昔ながらの商店街やアメ横が並ぶ下町情緒たっぷりな上野に、少しオシャレなランドマークとして登場したPARCO_ya。PARCOとして新たな試みと、歴史あるこの地に新しい価値観を植え付けられるかが楽しみでもある商業施設だ。

 J. フロント リテイリングが推し進める「アーバンドミナント」戦略。それは、日本全国の大都市を中心に大丸、松坂屋、パルコなど既存店舗の資産を有効活用することで、グループとして都市部におけるドミナント形成をすることが狙いだ。今後、都市部への人口集中が続くとの予想を背景に推し進めるようで、今後も2019年に渋谷パルコ、大丸心斎橋店新本館と大型プロジェクトが控える。

 今回は、上野フロンティアタワーの中核を占めるPARCO_yaを11月4日のOPEN前に視察した。既存のPARCOブランドと違いを表すために新屋号とロゴデザインを刷新、場所柄、江戸の下町文化を代表する、祭りや花火の時の、威勢の良い「○○ヤ~!」と、日本の老舗をイメージする「○○屋」から語尾に_yaを付け加えた。

 本店の池袋パルコや旗艦店の渋谷パルコ(現在は閉店、改装中)と比べると、規模感は感じられないものの、隣接する松坂屋上野店と3階、6階で連絡し、相互に行き来できるようになっている。

 東京において、江戸時代から同じ場所で営業を続けている百貨店は日本橋三越と松坂屋上野店のみという、文化遺産的に歴史のある店舗だけに、松坂屋上野店の主力客はシニア層だ。今回、南館の建て替えを期に、若者からの支持が期待できるパルコをリーシングしたのではないかと想像する。

TOHOシネマズでは『ガールズ&パンツァー』『ゴジラ』『スターウォーズ』などのレプリカやフィギュアなどを館内で販売、固定ファンの集客を狙う。

 しかし、「PARCO=若者向けファッション」と感じた世代は、もはや40歳を超えていて所帯を持った人も多い。TOHOシネマズも取り入れて、3世代、ファミリーでの来店にも期待したいところだが、半径5km圏内には東京ドームシティの複合商業施設のラクーア、東京スカイツリーに隣接した東京ソラマチが控える。そうした事情からか、テナント内容には、映画館以外にキッズの要素はあまり感じられない。その映画館も、秋葉原との立地の近さを意識したアニメ(マニア向)コンテンツの充実を図る方向性で、決してファミリーをメインターゲットとしては捉えていないようだ。そうしたことも踏まえると、「ちょっと上の大人のパルコ」としたコンセプトもうなずける。

 

案内ロボットを期間限定(11月12日まで)で店内に設置。実証実験として来店客へ館内の案内サービスを提供する。