今年10月1日より、消費増税に伴う「軽減税率制度」が実施されます。日本初の複数税率導入に伴い、小売業・飲食業・各種サービス業を中心に会計シーンが大きく変化します。これにより店舗では、通常業務に加え、“軽減税率制度に対応したレジの購入や改修”、“価格見直しや税率設定”、“従業員への教育”などを行う必要があります。また、正しい対応ができていないと顧客満足度の低下や売上げ毀損につながる可能性も懸念されます。

 この連載では、「消費増税・軽減税率制度」実施の年を迎えた今、店舗の皆さまが混乱することなくスムーズに10月を迎えられるよう、レジの選び方やレシート対応、キャッシュレス活用などについて、分かりやすくお届けしてまいります。

 第2回は、軽減税率制度の実施後も安心して会計が行えるようにするために必要な「レジの改修・買い替え」について、レジの種類別に紹介していきます。

全国各地で軽減税率制度セミナーが活発化

 2019年に入り、地方自治体や商工会議所などが主催の軽減税率制度に関する説明会やセミナーの実施が活発化しています。

 セミナーの前に参加者の方にお話を伺うと、「(軽減税率制度までに)どんな準備が必要なのか?」「自分の店舗に合っているレジはどれなのか」「レジを替えてもこれまでのオペレーションに支障は来さないか」など、軽減税率制度による影響に加えて、レジを替えることによる店舗運営への影響を不安視する声が上がってきます。

 では早速、レジの種類別に、軽減税率制度に向けた準備や店舗運営への影響においてどのような違いがあるのか解説していきます。

軽減税率制度に対応できるレジの種類

 軽減税率制度に対応できるレジは、主に3種類あります。

①レジスター

②高機能POSレジ

③モバイルPOSレジ

 2018年11月に小規模店舗(5店未満)に『Ariレジ』が実施した調査の結果、軽減税率に対応できていない理由を掘り下げると、「時間・手間・コスト」の観点から準備が進められていない状況が判明しました。そのため、この3つの要素を軸に、各レジでどのような特徴があるのか――それぞれの特徴や軽減税率制度への対応難易度を下表にまとめています。

 

 ①レジスターは、コストでは3万円程度と、3種類の中では最安値で購入できる利点があります。しかし、商品ごとの税率設定などの操作はレジ本体の小さな表示窓、またはPCでの専用ツールを使用して行うため、3種類の中では最も時間と手間がかかることが想定されます。また、税率は部門ごとに設定を行うか、商品やお客さまの購入シーン(テイクアウトorイートイン)によって打ち分ける必要があるため、商品数の多い店舗にはハードルとなるかもしれません。

 ②高機能POSレジは、商品ごとの税率設定などの操作は全て専任業者に依頼するのが通常ですが、その改修費用やそもそもの導入費用などのコスト面が飛び抜けて高くなっています。コスト面で店舗運営への影響は大きいと思われます。

 ③モバイルPOSレジでは、サービス提供会社によって異なりますが、おおよそ3万~10万円での導入が可能で、コストを抑えて導入できます。商品ごとの税率設定などの操作はiPadやiPhoneなど端末上で完結でき、設定さえしておけば、商品ごとの税率を覚える必要もなく、打ち間違いを減らせすます。また、会計や在庫の情報がクラウド上に自動で蓄積するため、日々のレジ締めや在庫管理、売上げ分析などの作業もラクになります。

 加えて、2023年にはレシートに事業者番号と税率ごとの合計を記載する「インボイス制度」が予定されているなど、今後もレジ対応が必要になるタイミングが出てくると予想されます。

 モバイルPOSレジであれば、こうした今後のレジ対応にもアプリのアップデートのみで対応できるため、「時間・手間・コスト」全ての削減につながります。このように今後のレジ対応という側面もあるため、軽減税率制度のレジ対応にはモバイルPOSレジが使いやすいのでは、と考えています。

 では、③モバイルPOSレジで、具体的にどのような軽減税率対応を行っていくのか、私がプロデューサーを務める『Airレジ』での対応を例に、紹介していきましょう。

モバイルPOSレジの具体的な軽減税率制度対応

 軽減税率制度に対応する『Airレジ』の特徴は、主に次の2点です。

1)カンタンさを追求した設定画面

2)アプリのアップデートひとつで対応

 1)について、店舗が消費増税・軽減税率制度に対応するには、事前に増税後の新価格や商品ごとの適用税率(標準税率/軽減税率)をレジに設定する必要があります。『Airレジ』では、これらの設定をなるべく少ない操作で迷いなく対応いただけるように、レジ業務に携わるオーナーや店長を訪問し、開発中の画面の使用感や要望を随時ヒアリングし、機能開発に反映しています。直近のヒアリングでは、多くの店舗からiPadやPCなどの大きな画面を見たままタップするだけで設定ができたり、カテゴリーごとに適用税率が変更できたりする点について、「これなら自分で設定できる」「増税前夜を穏やかに過ごせそう」などの声を頂くことができました。また、設定画面のリリースは、春頃を予定しており、余裕をもって準備に着手することが可能です。

 

▲注文入力画面:品目・シーンをタップするだけで適用税率を意識することなく会計できる。

 

▲商品設定画面:商品ごとに適用させる税率(標準税率・軽減税率)をカンタンに設定できる。カテゴリーごとにまとめて登録することも可能

 2)については、事前に必要な設定を済ませておけば、あとはアプリのアップデートだけで、自動的に複数税率に対応できます。

「Airレジ」は中小企業庁が指定する軽減税率対策補助金の対象となっており、iPadは1/2、周辺機器は1/4の価格で購入でき、費用を抑えて導入できます。

 ここまで、軽減税率制度の実施後、スムーズに安心して対応できるレジの改修・買い替えについて紹介しました。これから、軽減税率制度の準備をされる店舗の皆さまにとって、レジ対応を具体的に考えるきっかけとなれば幸いです。

 次回は、軽減税率制度と同じタイミングでの実施が予定されているキャッシュレス・消費者還元事業について具体的に紹介したいと思います。ポイント還元により集客効果が見込めることやキャッシュレス決済手数料の軽減などについて、解説をしていきます。

【この連載の記事】

・第1回「どうなる?どうする?『軽減税率制度』で変わる店舗の会計シーン」

 

※『Airレジ』の調査結果

 

最新号

販売革新2019年6月号

販売革新2019年6月号

■コンビニが変わる/■無印良品の「進化」

コンビニが転機を迎えている。 セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は決算会見で 「意志のある踊り場をつくる」と発言した。 コンビニの変化とこれから、そして小商圏における流通のこれからを追った。