厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第29話 複業スタイルで働く夫・タカの目線

 

 2人の子供が幼い頃、僕は主夫をしていた。今は海外法人の会社員と個人事業主、そして父親業を並行して、リモートワークの複業スタイルで働いている。

 主に午前中は個人の仕事、午後は会社の仕事をする。金銭的な稼ぎでいうと妻の方が多いが、それは僕が今まで主夫業をしてきたから当然のことだ。

 主夫の頃は僕が家事・育児をほとんどやっており、仕事からの帰りが遅い妻には不満ばかりだった。もちろん、終電帰りの妻には、物理的に家事は無理だった。

 でも、妻がリモートワーク勤務になると、状況は変わった。彼女が自宅にいる時間が増えると、家事はかなり分担できるようになった。それに伴い、僕の仕事の割合も増えた。

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 家事には、大きく分けて2種類あると思う。

 日々の洗濯や食器洗いなど日常生活で定期的に発生する「ルーチン系の家事」と、なくなったものの補充や備品の交換など不定期に発生する「イレギュラー系の家事」だ。

 妻はルーチン系の家事をやることが多いが、やり方に関して、僕は細かいことは言わない。手間を減らすためにどうしたらいいかは常に考えているが、家事の手順ややり方は本質ではなく、目的は「家事を終えること」だからだ。

 一方で、僕が主に担当している「イレギュラー系の家事」は、意外と負担が大きくて侮れない。

 特に大変なのは、人が絡むものだ。子育て中だと、子供による家具の破損やけが・病気の看病は、こちらの予定など関係なくいきなり発生する。

 あとは、大人同士の人間関係も欠かせない。僕は地域間の交流も、いざというときに家庭を守るセーフティネットになり得るので大切だと思っている。でも、その分、他人からの頼まれごと、サポートなどのコミットも必要となってくる。

 いずれも事前に予測ができず、時間や分量は読めないことが多いので、バランスを取るのが難しい。

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 普段の買物は、目的に合わせて使い分けている。

 よく使うのは、楽天、アマゾン、地域のネットスーパー。楽天はレアなアイテムが見つけやすい商品の幅広さが魅力だし、定番商品が安くてすぐに届くのはアマゾン。ネットスーパーは、豊富な種類の食品をすぐに届けてくれるのが便利だ。

 ただし、最近は家から出るために、あえて外に買物に行くようにしている。

 外で買うものは、肉や野菜などの生鮮食品が多い。ネットスーパーでも買えるけれど、日持ちしないのでたくさん買いづらいし、何といっても新鮮なものが食べたいからだ。

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 日本は、いまだに強い男女役割分業の文化があると感じる。

 僕も主夫を始めた頃は、「男なのに」外に出てバリバリ働いていないことで、社会や周りの目、世間体をひどく気にしていた。

 でも、実際に主夫をやっていて、街中で非難されることはほとんどなかった。

 結局は、自分自身の心の声を気にしているだけだったと、振り返ると思う。

 社会に対しても、何か強い要望はない。自分自身も社会の一員なのだから、社会を変えたければ自分を変えればいいと、今は思っている。

>第28話 かわいそうな意識が抜け切れない妻・美智子の目線

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第30話 外資系医療メーカーで働く妻・マコの目線

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