2月の3連休は冷え込んだ関係で、一気に冬物処分が進んだ企業と客足自体が鈍ってしまったところがあったようだが、3連休後半あたりから最高気温が10℃を超える日も増えて春物が動き始めた。そんな穏やかなきさらぎ(如月)の主要企業の業績を追ってみたい。

東京都の平均最高気温は11.6℃、平均最低気温は3.3℃。前年同月と比べて最高気温は+1.5℃、最低気温は+2℃と暖かだった。例年と比べても平均気温差が7.5℃と小さく、穏やかな気候に恵まれた。

*しまむら(既存店)売上高 97.0%、客数 98.7%、客単価 99.7%

【主要施策】しまむら決算SALE冬物大セール/のあにゃんが着る春コーデ特集 【話題の取り組み】『刀剣乱舞-ONLINE-』新作トレーナーHIKAKIN&SEIKINコラボ第2弾シリーズの発売 【注目アイテム】レディス→①起毛ワッフルVネック脇スリットワンピレギンスセット(税込1900円)、 ②長袖広めのラウンドネック大玉pt.カットワンピース(税込1900円)/メンズ→③ドライバイツー仕様スラブ裏毛パーカー(税込2900円)

 冬物SALEが中心だった模様で、今年は暖冬のせいか各社苦戦を強いられた印象の暖かパンツの値下げプロモーションが目立っていた。『刀剣乱舞』の新作トレーナーは展開キャラクターを全店、店舗限定と振り分けた結果、即日完売状態でネットでも話題に。人気ユーチュバーのHIKAKIN&SEIKINコラボの第2弾は第1弾ほどの動きは見られなかった様子だ。75cm丈クラスのカット系チュニック、110cm丈のカットワンピも好調のよう。年末から起用しているティーン向ファッション誌『ポップティーン』専属モデルの“のあにゃん”(鶴嶋乃愛)を使った若い顧客層を狙ったスタイリングの動向にも今後、注目したい。昨年に比べ営業日と休日が1日ずつ少なかったことも影響して、既存店売上高は10カ月連続マイナスとなる。

*ライトオン(既存店)売上高 96.8%客数 106.8%客単価 90.6%

【主要施策】リーバイスエンジニアード・ジーンズ20周年 【話題の取り組み】春の衣替えキャンペーン(リユースプロジェクト)/LINEpay20%還元 【注目アイテム】ユニセックス→①Leeデニムポケットパーカー(税抜5990円)/レディス→②Championモックネック刺繍プルオーバー(税抜6990円)、 FILAワッフルロングワンピース(税抜5990円)

 

 月度後半に向けて客単価の落ち込みも回復基調にあったものの、3連休の記録的寒波の影響で売上げを伸ばし切れなかったよう。また、しまむら同様、営業日と休日が1日ずつ少なかったことも影響した。

  この春から大きな売場変更をしたライトオン。メンズではテーブル展開をリーバイス、エドウィン、リー、チャンピオン。壁面にフィラ、ディッキーズ、ラングラー、ラッセル・アスレチックでくくってNBの強化路線をはっきりと打ち出した。過去に幾度となく「PB⇔NB路線」と舵を切ってきた同社にとって時代とうまく迎合できるのか注目していきたい。

アダストリア既存店)売上高 114.8%、客数 108.6%、客単価 105.7%

【主要施策】BE NATIVEらくさに出会う。/ ザ・ビートルズのアニメ映画「イエローサブマリン」×コラボレーション 【話題の取り組み】親子リンク企画IN THE HOUSE×コラボレーションの発売、Furniture Fair 【注目アイテム】レディス→①レースキリカエフレアワンピース(税込12960円)、②コットンツイルカラーマウンテンパーカー(税込5389円)/メンズ→NO COFFEEフードパーカー(税込5940円)

 平年と比べて気温が高く推移したことに合わせ、店頭の季節対応を強化したことで客数の伸長につながり、順調な春物の立ち上がりとなった。ブランド別では、グローバルワーク、ニコアンド、スタディオクリップ、ローリーズファームが好調に推移。特にローリーズファームはターゲット年齢をアップさせたことがよかったようで、セレモニーにも使える上品なワンピースなど今までになかった商材を取り入れ、売上げに貢献した。グローバルワークではフィラ、レイジブルーではカンゴールといったNBの取り扱いも始めた。

ユナイテッドアローズ(既存店*1)売上高 106.1%、客数 103.3%、客単価102.2%

【主要施策】It WORKS 今年の通勤、セレモニースタイルはこれで決まり! 【話題の取り組み】試着体験シェアアプリ「フィットム」5月上旬から提供予定 【注目アイテム】メンズ→①Columbia Black label×monkey time フィッシングジャケット (税込297000円)/レディス→②TATRAS LEUCA3wayモッズコート(税込129600円)、③ブッチャー素材ノーラペルジャケット(税込17280円)

