「主婦の買物疲れ×店の商売疲れ=負」でしかない

 買物客側も疲れ、店側も疲れていると、スーパーマーケットは苦しい空間になってしまう。スーパーマーケットを愛している私としては、これはとても悲しい現実だ。

 AmazonなどのEC販売が台頭し、実店舗の意義がますます問われる中、「タスク」体験しかない場であり続けてしまえば、お客が離れてしまう可能性も大いにある。こんなことは私が言うまでもなく、常々、小売業界では危惧されているだろうし、ほとんどの小売店が危機感を感じていると思う。

 では、どうすればいいのか。

 私は「店舗をメディア化していく」ことをぜひ進めてほしいと考えている。

楽しい体験を生む店舗は「メディア化」している

 ここでいう「メディア化」は、「新しい発見がある」「ワクワクする」「エンターテイメント性がある」といったような体験が、叶う様子を表現した言葉として使っている。

 スーパーマーケット巡りをしていて「ステキだな」と感じるのは、とにかくお客を「楽しませる」ことに向き合っているお店だ。本部主導で仕事が下りてくるというよりも、店舗の従業員が主体となって運営し、一人一人が楽しませることに能動的であり、本気。こうした店舗ではいろいろなところにお客を楽しませる仕掛けがあり、普段の買物が「特別な体験」に変わっていく。

「買物前の疲れている気持ちも、スーパーマーケットに行ったら癒される」。こんなことが起こったら、とってもステキだと思う。

「そうはいっても、いろいろな事情から難しい」

「具体的に何をすればいいの?」

 本連載では、そんな小売店側のお悩みを解決できる(かもしれない)ように、小売店で働いていない筆者が、好き勝手に「主婦目線で『楽しい』と思える、メディア化しているお店」を取り上げていく。

 小売店で働いてはいないがスーパーマーケットが大好きな私が、業界の端っこにいながら、主婦目線でいつも感じていた「もったいないお店」を、少しでも「楽しいお店」に変えていけるきっかけになればいいなと思う。

 小売店の事情を全く無視した主張をしてしまい、「分かってないな」と思われることもあるかもしれない。でも、少しだけ業界を知る筆者の「主婦目線のいち意見」の連載を、温かい目で見守っていただければありがたい。

 次回以降は、毎回1つの企業を取り上げながら、どんなふうに「メディア化」しているのか、買物客側に響く(と私が思っている)ポイントはどこかを書いていく。取材依頼をした際はお受けいただけるととてもうれしいし、「メディア化」の取り組みをしている店舗の方は、ぜひお知らせください!