ギャップジャパンは「GAP」の旗艦店たる原宿店を5月7日で閉店するが、17年5月には渋谷店も閉店しており、日本国内の旗艦店は銀座店だけになってしまう。ギャップジャパンは17年1月末までに「オールドネイビー」の全53店舗を閉店して撤退しており、日本国内売上高は15年の推定1060億円をピークに18年は600億円前後まで急落したと推計される。

 H&Mジャパンとて18年は7月16日に上陸1号店の銀座旗艦店を閉店しており、新規に10店を出店しても売上げは減少に転じている。フォーエバー21も17年10月に上陸1号店の原宿旗艦店を閉店したのをはじめ、17年中に5店舗を閉店しており、ピークの25店から16店に減少して売上げも減り続けている。インディテックス系日本法人(ZARA主力)とて18年は店舗数も増えず、売上高は10%近く減少したと推計される。

 主要外資SPAの合計売上高も15年をピークとして減少に転じており、18年はピークの8掛け強まで萎縮したと推計される。一時は破竹の勢いで急成長していた外資SPAはなぜ、総崩れになってしまったのだろうか。

 

店舗リストラとECシフトを加速するギャップ

「GAP」原宿店は日経電子版の記事によれば年商8億円程度とされるが、原宿駅真ん前の3層496坪の年間家賃は7億円を超えるはずで、90%近い家賃負担率ということになる。家賃が1階で月坪20万円以上とされる表参道や明治通りの路面旗艦店は売上対比家賃負担率50%が通説とはいえ、いくら何でも90%はないはずだが、家賃負担率50%の14億〜15億円(ユニクロならその倍以上売れる)を売っていたとしても大幅赤字には変わりなかったと思われる。

 ギャップ社は「GAP」業態の低迷が続き、北米店舗は17期連続で減少して758店とピークの1604店の半分以下になり、今後の2年間で北米中心に230店を閉めると発表したばかり。全社売上高は165億8000万ドルと4年ぶりに15年1月期の水準まで回復したものの、売上げの20%以上(最終公表の16年1月期で25.3億ドル/EC比率16.0%)まで上昇したと推計されるECとC&Cによる経費率圧縮をもってしても営業経費率は37.7%と上昇が止まらず、営業利益率は8.2%と14年1月期の13.3%には遠い。在庫回転も4.34回と低下が止まらず、13年1月期に比べれば12%減速している。

 今後は好調な「オールドネイビー」を分離上場して拡大し、「GAP」「バナナ・リパブリック」「アスリータ」など他ブランドを擁する上場会社を設立する事業再編とECシフトを進めるとしているが、「オールドネイビー」を撤退した日本市場では「GAP」や「バナナ・リパブリック」の店舗整理が進むだけで、再拡大は望めそうもない。

ファストファッションは縮小の一途

 一時はマーケットを席巻したファストファッションとて退潮が加速するばかりだ。

 H&M日本売上げのピークは17年(17年11月期)の628億円で、18年は10店を新規出店しても2%減少して615億円に落ち込み、平均月坪効率は11.5万円まで落ちて国内ユニクロ(28.6万円/18年8月期)の4掛けと格差が開いた。

 本国決算も既存店売上げが4期連続して前年を割り込み、EC比率を14.5%まで拡大しても営業経費率の上昇が止まらず、営業利益率は7.4%と10年11月期の22.7%の3分の1まで落ち込んでいる。荒利益率も低下が止まらず、在庫回転も2.79回と在庫消化の限界を切っているから、既存店売上げの減少を新規出店でカバーするのも限界だ。遅ればせながら今期は新規市場に380店を出店する一方で既存市場では140店を閉店するとしているから、落ち込みの大きい日本では不採算店の整理に転じて売上げの減少が加速すると思われる。

 H&Mを突き放す勢いのインディテックス(ZARA主力)とて、H&Mほどではないが店舗販売の効率が低下している。既存店売上げはプラスを続けても在庫回転はジリジリと低下傾向にあり、EC比率を12%に伸ばしても営業利益率は16.7%と13年1月期の19.5%からジリジリと低下している。

 既にEC比率の高い欧米では店舗整理に入っており、日本でも18年1月期には減店に転じ19年1月期も横ばいで、今後のECシフトとC&Cを考えれば増店に転じるとは考え難い。日本国内売上げも17年度の推計766億円がピークで、18年度は690億円まで減少したとみられる。

 非上場で数字を一切、公表しないフォーエバー21の日本売上げは推計が難しいが、15年にピークを打って18年は6掛け強程度に減少しているのではないか。