顧客の「モーメント」から顧客体験向上のヒントを見つける

 では、溜めたデータを分析し、顧客体験を向上させるにはどうしたらいいのでしょうか。注目すべきは、顧客の年齢や性別という「属性データ」のみならず、「行動データ」を分析するという視点です。つまり、顧客属性によって分析するのではなく、顧客の特徴的な行動(モーメント)単位で分析するということです。顧客の行動から顧客の状況を捉える「モーメント分析」をすることで、より効率的に効果的な顧客体験向上策を立案することができます。AIの登場によってこうした複雑な分析のハードルは低くなりました。

 例えば、弊社が提供するモーメント分析サービス「USERGRAM」は、WEBやアプリの顧客ひとりひとりの行動が可視化できます。実店舗において目視で確認していたようなお客様の行動をWEBやアプリ上で追えるということです。

 これまでのWEBやアプリの集計ツールは、どのページがよく見られているかなどの集計データは見ることができたのですが、一人一人の顧客がどのページをたどり、どこにどれほど注目しているかまで追うのは、高いスキルを持っていなければ難しいものでした。「USERGRAM」では特別なスキルを持っていなくても、どんな人がどのページを見て、どんな商品を買っていったかまでを追うことができるようになっています。

「USERGRAM」が問題を解決したフェリシモの事例

 ここで、通販サイトのフェリシモの事例をご紹介します。あるとき、「スモールサイズのキャンペーン」というキャッチコピーをバナーとメールに利用していました。そのキャンペーン施策の効果を図るために「モーメント分析」をすると、なぜかサイズ表を入念に見て、その後離脱するという人が多くいたのです。そのため、「スモールサイズ」であっても自分にフィットしなかった苦い経験を持つ人が大勢いるのではないか、という結論に至りました。そこで誘導のキャッチコピーを「ぴったりサイズを揃えました」と変えたところ、売上が3倍になったのです。

 

 大事なのは、行動データを分析し、企画を出したのはデータアナリストではないということです。「USERGRAM」ではUIを工夫して、データに強くなくてもまるで実店舗で接客しているように、WEBやアプリ上のお客様の行動を理解できるようにしています。そのため、商品企画部門がお客様の行動分析に加わることができ、それが的確な企画につながったのです。

 このようにチーム全体でAIの力を借りながら行動データを分析すること、そして、分析、企画、実行のPDCAサイクルを力強く回すことが、OMO時代に顧客体験を向上させる鍵になるのではないでしょうか。「USERGRAM」はそのための強力な支援ツールとして皆様のお役に立てると考えています。