となる4月頃から準備を開始すると回答しています。

 また、既に対応が完了している・取り掛かっている店舗の対策内容を尋ねたところ、「軽減税率制度に対応したレジの導入・システム改修を行った、もしくは相談した」が54.3%と最も多い回答となっています。

Q. 実施した対策・始めている対策内容として、あてはまるものをすべてお答えください。(「完了している」「取り掛かっている」と回答した店舗 n=128・複数回答)

 

Q. あなたのお勤め先の店舗での現時点の状況として、あてはまるものをお答えください。(対応時期を回答した店舗 n=238・単一回答)

 

 この意識調査の結果を踏まえ、実施まで半年を切った現在、まずはレジに関する準備を開始する店舗が増えくるのではと想定しています。

まず着手したい、レジに関する3つの事前準備

 レジに関する事前準備として、店舗では具体的にどのような対応が必要になるのか――その必要な対応は次の3つに集約されます。

(1)商品ごとの税率「10%(標準税率)or 8%(軽減税率)」を把握する

 2019年10月以降は8%と10%、複数の税率が存在し、品目や購入シーンによって異なることは、連載第1回「どうなる?どうする?『軽減税率制度』で変わる店舗の会計シーン」で既に紹介しました。

 ただ、「うちは8%対象の商品しか取り扱っていないからそこまで準備しなくても大丈夫」という方も注意が必要です。例えば、八百屋さんでは、取扱商品が野菜や果物を中心とした食品になるため、税率は8%のものがほとんどになると想定されます。ところが、ティッシュペーパーなどの日用品も一部取り扱っている場合、ティッシュペーパーの税率は10%となるため、複数税率の管理が必要になります。

 また、お客さまのご自宅に商品を配達する場合の配達費に関しても、税率10%となるなど、「思わぬ8%や10%」が出てくる可能性もあります。どのような商品を取り扱っているのか、その税率は何%になるのか、改めて確認をするようにしましょう。

(2)商品ごとの税率をレジに登録する

 税率把握の次に、商品ごとの税率をレジに登録します。登録ができていないと、会計が正しく行えずお客さまを待たせてしまったり、売上げを毀損してしまったりする可能性があります。登録方法や設定はレジの種類によって異なります。

 軽減税率制度に対応できる3種類のレジ(レジスター・高機能POSレジ・モバイルPOSレジ)ごとにその設定方法を見ていきましょう。レジスターの場合、マニュアルを確認しながら、部門や商品に一つ一つ税率を操作し設定していく必要があります。レジ本体の小さな表示窓、またはPCの専用ツールを使用して設定を行うケースが多いようです。高機能POSレジの場合、専任のエンジニアに依頼し、データを入れ替えます。エンジニアの改修には別途費用が掛かるケースもあるようです。モバイルPOSレジの場合、iPadなどの大きな画面で全体を確認しながらオーナー・店長の作業で登録が完結できます。

(3)消費増税・軽減税率制度の実施以降の新価格を設定する

 消費税増税・軽減税率制度実施に合わせて、仕入値なども上がるため、適切な商品価格を見直す必要があります。新価格の設定については、(2)で紹介したレジの種類だけでなく、メーカーによっても仕様が異なります。

 レジに関する事前準備においては、使用中もしくは購入予定の軽減税率対応レジの種類や仕様によって作業内容・ボリューム・難易度が変わるため、これからレジを購入しようとしている店舗の方は、設定画面の使いやすさなども加味して選ぶとよいでしょう。

中小・小規模店舗の事前準備をカンタンに

 上記に記したように、軽減税率の準備のために、普段でも忙しいお店の方々がやらなければならないことが非常に多くあります。

『Airレジ』では、そんなお店の方々の「時間・手間・コスト」を少しでも軽くするために、4月18日に「軽減税率対応のための設定画面」をリリースしました。

 先ほどの調査では、事前準備の必要性を感じながらも43.6%の店舗が、「時間・手間・コスト」といった観点で準備ができていないことも分かっています。昨今の慢性的な人手不足や日々の店舗運営と並行して、事前準備を行うことはとても大変です。

 特に店舗の「時間・手間」を徹底的に取り除き、事前準備を最小化することが中小・小規模店舗の事前準備を進めるポイントといえるでしょう。

『Airレジ』の場合、カンタンさを追求した画面で必要な設定を済ませておけば、アプリのアップデートのみで安心して10月1日を迎えることができます。また、基本的なレジ機能は0円なので、必要な周辺機器は軽減税率対策補助金の対象になっているため、コスト面の負担も軽減できます。

店舗の声を反映したポイント

『Airレジ』の開発プロセスでは、中小・小規模店舗が最小限の操作で迷いなく設定ができるよう、開発済みの画面をレジ業務に関わるオーナーや店長に実際に登録・設定をしていただき、頂いた意見や要望を反映しています。

 実際に店舗の声を反映したポイントは以下の通りです。

 実際の設定画面に照らし合わせて、見ていきましょう。

商品ごとの適用税率を設定する

●10%(標準税率)のみの店舗は何もしなくてもいい

 飲食料品を取り扱わない小売店、テイクアウトがない飲食店など10%(標準税率)のみとする店舗は、事前設定を不要にしました。10月1日より自動的に10%(標準税率)に切り替わるため、一切手間がかかりません。

●8%(軽減税率)のみの店舗は一括編集で準備完了(A)

 商品が全て軽減税率対象となる店舗では、税率を一括変更できるようにしました。画面上でワンタップのみで全商品を8%(軽減税率)に設定、10月1日より自動的に8%(軽減税率)に反映されます。

●複数税率対応の店舗はプルダウン選択で準備完了(B)

 10%(標準税率)と8%(軽減税率)の2つの税率が混在する店舗は、商品ごとの適用税率を「10%(標準税率)」「8%(軽減税率)」「注文時に選択」の3パターンからプルダウン選択で設定します。商品のカテゴリーごとに一括編集することもでき、10月1日に設定した通りに反映されます。

 

②新価格の事前設定を行う(C)

 現行の価格欄の右隣に、10月1日以降の新価格を事前設定できます。iPadやパソコンの大画面で現行の価格を確認しながら設定することが可能です。事前設定しておくと、10月1日より設定した通りに反映されます。

 

③イートイン/テイクアウトの設定を行う(D)(E)

 1つの商品に対し、10%(標準税率)と8%(軽減税率)の2つの税率の価格を登録できます。内税の場合は、それぞれの内税価格を設定できます。この設定により、商品登録数を最小限に抑え、会計直前に「テイクアウトに変更したい」など急な要望にも即座に対応できます。また、「イートイン/テイクアウト」の名称についても店舗ごとの呼称に合わせて、自由に変更可能です。

 
 

 

 本設定画面について、直近で完成版を試用した店舗からは、「説明書がなくても見たまま操作できる」「これなら安心して増税を迎えられる」などの声も頂き、店舗の業務負荷を少しでも軽減できればと考えています。ここまで、レジに関する事前準備について、『Airレジ』を具体例として紹介しました。これから、レジに関する事前準備を始める店舗の皆さまにとって、レジの検討や事前設定などについて具体的に考えるきっかけとなれば幸いです。