  月前半は前年同月に比べて気温が低く推移したことで、冬物アウターや防寒小物等の最終セールが好調に推移。中旬以降は気温上昇に伴い、春物商品が順調に売上げを伸ばした。メンズでは月を通じてアウター、ジャケット、パンツ、シューズなどが、ウィメンズではアウター、ジャケット、スカート、ワンピースなどが好調に推移。メンズではColumbia Sportswearのロングセーラーモデル「Weding Jacket」をベースとしたフィッシングジャケットのメイクアップモデルは完売。引く続き、ポロラルフローレンのセレクション、レディスでもタトラスのモッズコートが人気で、相変わらずNB、ラグジュアリーブランドに向けて熱い視線が注がれている。

良品計画(既存店売上105.0%*2客数 107.4%客単価 96.5%

【主要施策】「衣料品」SALE価格からレジにてさらに20%OFF 【話題の取り組み】「価格を点検しました。~」シリーズ 【注目アイテム】レディス→①インド綿二重ガーゼシャツ(税込2990円)、②ムラ糸裏毛プルオーバーパーカ(税込2990円)/メンズ→③新疆綿洗いざらしオックスボタンダウンシャツ(税込1990円)

 

 衣服・雑貨では冬物のセール品のアウター、防寒小物の販売とともに新規商品の販売を強化し、商品をリニューアルしたデニムパンツや「ムラ糸裏毛ジップアップパーカー」の売上げが上昇。生活雑貨では好調なケア用品、小物収納やキッチン用品の他、トラベル用品やリビング家具の売上げが堅調だったようだ。3連休にはイチ早く春物を割り引いて消費喚起を狙ったあたり、客単価を落としつつも売上げ・客数アップに貢献したと思われる。

ユニクロ既存店)売上高 103.0%、客数 104.5%、客単価 98.6%

【主要施策】旬の春色大公開 【話題の取り組み】Uniqlo U春夏コレクション/セレブレイトミッキースウェット/イネス・ド・ラ・フレサンジュのキッズコレクション(キッズフォーマル) 【注目アイテム】レディス→①ワッフルクルーネック長袖Tシャツ(税抜1500円)、②ワッフルクルーネック8分袖ワンピ(税抜1990円)/メンズ→③クルーネック長袖リブ付ポケットTシャツ(税抜1990円)

 前年に比べ、暖かい日が続き、春物の売れ行きが順調だった。前年同月は寒さが続き、冬物がけん引したが、今年は春物が全般的に売れた。客数増につながったと分析していた「Unirlo U」では春色、夏色ともいえる大胆な色彩を加えたことで売場に鮮度がもたらされた。春色を代表するようなピンク、クリーム、メンズのサックス、パープルはアイテムによっては売り切れた商品も。メンズではオンライン限定でC/Nクロスのマウンテンパーカー(税抜5990円)を展開(販売状況によって今年の秋に本格デビューする公算が高い)。客数は前年同月が大きく伸びたことの反動もあり、落ち込んだようだ。

[2月の総括]今年らしさを伝えられたか?

 20日締め企業2社は休日が1日少なかったことが影響して既存店売上高が前年を割ったが、月末締め企業は大方、春物商品の進捗は芳しかったようだ。“冬物商品の消費満腹感”が漂う中で、魅力的な商品の打ち出しにはリスクが伴う「セレモニー、就活、新生活」といった揺るぎない生活イベントを基本に、華やかな色や凹凸感のある素材を使って今年らしさを伝えられた企業がよかったのではないか。ライトオンの売場変更、グローバルワークやローリーズのリブランディング、Unirlo Uが展開するニューベーシックへのチャレンジなど、これからの動きにも注目していきたいと思う。

【3月商戦のポイント】オリジナリティをアピール!

 早くも春物商品の処分期に入る。その一方で夏物商品の投入が図られる時期なのでSALE感は控えめにしたい(春物商品は5月いっぱいまで着用できるものとすみ分けた処分計画が必要)。

 今年のレディスはチュニック、ワンピースが大本命アイテムだ。素材、色、柄、丈とこれから晩夏までのシーズナブルプランを立て、注力したい。当然、コーディネイトを前提とした商品もスタイリングを決定付ける要素として外せない。自店への来店客のファッション感度に合わせた提案を目指すことを忘れずに計画したい。

 今年の春分の日はあいにくの“飛び石連休”だが、これから『春』『サクラ』『新元号』へと消費マインドは上昇傾向に向かうので売上げアップを期待したいところ。あまりにも「売れ筋追求型」にはまると横一線になり、価格での差異化となってしまう。早々と消耗戦に入ってしまわないように、自社のオリジナリティでしっかりとアピールして挑んでいきたい。

*印の企業=20日締め、*1=小売既存+ネット通販既存の合算数字、*2=衣料品部門の数字/文中の売れ筋動向情報はIR情報及および筆者視察によるものです。