イラスト/永谷せん

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

簡単な心理テストがあります。

 まず五百円玉の大きさをイメージしてください。

 イメージできたら、紙にイメージした五百円玉をシンプルに丸い円で描いてみてください。少しぐらい円が歪んでも構いません。描けたら、本物の五百円玉を取り出して描いた円と大きさを比べてみましょう。

 実はこれ、あなたが今、自分の経済状態をどう感じているかをチェックしようというもの。実物とほぼ同じ大きさの円を描いたとしたら、今の経済状態は満足できるほどではないが、「まあ、人並みかな」と納得している人。

 描いた円の方が実物より大きければ大きいほど、現在の経済状態に不満を抱いているということ。逆に、描いた円が実物より小さければ小さいほど、金銭面で苦労を感じていないということになります。

 さて、あなたはいかがでしたか?

 金銭感覚はその最たるものですが、人はそれぞれ自分なりの価値観を持っています。その価値観の違いによって、同じ物を見ても違う大きさとしてイメージしてしまうことがあるのです。これは、それぞれに自分の持つ心の物差しは違うということ。

 人は自分勝手な物差しで物事を判断してしまうことが多いのです。それを心理学では『社会的知覚』と呼んでいます。

  この『社会的知覚』が働くのは、金銭面だけではありません。人の身長などにも影響を及ぼします。相手が自分より格が上(優秀)だと思えば思うほど、相手の背が高く見えてしまうのです。

 憧れのスターを街で見掛けたとき、「意外に小柄」と驚いてしまうのもこの心理が働いているせいですし、カリスマモデルが長身の上に高いヒールを履くのも、格上感をより際立たせるためでもあります。

 相手の身長が高く見えるかどうかは、どれだけその人を高く評価しているかのバロメーターにもなるということ。その一方で、こんな調査結果もあります。アメリカのある大学の卒業生の身長の高さと給料の額を調べたところ、身長が高い人ほど給料が高かったという結果が出たのです。

「逆もまた真なり」というように、どうやら背の高い人はそれだけで格上(魅力的)に見えるようなのです。そのせいか、アメリカの大統領選挙では、圧倒的に背の高い候補者が勝つというデータがあります。この心理効果が思いの他、強力なことは、ヒールの高い靴を履いたことのある人なら体験済みのはずです。

 自分のやることになかなか自信が持てない人、劣等感を覚える人は、試しにヒールの高い靴を履いてみてください。確実に変化が起こるはずですから。高くなることで視野が広がるだけでなく、気持ちに余裕が出てくるのです。

 変化はそれだけではありません。

 周りのあなたを見る目も変わります。背の高くなったあなたに、威圧感を覚えると同時に格上感を覚えて気安く応対しにくくなるからです。 

 もしあなたが部下で、ダメな上司に意見しようと思っているなら、ヒールの高い靴を履いていくことをお勧めします。しかし、お客さまに対しては高いヒールは逆効果になる可能性があるのでカリスマ店員でない限りは控えた方が賢明。威圧感を覚え、居心地の悪い思いをさせてしまうからです。元々、背の高い人は、首を傾げて目線を下げるなどの工夫が必要になるかもしれませんね。