こんな未来がやってくるのだろうか。そのとき、人間は……

【変化のサイクル】「10年ひと昔」が今は「3年ひと昔」

 昔は10年ひと昔で、10年たてば、いろいろなことを変えなければいけないといわれていたが、今はすごくスパンが速くなった。コスモス・ベリーズ(株)は設立して14年たちますが、昔、騒がれたことがもう当たり前。そうした意味でいくと、企業というのは1つ成功して、世の中の常識を破ったとかいわれてうかれていると、あっという間に飽きられる。ちょうどそういう時期にうちも入っています。役割も変わるし、得意先もお客さまも変わる。10年くらいは安泰でいけた時代から、勢いのあるのは3年から5年くらいが、当たり前になってしまう。

 大日本印刷が新幹線の車内で、20年後の常識をつくるという広告をやった。僕はあれが大好きで、今は非常識だとか常識を脱落しているとかいろいろいわれるけれど、20年したら常識になる。携帯電話がそう。20年前に個人が電話を持って歩くなんてなかった。

 10年後、20年後の常識をつくるというのは、今は世の中に支持されないことをやるわけです。そうした気持ちでないといけない。一度うまくいってしまうと、企業はなまける。経営者もまだいけると。コスモス・ベリーズ(株)も10年は何とか持ちましたが、2015年から停滞しています。同じことをやったって、効果は昔ほど出ない。だからこれからの10年は、もう1回、今だと非常識だということを、どれだけやれるかということでしょう。

【シンギュラリティの先】地球を支配するのはAIロボット

 シンギュラリティ(技術的特異点)であるように、既にAIが人間を超えていますからね。だけど、ほとんどの人が人間の方が上やと思っています。絶対、ロボットより人間の方が上でおれるはずだというが、崩れる時期がきますよね。何やったって、ロボットに勝てないんですもん。そうなったときに、人間がロボットとどう共生するか。ロボットでできないことはもう何もないですよ。

 前の産業革命のときはまだ人間が判断したりする知能的な部分で優位性があった。今はもう判断する能力もロボットの方がはるかに上で、無機物だから死なないし。

 これからの課題は、何を取っても人間は勝てない時代の小売業の在り方やね。AIの進化は速いから、そのへんはそろそろ指向していかないと。僕の生きている間は大丈夫と思っていたら、10年くらいでそうなっちゃうというので、真剣に考えているんです。

 そうなったときの人の働き方は、まず主役が代わるということです。イスラエルのハラリ博士(ユヴァル・ノア・ハラル博士、『サピエンス全史』『ホモ・デウス』の著者)がAI時代には人間は「無用者階級」になると言うんです。『ホモ・デウス』を読むと、否定する要素がない。一部のエリート、ホモ・デウスと無用者階級の選別が進んだ先に、地球は誰が支配するかといったら、AIロボットでしょう。AIロボットは自分で学習してどんどん進化していき、それで死なない。人間は月に逃げるしかない。そうした新しい人類が生まれるということですね。早ければ10年で、今のような生活者の研究を小売業の仕事の仕方が限界を迎えるように思います。

【日本の問題点】働き方だけでなく、休むのもへた

 今度の10連休は遊びに行く人はいいかもしれんですよ。10連休にしてお祭りみたいなことをやってということが日本の政府の価値観でしょ。ヨーロッパだったら1人で1カ月バカンスを取るような仕組みですわ。自分で考えて、自分で充実した生活を追求し、それでいて国全体の生産性が高いところも多い。

 その点、日本はまだ国が休みにしないと休まない。でも、全員休んでしまったら機能しないので、何割かの人は働くわけです。日本ボランタリーチェーン協会でも10連休の間の物流が一番問題になっています。そうしたところに携わる人のオーバーワークを含めて、ただ休んで遊ぶ人だけを考えてもらっては困るなと思う。日本は世界で一番、祝日が多いんだそうです。国が祝日にしないと会社を休めないという時代のままに日本はきているような気がする。それでいて、生産性が低い訳ですから、困ったものです。