コーディネートを意識、靴の専門店展開も!

 今までにない客層を開拓し、取り込むためには、店舗の立地も重要となる。ワークマンプラスは不特定多数のお客が多く集まる広域のショッピングセンターに出店することで、今まで出会うことのなかったお客と遭遇することになった。お客もワークマンとの未知の遭遇を通して、その存在を認知するようになっていく。

 新業態の開発にあたっては店舗名もポイントだった。「一般のお客さま向けなのでイメージを考えてワークマン色を打ち消すという選択肢も考えられたが、あえて付けることでプロユースの高機能をアピールできた」(土屋常務)。

 新業態といっても、長年、職人たちに親しまれて実績を積み上げてきたワークマンの延長線上にあり、既存の品揃えから商品を切り出して店舗の立地と器を変えて展開しているワークマンプラス。変えない部分と変える部分を定めながら、今、新たな顧客を意識したいろいろな手を打っている。

 

「マネキンを使ってコーディネートを提案。早ければコーディネートを意識したシリーズも今秋、発売する計画だ。商品設計でも、よりファッション性を高めるため、ファスナーのカラーを変えるなど改良も進めていく」と土屋常務。

 ワークマンプラスでは女性客が想像以上に多かったことから、女性向けの商品を集積した専用売場を設け、メンズではSサイズを拡充、ユニセックスもアピールする。既に、特定のユーザーを想定した対応策にも着手している。ワークマンのECサイトでは、サバイバルゲームで商品がよく使われていることを踏まえて、迷彩ヤッケやカーゴパンツ、ゴーグル、手袋などの商品を集めて特集コーナーを設けている。

 低価格のアウトドア市場は4000億円あると推定されており、「ニッチなマーケットでライバルも少なくブルーオーシャンの世界でまだまだ開拓できる。女性向けのアウトドア専門店、さらに、ワークマンは長靴で20%のシェアがあることから、靴の専門店展開も可能と考えている」(土屋常務)。

 ワークマンプラスの出店により商品に注目が集まったことで、同じ商品を扱う既存のワークマンに波及効果が及び、売上げを押し上げている。今後は既存店のワークマンプラスへの業態変更も加速する。

 ワークマンは2025年に1000店舗体制を目指しているが、その目標は確実にクリアすると見込まれる。ワークマンプラスは当面、年間100店舗を目標に出店を進めるが、数年で1000店舗に到達するのは確実。相当数の規模まで拡大が予想され、さらに新業態が開発されれば出店機会が拡大し、次代に向けての成長は約束される。

 今まで培ってきた商品力を最大限に活用し、「高機能+低価格」という最強アイテムを新しい器に盛り込んで新たな顧客を取り込んだワークマンプラス。当分、快進撃は止まりそうにないが、この事実は改めて、「実質を求める消費者が一定割合存在し、スマート(賢い)であること」を教えてくれた。