スーパーマーケットでの買物は、毎日食事をする私たちにとって欠かせない日常行動である。でも、多くの主婦にとって、正直言ってスーパーマーケットでの買物はつらくてしんどい。どうしたら「つらい」から「楽しい」になるのだろう? スーパーマーケットマニアであり全国のスーパーマーケットを巡る筆者は、店舗の「メディア化」が、とても重要だと考えている。本連載では、そんな店舗のメディア化事例について、主婦目線で取り上げていく。

本連載では買物客および日々の料理の担い手のイメージとして「主婦」という言葉を使う。夫やその他の家族が買物や料理を担当する家庭もあるのは重々承知しているが、世の中全体としてまだ女性が担当することが多いことも踏まえて、本表現とすることをお許しいただきたい。

主婦は疲れている

「スーパーマーケットへ買物に来ている主婦は、基本的に疲れている」。

 これは、私が今まで仕事や趣味でスーパーマーケットを巡っている中で、分かったことである。

 各所で取り上げられまくっており今さら説明するまでもないが、総務省の「労働力調査」によると、1990年代中頃を境に共働き世帯数が専業主婦世帯を超え、2018年の統計では1219万世帯に上るという。世の中には、働く女性が本当に増えている。

 また家庭外での仕事を持たない専業主婦でも、子育てに追われ、料理や掃除、育児にと毎日“家と家族を守る仕事”でクタクタである。

 仕事疲れ、家事疲れ、育児疲れ……スーパーマーケットが向き合わなければいけないのは、この「基本的に疲れている」人たちの日常だ。

「洋菓子店でごほうびスイーツを買う」「衣料品店で流行の服を買う」というようなハッピーな行為と違い、忙しくて疲れている中での買物は「タスク」でしかない。効率的な時間の使い方や、家計と相談しながらの買物は、主婦にとって最低限遂行しなければいけないミッションとなっている。

 毎日のように行う「スーパーマーケットでの買物」という行為が、楽しい体験とは程遠い「タスク」になっているなんて、とてもつらい。毎日のことだからこそ、そこにちょっとした楽しみがあるとうれしいのに、現実はなかなかそうはなっていない。

店側も疲れている(!?)

 一方、店側はどうだろうか。人員募集をしてもなかなか応募がなく、いつもギリギリの人数で回し、必要最低限の売場づくりしかできない……。悩んでいる店は多くあるだろう。

 私は趣味も兼ねて全国のいろいろなスーパーマーケットを回っているのだが、その中で、「ステキだな」と思う店舗と「残念だな」と思う店舗がある。「残念だな」と思うのはたいてい「元気がない」店舗だ。閑散とした店の雰囲気、薄暗い照明、覇気のない従業員、それらは買物をする側のお客の心までどんよりさせてしまっていないだろうか。

 また、元気がないわけではないが、自己中心的な店舗に出合ったときも「残念だな」と感じてしまう。店全体に商品はあるものの「商品情報」が少なく、自分たちが売りたいもの・伝えたい情報だけにPOPがついている店舗などがそうだ。このような店舗では、買物をしていても新しい発見がなく、目的のものだけを買って終了する「タスク」をこなして終わってしまう。