メインディッシュの鶏の丸焼き(17.5キロ付近)

 タイトル通り、走って“食い倒れ”た。

 3月3日、台湾の美食で名高い街、台南市のマラソン大会に参戦した。ちょうど同じ日に開催された東京マラソンは、日本記録保持者の大迫傑選手が「スタート地点から寒くなって、体が動かなくなり、棄権せざるを得ない状況」になるほど極寒(スタート時5.7℃)のレースとなる一方、こちら台南は午前中に気温が28℃まで上昇する酷暑のレースとなった。

スタート時間はフルが5時45分、ハーフが6時ちょうど。臨時運行のバスが用意された

 そんな苛酷なレースを忘れさせたのが、エイドステーションにずらりと並べられたB級グルメのラインアップ。長いフルマラソンの行程を熟慮して、ほんの一口ずつ食べるも、バラエティ豊かな食べ物を見ると、全てのテーブルで足が止まってしまう。そんな魅惑に満ちた大会であった。

 フルマラソン(42キロ)は午前5時45分、市中心部の台南市政府(市役所)をスタート、繁華街を5キロほど過ぎた後は、海岸沿いの一般道をひた走る。家屋や建屋もまばらなになり、日が昇るとじりじりと暑さが増し、忍耐の時間を強いられる。そんな環境にあって、エイドステーションで提供する“この一品”とボランティアの笑顔には心が和む。

 最初に口にしたのがミカン(ポンカン)。皮ごと食べられる。甘くて疲れた体に効きそうだ。

エイドのお姉さん。笑顔で応じてくれた

 次に手に取ったのがスイーツ。しっとりとして、すんなりと喉を通った。普段は(酒飲みなので)関心のないスイーツだが、このときは甘さが本当に体に染み入った。

疲れを癒す充実のスイーツ。多くの大会は飴玉がせいぜい。

 そしてメインが冒頭の画像「鶏の丸焼き」。豚足と同じテーブルにあり、私は鶏をチョイスした。その場でスタッフが切り分けているので、パサパサしておらず、とてもジューシー。

台湾では縁起の良い食べ物の豚足も提供された

 実は、ここで足を止めて、しっかり「食事」しているランナーは、あと数キロでゴールを迎えるハーフマラソンの方々。まだ半分の距離にも達していないフルのランナーは、食べるのを控えめにしないと、あとがキツイ。

台南の小吃(シャオチー≒屋台料理)には欠かせない水餃子

 途中で水餃子も1つ頂き、お腹もしっかり満たされると、「鹿耳門天后宮」が視界に入る。17世紀にオランダ軍を撤退させた鄭成功が建立した廟(何度か修復)だ。記念写真を撮るのはマラソン・ツーリズムのランナー(筆者ら)であろう。インスタ映え?

鄭成功が台南からオランダを追い出して建立した鹿耳門天后宮

 レースは郊外の漁港を過ぎて、少し寂しい農道のようなルーラルな道へと入っていく。ランナーもばらけて、次第に緊張も和らいでいく(ダレていく)。日差しが強くなり25℃は超えたであろうか。帽子が必要だったかな。走っているのか歩いているのか分からないような速度に落ち着く。

ちびっ子たちの私設エイドステーション

 道路の脇には、私設エイドステーションのちびっ子たちが“試食”の真っただ中。自分はバナナを補給して、ゆるゆると走り出す。

暑さが増したところで今度はアイスキャンデー。ありがたい ! ガリガリ君のような、すっきりとした美味。少し持ち直す。

気温の高い大会にアイスを食べると本当に生き返る

 たくさんの美食に助けられたが、最後の関門40キロを超えた地点で力尽きた。41キロを過ぎて制限6時間のタイムアウト。

40キロの関門を超えて街中に入ったが1キロ残してタイムアウト!

 残り1キロと少しをゴール地点までとぼとぼと歩くと、完走メダルとタオルを持ったお姉さんが駆け寄ってきて手渡してくれた。本来なら辞退すべきかもしれないが、とっさのことで、中国語も英語も言葉にならないまま受け取ってしまった。

 フルマラソンは1800人、ハーフマラソンは6000人が完走。

 メダルは残念賞。感謝していただき、またいつかエントリーします。

“完走”メダルと“フィニッシャーズ”タオル
観光地「神農街」にあるバーの2階で残念会

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