厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第32話 第三者を家に入れることに迷いのある妻・巴の目線

 

 平日の保育園の朝の送りは、パパの仕事だ。

 息子は4歳。夫の会社も私の会社も、時短やフレックス勤務はない。18時半のお迎えに間に合うように、私は朝9時から全力で仕事を始める。

 保育園はタイムカードの打刻時間が1分でも過ぎると延長料金がかかる仕組みなので、電車の遅延も許されない。

 帰宅後は、急いで夕飯の準備を始める。

 よく作る料理は餃子や肉じゃが、カレーやシチューなど、親子で一緒に食べやすいものが多い。

 夕飯の準備中に夫が帰宅するので、息子の遊び相手をしながら明日の分の保育園準備などを進めてもらう。

 保育園で今日あったことや連絡事項をみんなで共有しながら慌ただしく夕食を済ませたら、ママっ子が加速気味の息子とお風呂に入り、そのまま寝かしつけだ。

 本当は寝かしつけの後に夫婦で話す時間も欲しいのだけど、私は大体そのまま寝落ちしてしまう。

 朝起きると、寝落ちした間に夫が昨晩の夕食の食器洗いや残った家事を済ませてくれている。

 メーカー事務職の彼は周囲と比べると帰宅が早い方だと思うし、家事育児にかなり協力的な方だと思う。

 料理だけは苦手なので私がやっているけれど、一人暮らし経験があるので、家事が一通りできることも大きい。

 私の唯一の「1人になれる時間」は、通勤時間と、休日に夫が習い事に息子を送迎している間のほんの数十分。まとまった一人時間は少ない。

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「シッターをお願いして、平日の習い事の送り迎えを頼んではどうだろう?」

 息子を土曜日のスイミングに送り終えて帰ってきた夫からの申し出に、私は仰天した。

 実は、夫と、今夏から息子の習い事を増やしてあげたいと検討している。

 候補に挙がっているのは、水曜日の英会話教室。

 息子も好奇心旺盛だし、今すぐにでも始めたいのだが、ネックは、私たちに時間がないことだった。

「多少お金はかかるけど、検討する価値はあるかと思うんだ。

 それからその日は家事代行も合わせてお願いすれば、巴の平日の家事負担も少し楽になるんじゃないかな」

 私のことまで考えていてくれたのは、とてもうれしかった。

 ただ個人的には、知らない他人に鍵を預けたり、家に入られることにはどうしても心理的抵抗がある。

 プライバシーは、守られるのか? 息子はシッターさんに、なじんでくれるだろうか?

 おもちゃや書類で足の踏み場もない汚い家を、シッターが来る日だけはきれいにしなければと、逆に気負ってしまう気もする。

 日曜日にも英会話教室はやっている。とはいえ、土日の両方を習い事に費やすのは、貴重な家族時間を減らすことになるので避けたい。

 息子のスイミングのない日曜日は、決まって車で普段は触れられない自然の多い公園に出掛けて遊ぶのが日課となっている。

 家族の時間はこれ以上削りたくない気持ち、息子に新しい体験をさせてあげたい気持ち、私たち家族の健康、そして仕事とのバランス。

 慣れてしまえば保育園のように何てことはないのかもしれないが、新しい一歩を踏み出すことは、いつだってなかなかハードルが高い。

 

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第33話 教師と体育会系部活顧問の夫・豊の目線

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