セブン‐イレブンのフランチャイズ(FC)加盟店が営業時間を短縮し、契約違反とするセブン‐イレブン・ジャパンと対立。加盟店のオーナーらが集まる団体も見直しを要求する事態となり、テレビ、新聞などでも大きく報じられた『コンビニの24時間営業の是非』。書かずにいられず、この原稿を書いた。

「葬式にも行けない」「子供の学校行事に参加できない」

 セブン-イレブンはそもそも店名の通り、当初は午前7時から午後11時までの営業だったが、その後、終夜営業となり、今では大半の店舗が24時間営業するのが普通になっている。ファミリーマート、ローソンなど同業他社も同じような状況で、コンビニは年中無休でいつでも開いているのが当たり前の状況を創り出していった。

 今回の問題の背景には、深刻な人手不足があり、24時間、店舗の運営を切り回せないという事情があるが、実はかなり以前から加盟店オーナーにとっては大きな負担となっていた。年中無休の24時間営業は「葬式にも行けない」「子供の学校行事に参加できない」といった象徴的なものから、長時間労働による過労や病気など、筆者も加盟店オーナーから直接、話を聞くこともしばしばあった。

店を開けて売上げがあれば、本部は儲かる

 コンビニのビジネスモデルは『本部は店舗のフォーマット開発や商品構成などを行い、商品供給、システム供与などを担う。加盟店は本部の支援を受けて店舗の運営を行う。この役割分担のもとで、売上総利益(荒利益)を双方が分け合う』というもの。

 店を開けて売上げがあれば、その分、本部には加盟店が支払うロイヤルティが入るが、店は人件費などのコストが掛かり、それに見合う売上げがないと赤字になる。本部にとっては営業時間は長ければ長いほど収入を得る可能性が高くなり、極論すれば、売上げの過多は関係なく、100円でも売れれば儲かるのだが、この構図が双方の利害対立を生む要因となっている。

 ロイヤルティの料率は、物件が自前か否か、荒利益額、水道光熱費の負担などの諸条件によって異なり、チェーンによっても差がある。本部と加盟店がWin-Winの関係であれば問題はないが、思うように売上げが上がらず、経費の負担も重ければ、加盟店は窮地に立たされる。

ザーはシステム産業、ジーは小売業

 当然、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)は立場が異なる。両者の関係を簡単にいえば、ザーはノウハウを提供し、ジーはそれを使って店舗を運営する。コンビニはザーにとってはシステム産業、ジーは小売業という2重構造となっている。

 そのため、ジーはザーの存在なくして店舗は回らず、ザーはジーがいなくては事業が成立しない。両者は持ちつ持たれつなわけだが、ジーからみれば、人の褌で相撲を取ることで利益が得られるが、生殺与奪の権利はザーに握られている。こうしたことから、本部はイコールパートナーを標榜するが、実質的には従属的な立場にあるともいえる。

高収益の本部と家族経営でも収入が少ない加盟店

 セブン‐イレブン・ジャパンの営業総収入は8498億円、営業利益は2441億円(2018年2月期)で、営業利益率は28.7%という高収益を上げている。その一方で、オーナー収入は700万~1000万円程度(推定)で、夫婦など家族経営も多く、それを考えると1人当たりの収入はさらに低くなるが、経営者に限らず、コンビニのパートやアルバイトの時給も高いとはいえない。

 セブン-イレブンを含め、こうした格差はFCビジネスの歪みともいえ、極論すれば、ジーは収奪され、ザーが栄えるという構図である。資本主義である以上、企業は利益拡大に向けて事業展開するのが使命である。下世話に言えば『儲けてなんぼ』の世界であるが、近年はCSRをはじめとして社会的役割も問われている。

 そうしたことを鑑みると、ザーとジーは契約を結んだ上の関係とはいえども、正すべきことも多々あり、FCシステムそのものにも大きな問題点があるのではないかと思えることから、社会的観点から立った議論も必要となろう。