今、流行の『ロジカルシンキング』の要素に『ボトムアップアプローチ』と『トップダウンアプローチ』がありますね。この言葉から、大昔勉強した『積み上げアプローチ』と『デザインアプローチ』を思い出しました。

在りし日の2つのアプローチで行っていたこと

 積み上げアプローチはFACT FINDINGがキモ。現場で事実情報をもれなく収集し、改善の取り組み策を積み上げていきます。「現場百回」という言葉があり、「分からなくなったら現場に行け」と先輩からよく言われたものです。

 積み上げアプローチは新人コンサルタントが一人前になるための入り口で、経営診断、事業診断、本社診断、店舗診断等テーマごとに調査手法、診断視点、まとめ方を学びました。

 積み上げアプローチの良いところは調査手法が確立されているため、漏れなく取り組み策をリストアップできることでした。しかし、時間を大変要するという欠点もありました。

 一方、デザインアプローチはまず、あるべき姿を描き、それに必要な要素をリストアップする手法です。しかし、あるべき姿を精緻に描くことは難易度が高く、経験を積んだベテランコンサルタントしかできないアプローチでした。

 そこで、目標とする企業をあるべき姿の代替とし、その企業の売場、仕組みを研究するベンチマーキング手法が使われるようになりました。

 流通業界では、サミットのバックヤードを研究する、イトーヨーカ堂の業革を研究する等が一世を風靡しました。これらは皆、デザインアプローチの流れからきています。

ロジカルシンキングの2つのアプローチとの違いは?

 ロジカルシンキングの要素の中にMECE(ミーシー)があります。 Mutually(お互いに) Exclusive(重複せず)Collecticely(全体に) Exhaustive(漏れがない)の頭文字からきています。簡単にいえば、漏れなく重複なく取り組み策を立案することとなります。

 MECE(ミーシー)のアプローチにはボトムアップアプローチとトップダウンアプローチの2つがあるわけです。

 ボトムアップアプローチは「詳細を集めてから全体を描く」アプローチで、トップダウンアプローチは「全体から詳細を描く」アプローチです。

 ボトムアップアプローチ、トップダウンアプローチとも、全体に漏れなく分析するために、普遍的な視点や物事の要素で分解したり、集合させることを求めています。これを『ロジックツリー』といいますね。

 例えば、売上げ課題をボトムアップアプローチで詳細を集めようとするとき、「売上高=単価×客数」の単価と客数を詳細に要素分解して事実情報を集めます。

 マーケティング課題であれば、マッカーシーの4P(プロダクト=製品価値の方向、プライス=価格戦略、プロモーション=販促戦略、プレイス=チャネル戦略)を利用してトップダウンアプローチします。マーチャンダイジング課題であれば、マーチャンダイジングの要素である品揃え、展開時期、展開場所、提供価格、提供数量、売場づくりツールの6つの要素別に課題を集合させます。

 積み上げアプローチとデザインアプローチ、ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチ、時代は繰り返すのだとつくづく思いました。

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